随意契約の備蓄米「古古米」の販売が全国で広がるなか、コメの卸売業者間の取引価格が下がり始めています。小泉農水大臣はきょう、「必要な水準まで下がってるかといえば、まだまだ始まったばかり」と話しましたが、今後、コメ価格はどうなるのでしょうか。
きょう、津軽海峡を越えて、初めて北海道の地を踏んだ随意契約の備蓄米。札幌市内では、22年産のいわゆる“古古米”5キロ2150円で販売が始まりました。
客
「(Q.お米買えてよかったですね)よかった」
「すごく助かります。家に貯めておけたら」
全国有数のコメの生産地・北海道にも届いた備蓄米。きょう午後から価格は5キロ2150円で徒歩で来た人には店先で、車の人にはドライブスルー形式で、予定したおよそ1000袋がなくなるまで販売されました。
一方、都内のスーパーでは、21年産のいわゆる“古古古米”は今月下旬に5キロ2000円以内での販売を予定していますが…
ベニースーパー 赤津友弥 本部長
「備蓄米の今回の価格は破壊的な安さという状態になってる」
通常のコメとの価格差が大きすぎると指摘。いま、店頭に並んでいる去年の秋にとれたコメは5キロ税込み4600円あまりと高値が続いています。
客
「ほぼ倍。高いなって思ってはいるが、ちょっともう半分諦めている」
高値が続く要因について、小泉農水大臣は先週…
小泉進次郎 農水大臣(5日)
「コメの流通というのは極めて複雑怪奇。そしてブラックボックスがあると。社名は言いませんけれども、卸の大手の売上高、営業利益、ある会社は売上高は120%を超え、前年比ですね。営業利益は対前年比500%ぐらいです」
農家が生産したコメは、集荷業者であるJAから複数の問屋や卸業者を経由して小売店に並びます。
小泉大臣は高騰の一因がコメ独特の“流通システム”にあると指摘しました。ディスカウントストア「ドン・キホーテ」の運営会社のトップもJAと小売業者の間の卸問屋が最大5つも存在していると指摘しています。
きょう、群馬県内にあるコメの卸売店を訪ねると…
金沢米穀販売 金澤富夫さん
「流通がわからない、ブラックボックスだっていうのは本来の真実を別の方向に向けさせているような気がしますよね」
相場を上げるために買い集めているのではなく、安定的に供給をするために現在の価格になっているとしています。
一方、備蓄米の放出によってコメの卸売り間の取引価格は急落していると話します。
金沢米穀販売 金澤富夫さん
「1日空けたらドンと5000円、6000円下がった。我々、米穀業者にとっても、ある意味ショッキングな数字」
卸売業者の間で売買する「スポット取引」の価格は、5月23日には玄米60キロあたり新潟県産の一般コシヒカリは5万円でした。それが、先週5日には4万3500円に下落。関東のコシヒカリも4万8500円だったのが、4万2000円に急落しています。備蓄米の放出で価格は…
金沢米穀販売 金澤富夫さん
「少なくとも3000円台に」
きょうも国会では、コメをめぐって議論に。
立憲民主党 横沢高徳 参院議員
「生産量は足りていると言えるのでしょうか」
小泉進次郎 農水大臣
「この民間在庫を入れたら圧倒的に需要を供給は上回っているんです。この民間在庫というものの流れを、またストックを正確にどこまで把握出来ているのかということについては農水省自身は謙虚にならなければいけない」
小泉農水大臣は民間在庫を十分に把握できていないと反省を口にし、対応を急ぐ考えを示しました。
随意契約の備蓄米が放出され、流通が広まるなか、今後、小売価格のさらなる値下がりを実現できるのか、政策の真価が問われることになります。
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