イタリアで500年以上続くクリスマスの伝統菓子、「パネットーネ」。その世界大会が初めて日本で開催され、「和の素材」で挑んだ日本人職人に密着しました。
ふんわりとした生地にドライフルーツなどを練り込んだイタリアの伝統菓子「パネットーネ」。イタリアでは、家族や友人と楽しむクリスマスの定番として親しまれています。
そして今年、日伊外交関係樹立160周年を記念し、イタリア国外で初となる世界大会の開催地に日本が選ばれました。
その舞台に挑んだのが、スターバックスが展開するイタリアンベーカリー「プリンチ」のヘッドシェフ・松田武司さんです。本場イタリアで経験を積み、日本でその食文化を伝えています。
パネットーネ特有の生地の膨らみや風味に欠かせないのが天然発酵種。
イタリアンベーカリー 「プリンチ」ヘッドシェフ 松田武司さん
「種の管理が職人にとっては一番難しいところ。使っていない時期でも毎日同じような工程を経て種継ぎしていく」
イタリアでは“母なる種”とも呼ばれ、一年を通して大切に管理されています。
今回、松田さんが挑んだのは、「加賀棒ほうじ茶」を使用した新たなパネットーネ。難しかったのは、お茶の苦みや渋みの生かし方です。
イタリアンベーカリー 「プリンチ」ヘッドシェフ 松田武司さん
「加賀棒ほうじ茶のお茶の渋みだったり、苦みだったり、日本人がおいしいと思うお茶というところを出し過ぎると、イタリア人にとってはあまり良い印象にならないんじゃないかなって。イタリアの伝統的なものっていうのは守りつつ、いかにこう日本らしさを出すみたいなところが今回チャレンジしてるところ」
大会に向け、試行錯誤を重ねました。
さらには「渋皮栗」も加え、長時間発酵などいくつもの工程を経てようやく焼き上がりへ。
しかし――これで完成ではありません。
ここから形が崩れないよう逆さに吊るして冷まし…、仕込みからおよそ2日半で完成しました。
今回の大会をきっかけに松田さんが目指すのは――。
イタリアンベーカリー 「プリンチ」ヘッドシェフ 松田武司さん
「(パネットーネを)全国にもっと広めたい。今シュトーレンとか、クリスマスケーキとか、クリスマスといえばこれっていうのはあるんですけど、その中にパネットーネも選択肢に入ってほしい。今回の大会きっかけにもっともっと広めていきたいなと思っています」
そして迎えた、世界大会当日。世界各国の職人が東京に集結しました。
会場には、クリスマスを思わせる色とりどりの作品が並び、華やかな雰囲気に包まれています。審査するのは、本場イタリアの職人たち。味や香り、焼き上がりなどを細かく評価します。
果たして、松田さんの結果は――。
入賞には届きませんでした。
本場イタリアの審査員は、松田さんの作品をどう評価したのでしょうか。
FIPGC会長・審査員長 マッテオ・クトロさん
「(松田さんの)作品は非常に素晴らしかった。ただお茶の風味をもっと際立たせる工夫が必要です」
一方で、和の素材を取り入れた発想については――。
FIPGC会長・審査員長 マッテオ・クトロさん
「アイディアは素晴らしい。イタリアの伝統菓子に、その土地ならではの食材を取り入れる発想は正しい方向性だと思います」
結果を受け松田さんは――。
イタリアンベーカリー 「プリンチ」ヘッドシェフ 松田武司さん
「技術も知識もあげていって、もっと日本でも盛り上がれるようにしたいなって改めて思いました」
国を越え、人と人をつなぐ幸せの架け橋「パネットーネ」。その魅力を日本でもっと身近に…、松田さんの挑戦は続きます。
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