相次ぐサイバー攻撃。クラウドサービスを提供する企業が攻撃を受け、全国495の企業や自治体に影響が広がっています。さらに、別のサイバー攻撃による被害も。ローソンでは、およそ215万件の個人情報の流出が明らかになりました。
【写真で見る】止まらないサイバー攻撃の被害 2週間で約3500万件情報流出
冷凍食品が出荷できない状況に… 身近に広がるサイバー攻撃
埼玉県のスーパーで、人気の冷凍食品が入荷できなくなるおそれが出ています。
新鮮市場 東本郷店 飯田智成店長
「うちでいうと、ニッスイのカニシュウマイ12個入り。これが問屋さんにも在庫がないので、メーカーさんが卸に下ろさないと、うちには入ってきません」
その理由が書かれたメールを見せてくれました。
新鮮市場 東本郷店 飯田智成店長
「ニッスイの文章が昨日来て、今日も同じように『システム障害で出荷できない状況となっております』と」
〈メールの抜粋〉
「システム障害が発生致しました/商品の納品(10月8日分)を行うことが出来ません」
ニッスイは7日、システム障害によって、物流サービスを担う子会社で、冷凍食品の出荷や入荷ができなくなっていると発表。
全国の物流拠点が止まっており、その影響は、小売りや外食、食品卸など約1200社に及ぶということです。
新鮮市場東本郷店でも、ニッスイの商品はあちらこちらに…
新鮮市場 東本郷店 飯田智成 店長
「オム焼きそば、たこ焼き、チキンライス、かつどん、かつカレー、(ニッスイの商品が棚の)ほとんど占めてるね」
こうした物流の混乱につながったのが、ある企業へのサイバー攻撃です。
ローソン、カラオケビッグエコーでも…
ソフトバンクグループの子会社「IDCフロンティア」は7日、身代金要求型コンピューターウイルス「ランサムウエア」によってシステム障害が発生したと発表。
IDCフロンティアのクラウドサービスを使っていた茨城県や東京都・小平市のホームページが閲覧できなくなるなど、その影響は495の企業や自治体に広がっています。
そして8日、コンビニ大手のローソンでは別の被害も。
ローソン
「第三者による不正アクセスが行われ、お客様の個人情報の一部が漏えいしたことが判明いたしました」
流出したのは、「ローソンID」会員の約1割にあたる215万5345件と、「アプリ」の26件で、氏名や住所、電話番号などが含まれているということです。
また、「カラオケビッグエコー」などを展開する第一興商も8日、客の電話番号などの個人情報、約872万4000件が流出したおそれがあると発表。
個人情報の取り扱いを委託している会社の従業員の端末がサイバー攻撃を受けたことが原因だとしています。
ビッグエコーに会員登録をしているという男性は…
ビッグエコー会員
「いままで気軽に個人情報とか出していたので、これから気をつけないとまずいですね。ニュースで見て他人事だったものが、もう自分のところに来ちゃったなって感じありますね」
ビッグエコー利用者
「何気なくアプリとかで情報とかを登録しちゃっているので、知らない間に(個人情報が)出ちゃってみたいなのは単純に怖いなと思う」
身代金4500億円要求 国際集団ハッカー「Qilin」とは
国内企業へのサイバー攻撃が相次ぐ中、注目を集めているのが国際ハッカー集団「Qilin(キリン)」です。
その「Qilin」のメンバーでロシア国籍の男(28)は2026年5月、大阪市内で身柄を拘束され、その後、捜査をしていたドイツ当局に身柄が引き渡されました。
ノルトライン=ヴェストファーレン州 ヘルベルト・ロイル内務大臣(7日)
「我々は主要人物の一人を逮捕した。この男は日本でバカンスを過ごすはずだったが、いま寿司ではなくドイツの刑務所でチーズをはさんだパンを食べている」
ドイツ当局によると、Qilinがこの4年間で要求した身代金は約4500億円。そのうち63億円以上が実際に支払われたといいます。
さらに、狙われた企業や組織は世界で約4000に上るといいます。
7日、私たちの単独取材で返ってきたのは、日本に対する警告とも受け取れる言葉でした。
喜入友浩キャスター:
「声明では日本へのサイバー攻撃についても言及がありました。『日本は世界で最もコンピューターセキュリティーが脆弱な国のひとつ』だと厳しく指摘しています」
サイバー攻撃が相次いでいることを受け、政府は午後、関係省庁会議で事業者に対し対策強化を要請することを明らかにしましたが、速効性のある対策が求められています。
相次ぐ情報流出 企業が個人情報を保持するリスクと対策
小川彩佳キャスター:
相次ぐ情報流出の問題をどうご覧になっていますか?
〈情報流出〉
8日までの2週間 約3500万件(最大)
※流出の可能性含め判明しているもののみ JNN調べ
教育経済学者 中室牧子さん:
これまで情報を持ってるということは、企業にとっての財産だというところがあったと思います。流出するようなことがここまで相次ぐということは、個人情報を持っていることが企業にとって負債になり始めているということだと思います。
小川彩佳キャスター:
そうした中でセキュリティの強化ということで、その対策を企業側も自治体側も練っているところかと思いますが、そうしたことも“いたちごっこ”でどこかで限界が来るのではという風にも感じます。
何か新しい方法や注目する策というのはありますか?
教育経済学者 中室牧子さん:
これからは、セキュリティを破られて侵入されるということを前提にして、企業が個人情報を管理していくことが必要だと思います。
なるべく企業が個人情報を持たないことが私は最善の策ではないかという風に思いますが、一方で企業としては本人であるかどうかを確認したい時があります。新しい銀行口座を作る際は本人かどうか確認しないと作ることができないということもあります。
最近デジタル庁では、デジタル認証サービスといって、本人確認をスマホとマイナンバーカードでも技術的にできるように試みています。
小川彩佳キャスター:
デジタル庁が情報を一元管理するというわけではないのですね。
教育経済学者 中室牧子さん:
これは道路や決済システムと同じようなインフラをデジタル庁が提供しているというだけであって、デジタル庁が大量の国民の顧客名簿を持っているという話ではないので、そこは安心をしていただきたいです。
デジタル認証サービスを使うと、例えば年齢や、本人かどうかの確認がその場でできるので、企業が個人情報を大量に長期間保有する必要がなくなるというメリットがあります。
そのように、だんだん変えていかなければいけないということだと思います。
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<プロフィール>
中室牧子さん
教育経済学者 教育をデータで分析
デジタル庁シニアエキスパート
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