
突然打ち出された10%の新たな関税について、トランプ大統領はさらに15%への引き上げを表明。こうした中、中国が日本の20の企業などを「輸出規制対象」に指定したと発表しました。日本のモノづくりの現場が揺れています。
【画像を見る】中国の「輸出規制リスト」に追加された20の日本企業・団体一覧
トランプ新関税 町工場「もう値引きを迫られても断れない」
「トランプ新関税」が突き付けられた高市総理。3月19日の日米首脳会談を前に…
高市早苗 総理(2月27日 衆・予算委)
「私がトランプ大統領と堂々と渡り合えるように働いてくるのが、赤沢大臣の仕事だと考えております。私に恥をかかせるなと言ったよね」
赤沢亮正 経済産業大臣
「はい」
しかし、関税の先にあるのは、総理の体面よりも製造業の命運です。
27日の東京大田区。様々な金属部品を製作する町工場です。
2025年、トランプ関税が発動した時、取引先の業績悪化で、値下げを迫られることを恐れていました。
ホワイト・テクニカ 白石正治さん(2025年4月13日放送)
「仕事をもらっているほうなんでね、弱いわけでしょ」
あれから1年。実際にどのような影響があったのでしょうか。
ホワイト・テクニカ 白石正治さん(2月27日)
「(取引先は)今は数で調整しているみたいです」
「(受注が)3か月に50個とか60個だったのが、いま4か月に30個。ちょっと厳しいよね。半分以下だね」
2025年の半分以下になった受注。そこに、ゆくゆくは15%になる新関税。またしても受注が減る可能性が。もう値引きを迫られても断れないといいます。
ホワイト・テクニカ 白石正治さん
「最悪の場合は『お宅には(注文)出さない。こっち(他所)に出しちゃったよ』って言われたら、もうパニックになっちゃうけどね。それが怖いから、なかなか我々も安いの高いのってケチをつけにくいよね」
今後の動きを注視するという町工場。その一方で。
トランプ関税に違法判決で日本企業も関税返還求める
アメリカ トランプ大統領(2月25日 米・上下両院合同本会議)
「合衆国最高裁から誠に遺憾な判決が下された。極めて嘆かわしい判決だ」
2月20日のトランプ関税の違法判決を受け、支払った関税の返還を求める訴訟が相次いでいます。
違法とされている関税の徴収額は、1750億ドル以上。日本円にして27兆円を超える額で、国内外1000社以上が訴訟を起こしています。
アメリカの巨大運送会社「フェデックス」をはじめ、イギリスの掃除機メーカー「ダイソン」やフランスの化粧品会社「ロレアル」など。
日本企業では「豊田通商」や「リコー」などが名を連ねていますが、トランプ政権は返還には後ろ向きです。
先日の国会でも、関税返還に関しての質問がありました。
国民民主党 玉木雄一郎 代表(2月25日 衆・本会議)
「日本企業の中にも、支払った関税の返還を求める動きが出ていますが、政府として返還をサポートするつもりがあるのか」
高市総理
「政府として米国と意思疎通を継続してまいります」
中国が突きつけた「輸出規制リスト」と「監視対象リスト」
総理が頭を悩ませているのはアメリカだけではありません。
中国商務省 何咏前 報道官(2月26日)
「目的は日本の再軍備化と核武装の企てを阻止することにあり、完全に正当かつ合理的で合法的である」
24日、中国が突き付けてきたのは、20の企業や団体を対象にした「輸出規制リスト」(三菱造船や防衛大学校など)と、別の20の企業などを挙げた「監視対象リスト」(スバルや日野自動車など)。
先ほどの町工場で聞いてみると、中国と直接取引はないのですが、部品の供給先がリストにありました。
ホワイト・テクニカ 白石正治さん
「この航空システム...(うちの部品は)この辺に関係あるかもしれないな」
「三菱航空エンジンかな、この辺かな」
規制されると考えられているのはレアアース。中国以外から仕入れるとコストが高くつきます。納品先やその先の発注元などで費用がかさめば、こちらが買い叩かれる可能性も。
白石正治さん
「結局は価格だよね。例えば1000円で出しているけど、『これ900円にできる?してくれないか?』そういうことになってくるでしょう、現実問題はね」
輸出規制の影響が間接的にも広がっていきそうな中、国会では。
立憲民主 田名部匡代 幹事長(2月25日 参・本会議)
「政府は(中国からの)供給が止まった場合の経済や国⺠生活への影響を、どのように分析されているのか」
高市総理
「仮定に基づいた影響評価について政府の見解を申し上げることは控えますが、同志国とも連携し、供給源の多角化を進めてまいります」
アメリカが突き付けてきた「新関税」と中国による「輸出規制」。永田町での議論が続いている間にも、日本のモノづくりを支えてきた町工場が、理不尽な波に飲まれようとしています。
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