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「団体・組織頼る時代じゃない」“コメ担当”小泉大臣生出演、「3000円台」実現できる?「随意契約」で価格下がる?【Nスタ解説】

経済
2025-05-22 21:09

コメの価格は本当に下がるのか?今、最も関心が高いこの課題に取り組むことになった小泉農水大臣。先ほど、JNNに生出演し、「団体や組織に頼る時代じゃない」とコメ政策の改革の必要性を改めて訴えました。


【写真で見る】Nスタに生出演し“コメの価格”について語る小泉進次郎大臣


随意契約いくらに? 小泉大臣は「今日中に固めるよう指示」

井上貴博キャスター:
コメの価格、消費者としては1円でも安くなってほしいですが、安くなりすぎると農家は疲弊してしまうのかもしれません。


22日夜、Nスタに出演した小泉進次郎農水大臣は、「随意契約」の制度設計について、農水省・財務省に今日中に固めるよう指示をし、固まり次第、“いくらの随意契約で出す”と発信すると話しました。

さらに、随意契約でいくらにするかは、「最終的には私の判断」だとし、“これだったら下がる”と受け止められる水準にしたいということです。

これまでも森山幹事長などが3000~3500円台が妥当ではないかと話していたので、数字に言及するかと思いましたが、「まだ言わない」という意思を感じました。


TBSスペシャルコメンテーター 星浩氏:
今回の随意契約では、おそらく「古古米」といわれる3~4年前のコメが出てきますので、相当安い価格でないと市場でも売れないでしょう。

2500円ほどで随意契約しないと追いつかないともいわれていますので、今の銘柄米およそ5000円を平均すると、3700円くらいになるという計算のようです。


「随意契約」のメリット・デメリットは?

井上キャスター:
「随意契約」のメリット・デメリットなどについても見ていきたいと思います。

これまでの備蓄米は、国有財産なので基本的には「一般競争入札」と定められていて、簡単にいえば“オークション”のような形です。


例えば、▼集荷業者Aが1万8000円、▼集荷業者Bが2万1000円、▼集荷業者Cが2万2000円を提示した場合、一番高値で入札した業者が落札することになります。

ちなみに、財務省によると、2023年度、政府は1万2829円/60キロで買い取りましたが、農水省によると、2万2477円/60キロで落札(第1~3回落札価格の平均)されています。

オークション形式でどんどん値段が高くなると、政府が買い取った価格よりも、落札額が高くなってしまうため、小泉大臣が随意契約について言及したということです。

「随意契約」になると、政府が任意の業者と直接契約を結ぶ形に変わります。


コメの流通に詳しい流通経済研究所の折笠俊輔 主席研究員は、▼メリットとしては、価格が下がること、流通スピードが短縮できること、▼デメリットは、業者選定が不透明な点だと指摘します。

業者の選定が不透明だと、不公平にもなりませんか、どのようにするのでしょうか。


TBSスペシャルコメンテーター 星氏:
例えば、随意契約して今回は儲けにならないとしても、随意契約によって宣伝効果があったり、売名になったりすることはありますので、選定については相当、透明度高くやらないと恣意的になってしまいます。そのため、今まで財務省や農水省も随意契約に慎重でした。


井上キャスター:
江藤前大臣が「できない」としていたのが、一気に変わったということですね。


出水麻衣キャスター:
なぜ「随意契約」が俎上に上がっていなかったのかと不思議に思いますし、こんなにスムーズに切り替えられるものなのですね。


TBSスペシャルコメンテーター 星氏:
一つは、(備蓄米は)国有財産ですから、原則として入札しなくてはいけません。さらに、もう一つ「想定以上に高く入札された」という点があると思います。


出水キャスター:
古古米は2500円ほどで出てくるのではないかということですね。


TBSスペシャルコメンテーター 星氏:
随意契約の中身が出てくれば、早晩はっきりしてくると思います。


出水キャスター:
私は現在4000円台のコメの価格が徐々に下がるのかとイメージしていましたが、そうではないということですか。


TBSスペシャルコメンテーター 星氏:
おそらく5000円程度の銘柄米と、2500円程度の古古米が両方店頭に並ぶという状況になるわけです。


“約8割が22年度産”も価格おさえる理由に?

井上キャスター:
そもそも、なぜ随意契約だと一般競争入札よりも価格を下げられるのでしょうか。

流通経済研究所の折笠主席研究員によると、「入札のように価格がつり上がることなく、政府が主導した価格で販売できるため」だということです。

政府はどのくらいに設定しようとしているのでしょうか。


備蓄米の落札価格は2万2477円/60キロ(第1~3回落札価格の平均・農水省より)だったのですが、折笠主席研究員は「次回から2022年産のコメが入ってくるので、政府としては2万円/60キロを切るイメージか」とみているそうです。


●初回(3月中旬) 24年度産、23年度産 2万2914円
●2回目(3月下旬)24年度産、23年度産 2万2380円
●3回目(4月下旬)すべて23年度産 2万1926円
●4回目(入札中止)24年度産、23年度産 約8割が22年度産

1年古いだけで、ある程度価格が下がるのではないかということです。

星さんの見立ては、もっと安くなるということでしょうか。


TBSスペシャルコメンテーター 星氏:
ただ実際、銘柄前の5000円と古古米が並んだときに、果たして消費者が2500円のものを買うかどうかという点は気になります。

そう(安いほうが良いと)は言ってもコメは新しい方がいいということで、あまり買われなかった場合は全体の平均価格が下がらないことになりますから、政府もまだ読み切れていないと思います。


井上キャスター:
星さんは2500円くらいとみているということですか?


TBSスペシャルコメンテーター 星氏:
古古米が出てくれば2500円くらいなのかなと思います。相当安い価格で随意契約しないと、逆に効果は上がりませんからね。

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<プロフィール>
星浩さん
TBSスペシャルコメンテーター
1955年生まれ 福島県出身 政治記者歴30年


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