コメの価格高騰のあおりをモロに受けているのが「飲食チェーン」です。ごはんのお替わり無料を続ける所もありますが、ここに来て、牛丼チェーン「吉野家」の親会社はラーメンを柱にする戦略を打ち出しました。
吉野家HDがラーメン事業拡大「提供数で世界一を目指す」
井上貴博キャスター:
吉野家HDが19日に発表した中期経営計画の中で、世間を驚かせたのが「ラーメン事業への本格参入」です。
吉野家HDの売上は、67%が吉野家となっています。
2024年度のラーメン店舗数は125店舗ですが、2029年度には店舗数を500店舗、売上高400億円を目指し、2034年度には「提供食数 世界No.1へ」という大きな目標を打ち出しました。
一体なぜなのか、フードアナリストの重盛高雄さんによると、吉野家の全国の店舗数は1259店舗で、店舗の増加率は前年と比べて2%増に留まっています。価格に関しても、並盛は498円と、500円の壁はなかなか越えられません。
一方でラーメンは、1000円前後という価格帯もつけやすく、海外からのインバウンド客にとっても日本食といえば「ラーメン」の時代です。
また、SNS(インスタグラム)でのハッシュタグの件数でも、「#GYUDON」は約15万件、「#RAMEN」は約1565万件とラーメンの方が圧倒的に多いんです。
吉野家のラーメン戦略はすでに動き出していて、「せたが屋」、「ひるがお」、「ばり嗎」、「がんくろ」など125店舗を運営しています。
また、2024年には「京都・宝産業」を買収し、麺やスープなどの商品開発・製造をし、海外にも輸出しています。
有名企業も他業種へ展開 “二刀流”の人気店に
井上キャスター:
異業種への参入といえば、「吉野家」の競合他社である「すき家」を運営しているゼンショーホールディングスですが、3月期連結決済で、初めて売り上げが1兆円を超えた一大飲食グループです。
▼回転寿司
▼ファミレス
▼パスタ
▼ハンバーガー
▼ハンバーグ・ステーキ
▼焼肉
▼とんかつ
▼イタリアン
▼丼・うどん
▼和食ファミレス
これだけ多角化しています。
フードアナリストの重盛高雄さんは「吉野家は、性別・年代と客層が狭い牛丼一筋ではこの先戦っていけない」と話しています。
他業種へ展開する企業は他にもあります。
「崎陽軒」では、米粉を使ったスイーツの専門店「HB Style KIYOKEN」を展開しています。シウマイ弁当では名わき役の「あんず」と、ご飯と同じスチームで調理したふっくらモチモチな生地を使い、スイーツを販売しているということです。
また、紀伊國屋書店新宿本店の書店の地下には、旅行雑誌「るるぶ」が展開している「editor's fav るるぶキッチン」があり、全国各地のご当地グルメ約100種類が味わえる専門店となっています。
地域とコラボした「ご当地メニュー」があったり、「るるぶ」を見ながら食事することも可能なんだそうです。
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