今話題の“白い本”マイブック、お値段一冊539円。スマホの普及などで活字離れが進み、出版不況も叫ばれる今、異例のヒットとなっている本ですが、一体どんなものなのでしょうか?
今話題の「マイブック」 本の中身は真っ白?
東京・池袋にあるジュンク堂書店。
Nスタ
「ありました、マイブック。話題の本のコーナーに置かれています」
手に取りやすい文庫本。裏には紹介文も書かれているのですが…中を開けると日付だけが書かれていて、あとは真っ白。
ページにメモや日記など、好きなことが書ける「本」です。
出水麻衣キャスター:
普段だと著書の顔写真などが載っているところには「あなたの写真を貼ってください」とあります。プリントシール機で撮った写真を貼る方もいるそうです。
又吉さんはいろんな文庫本を手に取っているかと思いますが、既にご存知でしたか。
お笑い芸人・作家 ピース 又吉直樹さん:
そうですね。プレゼントでいただいたことがあります。この本はだいぶ前からありましたよね。
井上貴博キャスター:
面白いなと思いました。当然ですが、本は作者の方がストーリーを綴って、意味を乗せて、それを(読者が)受け取ります。マイブックの場合は、本自体にはある意味「意味がない」ので、自分色で作り上げていく自由さがあります。
使い方色々 大ヒットのきっかけは?
出水キャスター:
「マイブック」は、新潮社から1999年に発売され、これまで累計300万部売れています。2015年〜2024年版は、年間6万部で推移していましたが、2025年末に発売された「2026年版」は18万部を突破(2026年1月27日時点)し、異例のヒットとなっています。
きっかけは「Z世代の購入が増えている」ことです。
マイブックの2025年版がSNSで話題になったことで、20代の若い層、特に女性がこぞって買い求めるようになり、購買が伸びているといいます。
このマイブック、実際どのように使われているかというと、スケジュールを書いたり、その日に購入した本を写真とともに記録したりする人もいます。
さらにアーティストのRyo Aizakiさんは、マイブックに毎日絵を描いているそうです。「マイブックに描くことで、新しい表現を模索したり、自分の内側を知るきっかけになる。忙しく過ごしてしまう日常の中で、絵を描くことで心の調和を保つこともできる」と話してくれました。
日記を書く人もいれば、行った映画の半券を貼る人もいて、使い方に「汎用性がある」というのも人気の理由となっています。
【マイブックの人気の理由】(新潮社によると)
▼白紙だから好きなことがかける
…自分好みにカスタマイズできる。漫画などを描いている人も。
▼手帳ではなく「本」
…文庫本好きにはたまらない「スピン」と呼ばれるしおり紐が付いているなど、アナログ感が若い世代に刺さっている。
▼自分が書いたものが文豪らの文庫本と同じ本棚に収まる
…本棚に入れたときに、自分の本が他の文豪らの本と並ぶことで、ちょっとした優越感が味わえる。
自由にかけるマイブック ピース又吉さんが書いたのは…
出水キャスター:
実は又吉さんにも、マイブックに書き込んでもらいました。
ピース 又吉直樹さん:
昨日の日付のページに書きました。
「相方の綾部から連絡があった。出版のお祝いだろうか?」
「嬉しかった」
「しかし、綾部は自分の話だけして電話を切った」
お祝いは関係なく、ただただ近況を語っていました。元気そうでした。
書けると楽しいですね。自分が書き込むことで、もともとの値段よりも価値がどんどん上がっていくみたいな面白さがありますよね。
出水キャスター:
書き込むときに「何を書いたらいいんだろう」とハードルが上がる方もいると思います。どのように日常からネタを探したらいいでしょうか。
ピース 又吉直樹さん:
その日一番嬉しかったことや、一番腹が立ったことだけを書いていくのも面白いかもしれないですね。
新しい出版のカタチ? 「マイブック」をSNSに投稿
出水キャスター:
2001年にWebサイト「ほぼ日」から生まれた「ほぼ日手帳」も、好きなようにカスタマイズできる手帳です。
累計1000万部突破していて、2026年版は既に100万部突破見込みとなっています。100を超える国や地域で販売されていて、カスタムできる喜びが、多くの方に支持されている理由なのかもしれません。
このようにブームとなっている「マイブック」や「ほぼ日手帳」ですが、新たな出版のカタチと見ることもできます。
本を出したいと思っても、自費出版にはお金もかかりますし、ただSNSに投稿するのではデジタルで味気ないという人もいるかと思います。そのような人が、マイブックに書いているものを手書きの温かみとともにSNSに投稿することで、新しい出版のカタチが生まれているのではないでしょうか。
実際に自分の日記を写真で撮って、「#日記界隈」を付けて投稿することが人気になっています。
マイブックに描いた絵を投稿しているRyo Aizakiさんは「SNSに投稿したほうが習慣になりやすいと思った」と話していて、外から見られているというプレッシャーが、描き続ける後押しになっているのかもしれません。
また新潮社の担当者は「普段周囲に言えないことも、SNSを通して誰かに理解してもらえる。手書きだと、より感情が伝わりやすいのでは」としています。
さらに最近では、今まで本屋に行っていなかった人が、マイブックを買い求めて本屋に足を運ぶといういい循環も生まれているそうです。
ピース 又吉直樹さん:
すごく嬉しいです。マイブックの使い方として、先に全部小さな目標をいっぱい書いて、実現したら丸していくという方法も思いつきました。
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<プロフィール>
ピース 又吉直樹さん
お笑い芸人・作家
小説デビュー作 『火花』 で第153回芥川賞を受賞
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