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【選挙の日、そのまえに】“トランプ関税” 日本は「30%か35%」本気か脅しか… 日本財界トップ「バカにした交渉のやり方」 トランプ氏とどう向き合う?【news23】

経済
2025-07-03 15:07

日米関税交渉の期限が迫る中、トランプ大統領がまたしても日本への不満を爆発。30%を超える関税を課す可能性を示しました。日本はトランプ政権とどう向き合うべきなのでしょうか?


【写真を見る】日本への不満を爆発させるトランプ大統領


政府関係者「完全に予想外」 自動車の部品メーカーも混乱状態

“本気”か、“脅し”か──。トランプ大統領がまた日本に圧力をかける発言をしました。


アメリカ トランプ大統領(7月1日)
「日本はコメを必要としているのに、我々のコメを受け取らない。貿易で彼らは非常に不公平だった。そんな時代は過ぎ去った。
日本と交渉してきたが、取引できるか疑わしい。彼らはとても強硬で甘やかされてきた」


こう日米関税交渉への不満を露わにしたトランプ氏。


日本は今、相互関税24%(一律10%+日本14%)と、自動車関税25%という2つの脅威に直面しています。

これまで赤沢大臣が7回交渉をおこない、関税の引き下げを求めてきましたが、隔たりは埋まらず、ついにトランプ大統領はこんな発言を…。


アメリカ トランプ大統領
「私は日本に対して手紙を書く。日本には30%か35%か、我々が決定する関税を支払ってもらう」


日本に対する関税を上乗せすると示唆したのです。この発言に、日本の財界トップは…


日本商工会議所 小林健 会頭
「日本を尊敬してるとかいろんなこと言いながら、非常になんていうか、馬鹿にした交渉のやり方だと思っていますよ。過敏に我々が反応すると、それは逆に言うと、交渉で言うと思うつぼだと」


政府関係者も頭を抱えています。


政府関係者
「完全に予想外」
「数字はいちいち真に受けないほうが良いが、どう着地させればいいのか…」


自動車の部品メーカーも、翻弄され続けてきました。


テイン 渡邊宏尚 執行役員
「(トランプ)関税の上下で、どこで生産するか、価格をどうするかというので毎日、混乱状態が続いている」


この会社は、売上の2割近くがアメリカ向けの輸出で、関税の上乗せは経営に大きなダメージを受けかねません。


テイン 渡邊宏尚 執行役員
「アメリカのお客様って、価格に対してすごくセンシティブなので。正直早く(合意)してほしいっていうのが本心ですね」


首脳同士の会談も踏まえ、当初は“優先交渉権を得た”とみていた日本ですが、「一時停止」されている相互関税の停止期限は来週9日に迫っています。


石破総理は2日、日本記者クラブでの党首討論会で、次のように話しました。


石破総理
「日本はアメリカにおける世界最大の投資国。『関税よりも投資』ということで、これから先も国益を守り抜いてまいります」


日本は譲歩する必要があるか、安易に妥協せずに持ちこたえるか?

藤森祥平キャスター:
今回のトランプ大統領の発言は「日本には30%か35%か、我々が決める関税を払ってもらう」という内容でした。


明海大学の小谷哲男教授は、このトランプ大統領の厳しい態度には、強い不満が表れているとみています。アメリカは同盟国の日本を守るために莫大な防衛費を払ってきたにもかかわらず、巨額の貿易赤字があることは不公平だ、という考えがあるようです。

トランプ大統領は3月には「防衛費を払わないならNATO加盟国を守らない」とも発言しており、「アメリカ側は日本側に防衛費をGDP(国内総生産)の3.5%に増額するよう要求した」という報道(6月20日、フィナンシャル・タイムズ紙)もあります。


小谷教授によると、トランプ大統領は“関税で譲歩しなければ日本が攻撃されても守らない”と考えている可能性もあるということで、日米の安全保障に悪影響を与えかねず、日本は譲歩する必要があるのではないかと指摘しています。


小川彩佳キャスター:
3日からは参議院選挙の期間に入りますが、トランプ氏との向き合いも大きな課題になってきます。国のリーダーにはどのようなことを求めますか?


地域エコノミスト 藻谷浩介さん:
やはりトランプ大統領は一貫しないので、たとえば日本が譲歩したからといって本当に防衛するかどうかなど、これまた保証はありません。

過去の危機というのがコロナ禍だったことを、皆さん覚えているでしょうか。コロナの年に世界中の経済が止まったことで日本の輸出は大きく減り、ざっくりトランプ関税の影響がフルに出るよりも大きな打撃を受けましたが、日本の産業は大丈夫でした。

いっとき、こういう関税があることも踏まえたうえで、日本にはその程度の打撃には耐えられる力もあるので、安易に妥協せずに持ちこたえるという戦略のほうがいいのではないかと僕は思います。


トラウデン直美さん:
いつものトランプ大統領らしいやり方というか、どこまで踏み込んでいけるのか測っているような感じもあります。ただ、ときには言ったとおり実行することもありますよね。

そのときにどう対応できるかだとは思いますが、日本の位置というのはアメリカの防衛上も重要な位置だと思うので、急にいなくなることは当然ないと思います。

長期的にトランプ大統領との関係をしっかり構築して、ある程度御していける方が日本政府にいたらいいなというところです。


地域エコノミスト 藻谷浩介さん:
なかなか言うことを聞くだけで御するのは無理だと思います。面倒くさい人というのは、譲ると逆に、さらにかかってきます。逆に突っぱねているからといっても、仲間になる人と喧嘩する人に分かれます。

ただ、関税をかけるということはアメリカのインフレの危険がどんどん大きくなるので、アメリカも何年も続けていると国内がガタガタになります。実はお互いに、まさにチキンゲームで、どちらがチキンアウトするのかというところがあると思います。


藤森キャスター:
選挙期間中に、トランプ大統領との向き合い方について各党の声をしっかり聞いてみたいですね。


==========
<プロフィール>
藻谷浩介さん
地域エコノミスト 少子化問題に詳しい
(株)日本総研主席研究員

トラウデン直美さん:
Forbes JAPAN「世界を変える30歳未満」受賞
趣味は乗馬・園芸・旅行


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