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2026年の「ドル円相場」どうなる?為替のプロ4人が徹底予想【Bizスクエア】

経済
2026-01-14 07:00

2026年で11回目を迎えた新年恒例の相場予想会。毎週番組で為替の予想をしている“為替のプロ”は「2026年のドル円相場の行方」をどう占うのか?


【写真を見る】2026年の「ドル円相場」を為替のプロ4人が徹底予想


2025年の「円高予想」敗因は?

2026年は円安に歯止めがかかるのかー


予想するのは『バルタリサーチ』花生浩介さん、『三菱UFJモルガン・スタンレー証券』植野大作さん、『三井住友信託銀行』瀬良礼子さん、『バンク・オブ・アメリカ』山田修輔さん。4人の為替のプロたちが2026年の相場をズバリ予想する。


その前に、2025年の答え合わせから。12月31日の終値は156円73銭だったが、それぞれの予想はどうだったのか。


<2025年末ドル円相場の予想>
▼山田さん【160円】
▼植野さん【159円】
▼瀬良さん【145円】
▼花生さん【140円】


――ニアピン賞は植野さん。勝因は?


『三菱UFJモルガン・スタンレー証券』チーフ為替ストラテジスト 植野大作さん:
「なんとかニアピンになってホッとしている(笑)。トランプさんが相互関税を下げてくれなかったら4月の139円からさらに墜落していったと思うけど、意地を張らずに関税を下げてくれたことが勝因の1つ。あとは自民党総裁選で、もし小泉さんが勝っていたらもう少し円高になっていた」


<ドル円相場 2025年>
▼1月1日:157円20銭
▼4月22日:139円88銭★最円高
▼10月21日(高市政権発足):151円94銭
▼12月31日:156円73銭 


「160円」と距離の近さでは2番目となったのは、『バンク・オブ・アメリカ』の山田さん。


『バンク・オブ・アメリカ』主席日本FXストラテジスト 山田修輔さん:
「25年は円安だったが実はドル安もついてきて、ドルも円も弱い1年になった。日本は実質金利が低くて財政懸念がある。アメリカは財政懸念があってトランプ政権の不確実性。ヨーロッパも防衛で財政が拡大していくということで世界的に通貨の信認が低下していった1年なのかなと」


――元来“円高派”の2人は大きく外した


『バルタリサーチ』花生浩介さん:【140円予想】
「レンジ(価格が上下する一定の範囲)は大体想定内だったと思うけど、やはり夏場以降の円安は予想外だった。もちろん高市政権の発足というのはあったと思うが、それよりも手前で、日銀の金融正常化の遅れを投機筋辺りが見切ったというのはあると思う」


『三井住友信託銀行』マーケット・ストラテジスト 瀬良礼子さん:【145円予想】
「7月8月ぐらいまでで25年が終わっていたら、私がニアピンだった(笑)。やはり10月以降の高市トレード、これが想定外だった」


2026年「円高予想」そのワケは?

では、2026年のドル円相場はどうなるのか?“円高派”2人の予想から。


『バルタリサーチ』花生浩介さん:
ドル円予想2026▼年末:145円▼円高:145円▼円安:165円

「145円が円高かどうかはちょっとわからないけど(笑)、ただ一つ言えるのは25年と同じで、“ドルに対する不信感、不透明感”があると思う。それと、不十分とはいえ“日米金利差は縮まっていく”と思うので、大幅な円安というよりは、むしろ“マイルドな円高”。逆に言えば25年とあまりレンジは変わらないイメージ」


『三井住友信託銀行』瀬良礼子さん
ドル円予想2026▼年末:145円▼円高:140円▼円安:162円

「25年の一番の円高予想は135円だったが、やはり円高に振れる余地は少なくなっている。ポイントは、国際秩序が乱れている中での世界的なコストプッシュ。インフレ率は25年よりは減速するかもしれないが、インフレ率が高い中で日銀は利上げ、FRBは議長交代のもとでおそらく年後半に利下げ。となると“物価高の中での利下げでドルには下押しのプレッシャーがかかる”と見ている」


――花生さんも瀬良さんも“円高派”だったが、いずれも130円は来ないという予想。恐ろしい世の中になってきた気がする


年末160円も「十分あり得る」

一方で、“円安予想”も。


『バンク・オブ・アメリカ』山田修輔さん:
ドル円予想2026▼年末:155円▼円高:145円▼円安:165円

「2026年もドル離れという意味でのドル安基調は続くのではと思っている。ただ一方で、日銀が1回2回利上げしても実質金利まだ十分にマイナスのままなので積極的に円を買おうという流れにはならないのではないか」


――そういう意味で言うと円安、インフレが定着する年ということか


山田さん:
「定着はおそらく25年にした感じで、26年もその流れ。よりカギとなるのはドルの動き。新議長が就任して利下げをどれだけするのか。ただ利下げをしたとしても、おそらくインフレを喚起する効果が出ちゃうので、将来的な利上げの織り込みも入ってくる可能性がある。なのでドル円としてはそこまで円高にならないのではと思う」


――一番円安を予想したのは植野さんで、年末160円。ここまで覚悟しなきゃいけないと


『三菱UFJモルガン・スタンレー証券』植野大作さん:
ドル円予想2026▼年末:160円▼円高:150円▼円安:166.5円
「十分あり得ると思う。日本はインフレ目標2%を超えている状態が3年半も続いていて、現実のインフレ率が3%。もはやデフレでない国がリフレ政策をやると言ったら、国債と円が売られるのは当たり前。何もしなければ160円を超えて162円も超えて、介入が出てくるような催促相場みたいになると思う。165円まで行くと今度はドル売り介入も出てくるので最終的には160円ぐらいで収まるのではないか」


キーワードは「トランプ」「根っこの需給」

続いては、相場を占う<2026年のキーワード>をあげてもらった。


三井住友信託銀行』瀬良礼子さん:【トランプ】
「トランプそのものというよりは“トランプ周り”。まずはFRB議長がどれくらいハト派の人が選ばれてくるのか。それからトランプ関税の違法性の判断。どんな判断でもマーケットにはかなり影響を与えそうだ。さらに中間選挙。アメリカの景気は悪くはないが、格差が開いている。中間選挙に向けては格差の下の方をサポートする動きが出やすい」


――景気の面では今のところ大きな落とし穴はなさそうだが、“サプライズ的要素”を見た方がいいと


そして、植野さんは「構造的な円売り」に注目する。


『三菱UFJモルガン・スタンレー証券』植野大作さん:【根っこの需給】
「ドル高円安が進む、あるいはユーロや人民元に対してものすごく円安が進むのは、誰かが売っているから。日本は資源がなくてデジタルインフラの基盤もないから、貿易サービス赤字の決済のために、常にドルを買わないと電気もつかないパンも食えないスマホもいじれない国になってしまっている。まずその“日常生活から染み出ている円売り”が非常にしつこい」


他にも、NISAで日本株ではなく外国株を買う形で、円が売られる。


植野さん:
「あるいは企業が対外直接投資を年間20兆円ぐらいしていくというのも、『人口が減っている日本だけで投資をしていても儲からない』とみんなが思っちゃっているのが大きい。金利の方向性や政治の安定性などと関係ない部分で円が売られているというのが影響としては非常に大きいのではないか」


キーワード「日銀」「金利」

日米の金利差が縮まっても円高にならなかった2025年。その中で、花生さんのキーワードは、日銀に関すること。


『バルタリサーチ』花生浩介さん:【日銀の情報発信】
「市場は日銀の思惑、実質金利マイナスを結局は維持するだろうと見切っている。仮に日銀でも官邸でも、今の円安を好ましく思っていないのであれば、もう少し明確なメッセージを出す必要がある。為替レートは日銀のターゲットではないが、実質的には金利と為替と同じようなベクトルで動いている。しっかり情報発信をして修正していく意欲が市場を変えるためには必要」


2025年のキーワードを「円金両用」としていた山田さんは、そこに「金利」をプラス。


『バンク・オブ・アメリカ』山田修輔さん:【円・金・金利】
「やはり実質金利の低さが、円の信認の低下に繋がっていると思う。その意味では金利を上げていけば、ある程度通貨の価値を支える要因にはなる。ただ金利を上げるということは、政府の借り換えコストや日銀の財務自体も悪化していく要因になってしまうので、金利を上げるのか円を支持するのかというジレンマが今あると思う」


――為替の安定を優先するのか、金利の安定を優先するのか、焦点を絞らないとダメということか


山田さん:
「金利の安定という意味では、高市政権は積極財政を提唱して総裁選を勝ち支持率が高い状況が続いているので、やはり財政政策は消極的なものは出せない。財政を引き締める段階ではないという前提に立つと、日銀としては金利を上げにくく、結果として円安が進んでしまう。米国でも中間選挙前に利下げ圧力がかかっていくので、やはり金が上がっていく可能性は高いのではと思う」


「円安定着の悪循環」脱却するには?

“円安が定着している”という意見もあったが、仮に1ドル150円、160円という世界が常態化した場合、日本経済への影響はどうなるのだろうか?


――円安が長期化するとみんなが貧しくなるから「もっとお金を出せ」と財政が緩む⇒金利が上昇しまた円安と、新興国型の悪循環みたいになる


<円安定着の悪循環>
【円安長期化(インフレ↑・貧困化】⇒【積極財政】⇒【財政悪化不安】⇒【長期金利上昇(国債売り)】⇒【円安長期化】…


『バルタリサーチ』花生浩介さん:
「高市政権は積極財政を進めるとともに、海外からも含めた国内投資を増やそうとしているが、そもそも円安を支持というか、通貨安政策をとっている国に積極的にお金が入るはずはない。なのでやはり通貨安政策を変更していくというメッセージが必要。150円前後のドル円の水準は決して円高ではないから、政権としても、日銀としてもしっかり見据えていく必要がどう考えてもある」


――今の円相場を反転させるような奇策、秘策はないのか


『三菱UFJモルガン・スタンレー証券』植野大作さん:
「奇策はないが今できるのは、インフレ目標値が2%なら短期の政策金利も2%ぐらいに上げて、少なくとも実質マイナス金利政策はゆっくり時間をかけて止めますよぐらい。加えて、赤字国債をどんどん出すとか黒字化目標を撤廃して大丈夫だというのではなく、財政は出すけど財源もしっかり確保しながらやりますよというところをもう少し日本として訴えていくこと」


日本円に対する「通貨の信認」を、どう確保していくかが2026年の一つの大きなテーマになりそうだ。


(BS-TBS『Bizスクエア』2026年1月10日放送より)


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