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「サッカーの力」“神の手”マラドーラの「復讐」 武力ではなくスポーツの力で勝利 「武器捨てて」ドログバの訴え 「平和・敬意・友情」イラン代表が残したメッセージ…【サンデーモーニング】

海外
2026-07-05 17:07

ベスト16が出そろって、熱戦から目が離せないFIFAワールドカップ北中米大会。その歴史を振り返ると、スポーツとしての“サッカーの力”を感じさせる様々なドラマがありました。


【写真を見る】イラン代表が試合後、ロッカールームに残した“メッセージ”


「人生を変える力がある」“戦争で日常を奪われた”子どもがW杯代表選手に

激戦が続く、FIFAワールドカップ北中米大会。各国のトップ選手たちからなる、あるチームが注目を集めています。


ピッチを駆ける選手らが、次々と少年の姿に。彼らは全員、幼い頃、戦争によって日常を奪われた経験の持ち主。サッカーには「人生を変える力」があるとしたチームの一人は…


カナダ代表 アルフォンソ・デービス 主将
「難民キャンプから来た少年がカナダ代表のキャプテンになるなんて、考えるだけで笑顔になります」


アフリカ・ガーナの難民キャンプで生まれ、カナダに渡って代表となったデービス選手。過酷な境遇に置かれても、輝かしい未来をつかめる。そんな“サッカーの可能性”を示しています。


「武器を捨ててください」サッカーW杯が動かした“国民の心” 

世界で最も競技人口が多いスポーツとされるサッカー。その頂点を決めるワールドカップでは、これまで、「サッカーの力」を感じさせる様々なドラマが演じられてきました。


その象徴ともいえるのが、1986年のワールドカップ・メキシコ大会。アルゼンチン代表のマラドーナ選手は、イングランドを相手に「神の手」「5人抜き」ゴールと呼ばれた“奇跡”を演じます。


さらにアルゼンチンは勝ち進み、優勝。国民は熱狂します。


その背景にあったのがこの4年前に起きた、南大西洋の島の領有権を巡り、アルゼンチンとイギリスが戦ったフォークランド紛争。イギリスの圧倒的軍事力を前にアルゼンチンは敗北。多くの若者の命が奪われます。


マラドーナ氏は自伝で、のちにこう語りました。


「マラドーナ自伝」より
「アルゼンチンの青年たちを、奴らイギリス人たちが、小鳥でも殺すような感じで殺していた。だから、あれは復讐だったんだ」


歴史的に欧米による搾取や弾圧にさいなまれてきた南米。加えて、敗戦による屈辱に、国民はうちひしがれていました。


それを武力ではなく、スポーツの世界での勝利によって晴らしたマラドーナ選手は、国民を勇気づけ、奮い立たせたのです。


また2005年、当時、激しい内戦が続いていた西アフリカのコートジボワールは、ワールドカップの初出場を決めます。


国中が歓喜に沸く中、キャプテン・ドログバ選手は国民に呼びかけます。


コートジボワール代表 ディディエ・ドログバ選手
「国民の皆さん、ワールドカップ出場という目標の下、様々な民族が一緒にプレーできる事が証明されました。喜びのため人々は団結できます。今ここでひざまずいてお願いをします。我々の豊かな国、内戦を続けていてはいけません。お願いです、武器を捨てて下さい」


メッセージは国民の心を揺り動かし、2年後の停戦合意につながりました。


さらに、2010年の南アフリカ大会。そこに至る、黒人への「アパルトヘイト」=人種差別政策撤廃の歩みにも、サッカーは影響を及ぼしたのです。


南アフリカ“差別撤廃”にもサッカーが…刑務所の“サッカーリーグ”から国作りへ 

南アフリカのケープタウン沖合に浮かぶロベン島。ここに、のべ数千人の政治犯が送り込まれた刑務所が、かつてありました。のちに大統領となるネルソン・マンデラ氏も18年間に渡り、ここに収監されました。


過酷な獄中生活を強いられた収容者が、生きる希望を見いだしたのは、刑務所内で設立を許された「サッカーリーグ」でした。


元収容者 ルラミレ・ゾゾさん(2010年撮影)
「サッカーは私たちに希望を与えました。“いつか自由になるんだ”とスポーツを通じて団結することも学びました」


そのサッカーリーグのルールづくりの模範とされたのが、刑務所の図書室に偶然あったFIFAのルールブック。


公平かつ不正を許さず、民主的運営を定めたFIFAの規約。それを模範として学び、リーグを運営した収容者の人々は、解放後、新生南アフリカの国作りに携わるなど、国家の礎を築いたのです。


黒人初の大統領となったマンデラ氏は、サッカーというスポーツが持つ「力」をこう訴えました。


マンデラ氏の演説(2000年5月)
「スポーツには世界を変える力がある。人々を鼓舞する力がある。他の何ものにもできないかたちで、人々を結びつける力がある。絶望しかなかった場所に、希望を生み出す力がある」


「誇りを持って…」イラン代表がロッカールームに残した“メッセージ” 

今大会は開催の約4か月前、アメリカとイスラエルがイランを空爆。停戦合意には至ったものの、いまだ緊張状態が続いています。


アメリカはイラン代表団の入国規制や一部スタッフのビザ発給を認めないなどの圧力をかけました。


それでもイラン代表は、試合後、ロッカールームにこんなメッセージを残しました。


イラン代表のメッセージ(6月21日)
「私たちは誇りを持ってここにやって来て、名誉を持って戦い、尊厳を持って去ります。すべての国々の間に平和、敬意、そして友情が行き渡りますように」


いまだ戦争と差別がなくならない中、「サッカーの力」は、世界に何をもたらしてくれるのでしょうか。


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