未だ、収束の気配が見えない“令和の米騒動”。政府備蓄米を放出した後もコメ価格は高止まりしたままですが、価格安定に向けた政治の動きが出てきています。
まもなく創業100年のこちらのコメ店。毎日、炊きたてのコメを使ったおにぎりを販売していて、昼時には“老舗の味”を求める客で賑わいます。
客
「家で炊くのとは違う、もちもちしている。おいしいコメが食べたいので」
「午前中でなくなってしまう。11時を過ぎたら、あるかないか」
いま、創業以来のある異変に直面しています。
記者
「店頭を見てみますと、おコメが並んでいない状態です」
1年前はおよそ20種類のコメが並んでいましたが、去年の夏以降、仕入れられる量は2割から3割ほど減っています。
片岡米穀店 片岡文人 店主
「仕入れが不安定な状態。スーパーの店頭にコメがなくなれば、それを求めて探し出すというのはある」
売るコメが足りないのに増える客。1家族2キロの購入制限を設け、倉庫に残るコメを計り売りして凌いでいます。
農水省が今週発表した全国のスーパーでのコメ5キロあたりの平均価格は18週ぶりに下がりましたが、値下がり幅はわずか19円。高止まりしていますが、農協のトップはこう評価しました。
JA全中 山野徹 会長
「いま、備蓄米が出回りつつある。効果が現れ始めているものと見て、(現在のコメ価格は)決して高いとは思っていない」
ただ、備蓄米の出荷量は落札量の3割ほどに留まっています。事態は打開できるのか。
きょう、備蓄米の倉庫を視察した自民党の小野寺政調会長。流通を円滑化するため、「放出したコメを政府が1年以内に買い戻す」との条件を撤廃する考えを明らかにしました。
自民党 小野寺 政調会長
「必ず買い戻すということになれば、やはり流通させる方も一定の制約が出てしまいますので」
ただ、買い戻しの制度そのものをなくすわけではないとしています。さらに…
自民党 小野寺 政調会長
「玄米で流通すれば、今まで以上に早く、この備蓄米が店頭に並ぶことになる」
玄米で保管されている備蓄米。
現在は、卸売業者の段階で精米する必要があるため、作業が追いつかず、流通が滞る原因になっています。
先ほどのコメ店も期待を寄せます。
片岡米穀店 片岡文人 店主
「お客さまが求めているものだから販売したいし、それで米騒動が落ち着けば一番いい」
政府は今年の新米が出回る夏まで、毎月、備蓄米を放出する方針ですが、消費者が実感するところまで価格は下がるのか、試されることになります。
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