エンタメ
2025-07-16 04:00

講談社は16日、青年漫画誌『ヤングマガジン』(ヤンマガ)のアメリカ市場に向けた特別増刊号『ヤングマガジンUSA』を8月21日(日本時間8月22日)にリリースすることを発表した。増刊号は、アメリカの読者に向けて英語でゼロから企画・編集されたもので、全19作品の新作を収録。全1044ページに及ぶ限定冊子はアニメNYCや紀伊國屋にて、期間限定で無料配布されるほか、公式Xアカウントと公式サイトでも全作品を読むことができる。
【画像】ベルセルク感ある!『ヤンマガ』増刊号の新作19作品の数ページ
『ヤングマガジン』は、1980年創刊の週刊青年漫画誌で、社会性や暴力性、リアルな人間描写などを軸に、数々のヒット作を生み出してきた講談社の看板ブランドの一つ。これまでに「AKIRA」「攻殻機動隊」「カイジ」「頭文字D」「ドラゴンヘッド」などをはじめ、アニメ・映画化作品も多く輩出しており、青年漫画ジャンルを象徴する存在として国内外で知られている。
増刊号は、SF、ダークホラー、サイバーパンクなど多様なジャンルを通じて、嘘や誇張のない人間のリアルを描くことをテーマとしており、コンセプトは「UN-filtered MANGA」。表紙には、「攻殻機動隊」の作者である士郎正宗先生による描き下ろしイラストを起用し、都市と人間、テクノロジーの交差点を象徴するようなビジュアルになっている。
収録作品には、北米でも熱い支持を集める「頭文字D」のしげの秀一先生による新作「Subaru and Subaru」をはじめ、押見修造先生(「惡の華」「血の轍」)、中山昌亮先生(「不安の種」「後遺症ラジオ」)などがあり、いずれも、国内外で評価の高い作家陣をそろえた。さらに、日本で連載中の花沢健吾先生の「アンダーニンジャ」も特別収録し、既存ファンにも響く構成となっている。
また、読者参加型の総選挙キャンペーンを実施し、全19作品の新作のうち16作品が対象。支持を集めた5作品は、ヤングマガジンと講談社のマンガアプリ「KMANGA」での日米同時連載が決定する。投票はX(旧Twitter)および特設サイト上で実施、「いいね」やリポスト数がそのまま得票に反映され、結果発表は12月15日(日本時間12月16日)を予定している。
特別増刊号は、8月21日(日本時間8月22日)より米・ニューヨークで開催される「ANIME NYC 2025」の紀伊國屋特設ブースで配布されるほか、同期間に実施される紀伊國屋書店北米17店舗でのポップアップ企画でも配布を予定。複製原画展示やミニ色紙のプレゼントなども展開される予定。あわせて、誌面に収録された全作品は、公式Xおよび特設サイト上でも順次公開していく。※8月21日公開予定。
今回の挑戦について、本増刊号の編集長・白木英美氏は、「『AKIRA』や『攻殻機動隊』といった名作を世に送り出してきたヤングマガジンとして、次なる『AKIRA』を創出したいという想いもあります。創刊45周年という節目を迎えることもあり、その記念事業の一環として今回の北米向け増刊企画を実現する運びとなりました」と説明。
企画立ち上げにあたっては、どんな作品を、どんなスタイルで届けるべきかを改めて考えたそうで、「フィルターばかりの世の中で、人間の想像力にフィルターは必要なのか?という問いと向き合う中で、“UN-filtered MANGA”というコンセプトが生まれました。夢だけでなく現実を描く青年マンガだからこそ、人生の葛藤や痛み、社会への違和感といった“生々しい感情”を描くことができると考えています」と伝えた。
同プロジェクトは、いわゆる周年記念や記念号とは異なり、“海外発の熱狂を国内に逆輸入する”という意図のもと企画されたもの。日本の漫画カルチャーが世界中で愛されてきた今、同誌は新たな漫画体験を海外の読者に届けるために挑戦していく。
■『ヤングマガジンUSA』特別増刊号編集長・白木英美氏コメント
Q:なぜ今回、このような北米での企画を実施しようと思われたのですか?
A:近年、世界的にマンガの需要が高まる中で、特に青年マンガの持つ深みや魅力を、より多くの方に届けたいと考えたのがきっかけです。『AKIRA』や『攻殻機動隊』といった名作を世に送り出してきたヤングマガジンとして、次なる『AKIRA』を創出したいという想いもあります。ちょうど本年が創刊45周年という節目を迎えることもあり、その記念事業の一環として今回の北米向け増刊企画を実現する運びとなりました。現在、海外市場では少年マンガが主流となっていますが、少年マンガでは描ききれないテーマや表現を含む青年マンガの可能性を、海外最大市場である北米の読者の皆さまにも届けたいと考えています。
Q:日本の『ヤングマガジン』と、今回北米で展開される『ヤングマガジンUSA』には、どのような違いやコンセプトの変化がありますか?
A:日本版のヤングマガジンでは、殺し屋やドラッグといった刺激的な題材を扱う作品が多いのが特徴ですが、今回の北米向け増刊では、SFやダークファンタジーといったジャンルに重点を置いて構成しています。「アウトサイダーのための雑誌」というヤンマガらしさは踏襲しつつも、より国際的なスケールで共感されうる作品群を揃えました。世界観の広がりやテーマ性において、グローバル市場に響くラインナップを目指しています。
Q:「UN-filtered MANGA」というコンセプトは、どのような経緯で生まれたのでしょうか?
A:広告代理店の方々とのディスカッションの中で、「フィルターばかりの世の中は、本当におもしろいか?」「人間の想像力にフィルターは必要か?」といった問いをいただきました。この考え方は、まさに青年誌が掲げてきた価値観と重なるものであり、非常に共感できるものでした。青年マンガは、夢だけでなく現実を描くメディアであり、人生の葛藤や痛み、社会への違和感といった“生々しい感情”を描くことができます。社会、時代、配慮…さまざまな「フィルター」へのアンチテーゼとして、この「UN-filtered MANGA」というコンセプトを打ち出しました。北米の読者の皆さまにも、作品を通じてその真意を感じ取っていただければと考えています。
Q:北米の読者を想定して、どのようなテーマやジャンルを選定されましたか?
A:今回は「SF」「ダークファンタジー」「ホラー」「LGBTQ」という4つのジャンルに焦点を絞りました。ヤングマガジンではこれまでも『AKIRA』『攻殻機動隊』『ドラゴンヘッド』『BOYS RUN THE RIOT』『頭文字D』など、ジャンル性の高い作品が海外で評価されてきました。特にSFジャンルには重点を置いており、少年漫画では扱いづらい複雑なテーマや世界観に挑戦することで、より深い読書体験を提供できればと考えています。これらは、北米においても人気の高い骨太なジャンルであり、ヤングマガジンらしいアプローチが可能だと確信しています。
Q:作品選定や作家の起用は、どのような基準で行われましたか?
A:昨年10月に「海外向け増刊を制作する」という企画趣旨のもと、一般公募を実施し、100名を超える作家の皆さまにご応募いただきました。社内選考に加え、北米支社の現地スタッフ(ネイティブ)からの意見も取り入れながら、最終的に18作品を厳選いたしました。北米市場は人種・宗教・ジェンダーなど多様性に関する配慮が求められる市場ですので、その点には十分注意を払いながら、コンセプトに即した作品を選定しています。
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『ヤングマガジン』は、1980年創刊の週刊青年漫画誌で、社会性や暴力性、リアルな人間描写などを軸に、数々のヒット作を生み出してきた講談社の看板ブランドの一つ。これまでに「AKIRA」「攻殻機動隊」「カイジ」「頭文字D」「ドラゴンヘッド」などをはじめ、アニメ・映画化作品も多く輩出しており、青年漫画ジャンルを象徴する存在として国内外で知られている。
増刊号は、SF、ダークホラー、サイバーパンクなど多様なジャンルを通じて、嘘や誇張のない人間のリアルを描くことをテーマとしており、コンセプトは「UN-filtered MANGA」。表紙には、「攻殻機動隊」の作者である士郎正宗先生による描き下ろしイラストを起用し、都市と人間、テクノロジーの交差点を象徴するようなビジュアルになっている。
収録作品には、北米でも熱い支持を集める「頭文字D」のしげの秀一先生による新作「Subaru and Subaru」をはじめ、押見修造先生(「惡の華」「血の轍」)、中山昌亮先生(「不安の種」「後遺症ラジオ」)などがあり、いずれも、国内外で評価の高い作家陣をそろえた。さらに、日本で連載中の花沢健吾先生の「アンダーニンジャ」も特別収録し、既存ファンにも響く構成となっている。
また、読者参加型の総選挙キャンペーンを実施し、全19作品の新作のうち16作品が対象。支持を集めた5作品は、ヤングマガジンと講談社のマンガアプリ「KMANGA」での日米同時連載が決定する。投票はX(旧Twitter)および特設サイト上で実施、「いいね」やリポスト数がそのまま得票に反映され、結果発表は12月15日(日本時間12月16日)を予定している。
特別増刊号は、8月21日(日本時間8月22日)より米・ニューヨークで開催される「ANIME NYC 2025」の紀伊國屋特設ブースで配布されるほか、同期間に実施される紀伊國屋書店北米17店舗でのポップアップ企画でも配布を予定。複製原画展示やミニ色紙のプレゼントなども展開される予定。あわせて、誌面に収録された全作品は、公式Xおよび特設サイト上でも順次公開していく。※8月21日公開予定。
今回の挑戦について、本増刊号の編集長・白木英美氏は、「『AKIRA』や『攻殻機動隊』といった名作を世に送り出してきたヤングマガジンとして、次なる『AKIRA』を創出したいという想いもあります。創刊45周年という節目を迎えることもあり、その記念事業の一環として今回の北米向け増刊企画を実現する運びとなりました」と説明。
企画立ち上げにあたっては、どんな作品を、どんなスタイルで届けるべきかを改めて考えたそうで、「フィルターばかりの世の中で、人間の想像力にフィルターは必要なのか?という問いと向き合う中で、“UN-filtered MANGA”というコンセプトが生まれました。夢だけでなく現実を描く青年マンガだからこそ、人生の葛藤や痛み、社会への違和感といった“生々しい感情”を描くことができると考えています」と伝えた。
同プロジェクトは、いわゆる周年記念や記念号とは異なり、“海外発の熱狂を国内に逆輸入する”という意図のもと企画されたもの。日本の漫画カルチャーが世界中で愛されてきた今、同誌は新たな漫画体験を海外の読者に届けるために挑戦していく。
■『ヤングマガジンUSA』特別増刊号編集長・白木英美氏コメント
Q:なぜ今回、このような北米での企画を実施しようと思われたのですか?
A:近年、世界的にマンガの需要が高まる中で、特に青年マンガの持つ深みや魅力を、より多くの方に届けたいと考えたのがきっかけです。『AKIRA』や『攻殻機動隊』といった名作を世に送り出してきたヤングマガジンとして、次なる『AKIRA』を創出したいという想いもあります。ちょうど本年が創刊45周年という節目を迎えることもあり、その記念事業の一環として今回の北米向け増刊企画を実現する運びとなりました。現在、海外市場では少年マンガが主流となっていますが、少年マンガでは描ききれないテーマや表現を含む青年マンガの可能性を、海外最大市場である北米の読者の皆さまにも届けたいと考えています。
Q:日本の『ヤングマガジン』と、今回北米で展開される『ヤングマガジンUSA』には、どのような違いやコンセプトの変化がありますか?
A:日本版のヤングマガジンでは、殺し屋やドラッグといった刺激的な題材を扱う作品が多いのが特徴ですが、今回の北米向け増刊では、SFやダークファンタジーといったジャンルに重点を置いて構成しています。「アウトサイダーのための雑誌」というヤンマガらしさは踏襲しつつも、より国際的なスケールで共感されうる作品群を揃えました。世界観の広がりやテーマ性において、グローバル市場に響くラインナップを目指しています。
Q:「UN-filtered MANGA」というコンセプトは、どのような経緯で生まれたのでしょうか?
A:広告代理店の方々とのディスカッションの中で、「フィルターばかりの世の中は、本当におもしろいか?」「人間の想像力にフィルターは必要か?」といった問いをいただきました。この考え方は、まさに青年誌が掲げてきた価値観と重なるものであり、非常に共感できるものでした。青年マンガは、夢だけでなく現実を描くメディアであり、人生の葛藤や痛み、社会への違和感といった“生々しい感情”を描くことができます。社会、時代、配慮…さまざまな「フィルター」へのアンチテーゼとして、この「UN-filtered MANGA」というコンセプトを打ち出しました。北米の読者の皆さまにも、作品を通じてその真意を感じ取っていただければと考えています。
Q:北米の読者を想定して、どのようなテーマやジャンルを選定されましたか?
A:今回は「SF」「ダークファンタジー」「ホラー」「LGBTQ」という4つのジャンルに焦点を絞りました。ヤングマガジンではこれまでも『AKIRA』『攻殻機動隊』『ドラゴンヘッド』『BOYS RUN THE RIOT』『頭文字D』など、ジャンル性の高い作品が海外で評価されてきました。特にSFジャンルには重点を置いており、少年漫画では扱いづらい複雑なテーマや世界観に挑戦することで、より深い読書体験を提供できればと考えています。これらは、北米においても人気の高い骨太なジャンルであり、ヤングマガジンらしいアプローチが可能だと確信しています。
Q:作品選定や作家の起用は、どのような基準で行われましたか?
A:昨年10月に「海外向け増刊を制作する」という企画趣旨のもと、一般公募を実施し、100名を超える作家の皆さまにご応募いただきました。社内選考に加え、北米支社の現地スタッフ(ネイティブ)からの意見も取り入れながら、最終的に18作品を厳選いたしました。北米市場は人種・宗教・ジェンダーなど多様性に関する配慮が求められる市場ですので、その点には十分注意を払いながら、コンセプトに即した作品を選定しています。
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