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なぜ「景気実感なし」?GDP3期連続プラスの裏ですすむ“K字型経済”と教育費56倍の格差【Nスタ解説】

経済
2026-08-17 21:52

2026年4月から6月までのGDPが発表され、3期連続で増加していることが分かりました。
しかし、実感はあまりないかと思います。取材すると、全く違う『2つの現実』が見えてきました。


【景気支える高額消費】大手企業で夏のボーナス平均100万円超…購入したものは


GDP3期連続プラスも「実感がない」 その正体は“統計の罠”か

高柳光希キャスター:
GDP=国内総生産とは、国内でどれだけお金を稼いだかを示す、経済力の指標のことです。


8月17日に発表されたGDPでは、3期連続でプラス、直近9か月で見ると上向いているということです。

国全体で見てみると景気は上昇傾向にはありますが、多くの人の感覚では、「物価ばかり上がっていて実感がない」という人がいます。


このズレの正体は“K字型経済”です。


▼日本は暮らしが良くなったと感じてお金を使うようになった富裕層
▼生活が苦しくなり消費を切り詰めるようになった庶民層
以上の2つに分かれていて、その形がグラフで“K”に見えるということで、“K字型経済”と呼ばれています。


富裕層と庶民層で2層あるのに、景気が上昇しているというのはどういったものが関係しているのでしょうか。


TBS報道局 経済部 藤原由季子 記者:
今回発表されたGDPは、個人消費は横ばいになりました。
なぜ実感のズレが出てきてしまうのか、それは“統計の罠”と言われます。

“K字型経済”のK字の上の層は約2割、下の層は8割と言われています。


層ごとの夕食代で見た時に、以前は▼所得が低い8割の層は牛丼に卵のトッピングで「750円」の夕食、▼所得が高い2割の層は高級寿司「5000円」を食べていたとします。


すると、平均は「1600円」になります。


年々物価が上がっていく中で、現在は
▼8割の層は、卵のトッピングをやめて牛丼だけで「500円」。▼2割の層は、給料やボーナスが上がることで、高級寿司「8000円」。


すると、平均は「2000円」になります。

平均だけを見ると、消費が伸びているように見えるため、景気が良くなっていると見えてしまいます。

景気が良くなっている実感がない8割の層の生活の苦しさが、隠れてしまっています。


井上貴博キャスター:
平均は上がっているけど、格差は広がっているということですね。


「未来に対する安心感」の不足? 個人消費が伸びないワケ

高柳キャスター:
景気が良くなっていると感じている高所得層は、何にお金を使っているのでしょうか。


【高所得層 何にお金を使う?】
・アクセサリー類
・海外旅行
・新車など
※内閣府・総務省の分析 6日発表


高所得層の消費が経済を活性化させているという側面と、格差が広がっているという2つの側面があると思います。物価高でも、なぜ高級品を買えているのでしょうか。


TBS報道局 経済部 藤原由季子 記者:
現金の価値は、物価が上がればある程度目減りしていきますが、所得に関わらずみんな一緒です。


何が違うかと言うと、高所得層は株式や投資信託などを行っており、日経平均株価の好調な値上がりを背景に、金融資産が増えているというデータが出ています。

金融経済教育推進機構によると、世帯年収1200万円以上の人たちは、株の値上がりなどにより、2年間で1730万円の資産が増えたという調査結果があります。


井上キャスター:
投資ができる人は恩恵を受けられるけど、投資ができない人はどんどん差が開いてしまいます。

これまで日本は「分厚い中間層」と言われた時代がありましたが、ある程度は仕方なくても、これだけ二極化が進んでいくと、機会の平等が失われたり、チャンスすら与えられなかったりする場合もあります。

投資したいけれど投資のチャンスすらないという人と富裕層の格差が生まれると、経済成長を阻害すると思いますが、日本経済はどうしていくべきなのでしょうか。


会社経営者・投資家 池澤摩耶さん:
そのためにNISAという制度が生まれて、「少しでも投資しよう」「株価と一緒に資産を増やそう」という動きがあったと思います。

しかし、個人消費が伸びないのは、収入が多いから、株式をたくさん持っているからではなく、やはり未来に対する安心感がないからです。

「来年も大丈夫だ」と思えば人はお金を使います。しかし、「来年はちょっと危ないぞ」と思い続けているから、なんとなく節約モードになっていきます。

「未来は大丈夫」というマインドの差だと思います。


教育費は“約56倍の差” 所得で違う消費額 

高柳キャスター:
所得の差が消費の差にどれだけ出ているのか、みていきます。


【所得でどれだけ違う?消費の差】
▼食べ物
・低所得層 月約7万円
・高所得層 月約11万4000円
→約1.6倍

▼アクセサリーなど
・低所得層 年約8000円
・高所得層 年約5万2000円
→約6倍

▼塾など
・低所得層 年約1660円
・高所得層 年約9万3000円
約56倍
※総務省 家計調査より
所得の下位2割と所得の上位2割で比較
2人以上の世帯/世帯収入/一部 月額×12で計算


出水麻衣キャスター:
教育にかけられるお金がこれだけ違うと、実感としてお子さんに施せる教育は大きく変わるのでしょうか。


会社経営者・投資家 池澤摩耶さん:
中学受験がこれだけ過熱しているので、そこに富裕層が集まるというのは分かります。

教育は、絶対にリターンがある投資なので、富裕層にとって最高の投資だと思います。


井上キャスター:
世代を超えて格差が固定化してしまうところをどうしていくのか、社会保障費をどう考えていくのかもそうですが、やはり子育て世帯や現役世代の負担を軽くしていかないと、取り戻せない気がします。


会社経営者・投資家 池澤摩耶さん:
格差が広がっていってしまう将来しか見えていないので、問題ですよね。


「減税と給付」 経済格差に国の対応は?

高柳キャスター:
国はどういった考え方をしているのでしょうか。


TBS報道局 経済部 藤原由季子 記者:
最近も話題になっていますが、2027年の6月から順次、▼所得税の減税と、▼給付が始まり、中・低所得者の支援につなげていきたいと、国は考えています。

高市政権は、投資による経済成長によって循環していくことで賃金を上げようという方針を打ち出しています。

やや従来の政権よりは、格差を是正するための打ち出しは掲げていない状況になっています。


井上キャスター:
ばらまきや、全体への減税ではなく、ターゲットを絞った方向にということだと思いますが、制度設計には時間がかかるということですね。


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<プロフィール>
藤原由季子
TBS報道局経済部 内閣府担当
お金を貯めていつかハワイに行きたい

池澤摩耶さん
会社経営者・投資家
元外資系投資銀行のトレーダー 2児の母
著書に「子どもを人生ゲームの勝者にする最強マネー教育」など


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