ビールメーカー大手4社が卸売業者に出荷する際の価格を調整するカルテルを結んだとして、公正取引委員会は独占禁止法違反の疑いで4社に強制調査に入りました。
ビールメーカー大手4社がカルテル疑い 公取委が強制調査
物価高の中、値上げなど価格面でなにかと注目される「ビール」。そのビールをめぐって、大手4社にある疑惑が浮上しました。
ビールメーカー大手の「アサヒビール」、「キリンビール」、「サントリー」、「サッポロビール」の4社に対し、7日、公正取引委員会は独占禁止法違反の疑いで本社などに強制調査に入ったのです。
4社は、数年前から小売りや飲食店向けなど、ビールなどを卸売業者に出荷する際、価格を調整するカルテルを結んでいた疑いがもたれています。
関係者によりますと、4社は加盟する業界団体「ビール酒造組合」の会合にあわせて、本社の営業課長らが非公式に集まり、「値上げ幅の具体的な目標を定める」などしていたとみられています。
4社は2025年4月、原材料価格の高騰などを理由に主力のビール商品などを一斉に値上げ。公正取引委員会は、不適切な情報交換は長年続いていた可能性もあるとみています。
カルテルによって消費者が余分な負担を強いられていた可能性があるのです。
スーパーの従業員からは、不満の声が聞かれました。
スーパーセルシオ和田町店 久保田浩二さん
「人件費・輸送費・原材料などが上がってしまう関係で、一斉に(商品価格を)上げざるをえないという受け止めだったので、口裏が合わされていてということになると、不信感の方に目が向いてしまうのが残念」
公正取引委員会は、押収した資料を分析するなどして、検察への刑事告発を視野に調査を進める方針です。
価格競争を阻む「カルテル」とは? 消費者に不利益も…
出水麻衣キャスター:
独占禁止法で禁止されているカルテルとは、企業同士で話し合い、価格や生産数を取り決める行為です。
カルテルが行われると、価格競争がなくなり、高い価格が設定されます。つまり、企業は利益を得やすくなり、消費者にとっては本来安く買えたはずの商品を高く購入することになりかねないということで、公正な競争を妨げる不法行為として禁止されています。
今回ビールメーカー大手4社は、数年前から卸売業者向けにビールを出荷する際の価格を調整するカルテルを結んでいた疑いが持たれています。
そうした中、7日、ビールメーカー大手4社に強制調査が行われました。卸売業者に出荷する際の値上げ幅の目標を定めるなど、カルテルを結んでいた疑いで調査が行われているということです。
強制調査により、刑事告発も視野に入った「犯則調査」が行われています。
犯則調査とは、国民生活に広く影響を及ぼし、悪質かつ重大な事案と疑われる場合に行われます。
今後の焦点としては、刑事告発に結びついていくのかどうかといったところになってくると思いますが、山口さんは今回の事案をどのように見ていますか?
信州大学特任教授 山口真由さん:
カルテルは競争が完全に行われなくなるという意味で、独占禁止法の中でもかなり重たいと思います。
そもそもビールメーカー大手4社による寡占状態が60年以上続いていて、参入障壁が非常に高いです。なので、競争が妨げられやすい環境になっていたということも視野に入れるべきではないかと思います。
井上貴博キャスター:
むしろ、その業界の状況を悪用したともとれるというのは悪質だし、残念だなと感じました。
出水キャスター:
いつから、そして組織内でどこの層まで関わっていたのか。こういったところも今後の調査の焦点になりそうです。
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<プロフィール>
山口真由さん
信州大学特任教授 ZEN大学教授
財務省、弁護士を経て現在は「家族法」研究が専門
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