サイバー攻撃の影響は、自治体の「緊急メール」の配信や消防関連の指令システムにまで及んでいます。私たちの取材では、国際ハッカー集団が独自開発したAIを攻撃に利用している新たな実態が明らかになりました。
何気ない日常にも、サイバー攻撃の脅威が忍び寄っています。
世田谷区民
「世田谷区は大丈夫なのかなと思っていたが、ついにといった感じで、びっくりした。(防災情報は)いざという時のためなので、それが遮断されるとなると、どこから情報を得ていいのかという不安がある」
東京23区で最も多い93万人が住む世田谷区。きのうから、災害や防犯情報のメール配信が停止しています。
その理由は、不正アクセス。メール配信サービスを委託している大阪のIT会社「アルカディア」がサイバー攻撃を受け、個人情報が流出したおそれがあるというのです。
影響は全国に…
大分県担当者
「心当たりのない送信元からの不審なメールには十分ご注意ください」
大分県や神奈川県横須賀市、新潟市など、全国で緊急メール配信を停止する自治体が相次ぎました。
東京都小平市では、消防関連の指令システムにも障害が発生。火災が発生した際に消防団員へ出動指令を送ることができず、別の連絡手段を使っています。
「アルカディア」がサービスを提供していた自治体は、実に全国800以上。メールアドレス300万件以上、電話番号10万件以上が流出したおそれがあるということです。
JNNの調べでは、こうした情報流出は先月下旬からきょうまでに最大で8000万件にのぼる可能性があります。
こうしたなか…
ハッカー集団 Qilin
「我々は独自のAIモデルを使用している」
けさ、JNNの取材にこたえた国際ハッカー集団「Qilin」。独自開発したAIをサイバー攻撃に利用していると明らかにしました。AIによって攻撃対象の数が大きく増えたと主張します。
ハッカー集団 Qilin
「過去2年間で、(交渉相手は)週に数十社から、今は数百社に増加した」
専門家は…
日本ハッカー協会 杉浦隆幸 代表理事
「彼らはAI投資を本気でやっており、自前でAIを作っているというところがとても驚きであります」
きょう、来日中のAI開発大手「アンソロピック」の共同創業者は…
Anthropic共同創業者 ジャック・クラーク氏
「みんなが使えるAIをハッカーも使用していることを私たちは認識しており、新しいセキュリティ手法などを通じて、彼らがツールを使用するのを阻止するよう努めています」
AIによるサイバー防衛で「防御側が優位に立つ」取り組みを追求すると強調。
日本ハッカー協会 杉浦隆幸 代表理事
「外に出ている(システムの)弱い部分をすべて改善する必要があります。それを一日でも修正をサボってしまうと、侵入されるケースがありますので、そこはしっかりと守っていただきたい」
AIで激変しつつある社会。いま、大きな岐路に立たされています。
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