エンタメ
2025-07-16 07:44

俳優の広瀬すず、二階堂ふみ、吉田羊らが出演する映画『遠い山なみの光』(9月5日公開)のメインビジュアルと本予告編が公開された。
【動画】映画『遠い山なみの光』本予告編
本作は、1989年にブッカー賞、2017年にノーベル文学賞を受賞し、二つの世紀を代表する作家となったカズオ・イシグロの長編デビュー作を、『ある男』(2022年)で日本アカデミー賞最優秀作品賞を含む最多8部門を受賞した石川慶監督が映画化。
ある女性が語り始めるひと夏の記憶。その物語には心を揺さぶる〈嘘〉が隠されていた――1950年代の長崎と1980年代のイギリスを生きる3人の女性たちの知られざる真実を描く。終戦直後の長崎という、まだ過去にしきれない「傷跡」と、未来を夢見る「生」の力が渦巻く時代を生き抜いた女性たちの姿を鮮烈に映し出し、先の見えない時代を生きる私たちに、前へ進む勇気を与えるヒューマンミステリーだ。
日本人の母とイギリス人の父を持つニキは、大学を中退して作家を志し、長崎で戦争を経験した後にイギリスへ渡った母・悦子の半生を記そうとする。娘に促され、長く封印してきた記憶を語り始める悦子。それは戦後間もない長崎で、佐知子という女性とその幼い娘と過ごしたひと夏の思い出だった。しかし、ニキは次第に母が語る物語に違和感を覚え始める。
長崎時代の悦子を広瀬すず、佐知子を二階堂ふみ、イギリス時代の悦子を吉田羊が演じる。ニキ役はオーディションで選ばれたカミラ・アイコ。悦子の夫・二郎を松下洸平、その父・緒方を三浦友和が演じる。そのほか柴田理恵、渡辺大知、鈴木碧桜(子役)らが出演する。
解禁されたメインビジュアルは、長崎の山なみを背景に、凛とした表情の悦子、ミステリアスなたたずまいの佐知子、そして30年後にイギリスで暮らす悦子の姿を印象的に切り取っている。
本予告編は、原作者カズオ・イシグロの一節から始まる。
「人間はね、ときに他人を欺くためではなく、自分を騙し、困難な真実から目を背けるために嘘をつくんですよ。」
1980年代、イギリスに暮らす悦子(吉田)は、娘のニキ(カミラ)から「長崎のことを聞かせて」と問われ、過去を語り始める。その表情は戦後復興期の長崎で暮らしていた頃の記憶と重なってゆく。
「あんときは、1人で立ってられんかったんです」と当時を振り返る悦子(広瀬)。佐知子(二階堂)は「あの辺は原爆でなにもかもふっとんじゃったから、本当に大変だった」と静かに語る。悦子を気遣う夫・二郎(松下)の「君があの日、被爆せんやったとは、本当に良かった」というせりふ、そして二郎の父・緒方(三浦)の「二郎はあんたには優しかね?」という温かな言葉が続く。
「素敵な思い出よ」と遠い目をする悦子に対し、ニキはひとこと「嘘」と言い放つ。
そこから映像は一転。「私がついた嘘」という文字が画面を覆い、鋭い表情の悦子が「私、佐知子さんに言っとらんことのあると」と口にする。二郎から「母親らしく振舞ってもらいたかよ」とぶつけられる言葉に、「母親らしく振舞うって何?」と静かに問い返す悦子。自由奔放に生きる佐知子を見つめる意味深な視線。それぞれの感情が交錯し、“あの夏に隠された切なすぎる真実”へと迫っていく。
最後に悦子がつぶやく「大丈夫ね、希望があるとやもん」という言葉。その一言に込められた思いとは――。ニキが母の物語の中に隠された真実にたどり着くとき、観客はそこに描かれる激動の人生に心を揺さぶられることだろう。
【画像】映画『遠い山なみの光』カンヌで撮影された写真
【動画】映像初解禁となる特報予告
広瀬すず×二階堂ふみ、『遠い山なみの光』カンヌ国際映画祭「ある視点」部門正式出品決定
【画像】凛としたイメージの悦子(広瀬すず)とモダンな佐知子(二階堂ふみ)の1ショット
広瀬すず主演で映画化、ノーベル文学賞受賞作家カズオ・イシグロのデビュー作『遠い山なみの光』
【動画】映画『遠い山なみの光』本予告編
本作は、1989年にブッカー賞、2017年にノーベル文学賞を受賞し、二つの世紀を代表する作家となったカズオ・イシグロの長編デビュー作を、『ある男』(2022年)で日本アカデミー賞最優秀作品賞を含む最多8部門を受賞した石川慶監督が映画化。
ある女性が語り始めるひと夏の記憶。その物語には心を揺さぶる〈嘘〉が隠されていた――1950年代の長崎と1980年代のイギリスを生きる3人の女性たちの知られざる真実を描く。終戦直後の長崎という、まだ過去にしきれない「傷跡」と、未来を夢見る「生」の力が渦巻く時代を生き抜いた女性たちの姿を鮮烈に映し出し、先の見えない時代を生きる私たちに、前へ進む勇気を与えるヒューマンミステリーだ。
日本人の母とイギリス人の父を持つニキは、大学を中退して作家を志し、長崎で戦争を経験した後にイギリスへ渡った母・悦子の半生を記そうとする。娘に促され、長く封印してきた記憶を語り始める悦子。それは戦後間もない長崎で、佐知子という女性とその幼い娘と過ごしたひと夏の思い出だった。しかし、ニキは次第に母が語る物語に違和感を覚え始める。
長崎時代の悦子を広瀬すず、佐知子を二階堂ふみ、イギリス時代の悦子を吉田羊が演じる。ニキ役はオーディションで選ばれたカミラ・アイコ。悦子の夫・二郎を松下洸平、その父・緒方を三浦友和が演じる。そのほか柴田理恵、渡辺大知、鈴木碧桜(子役)らが出演する。
解禁されたメインビジュアルは、長崎の山なみを背景に、凛とした表情の悦子、ミステリアスなたたずまいの佐知子、そして30年後にイギリスで暮らす悦子の姿を印象的に切り取っている。
本予告編は、原作者カズオ・イシグロの一節から始まる。
「人間はね、ときに他人を欺くためではなく、自分を騙し、困難な真実から目を背けるために嘘をつくんですよ。」
1980年代、イギリスに暮らす悦子(吉田)は、娘のニキ(カミラ)から「長崎のことを聞かせて」と問われ、過去を語り始める。その表情は戦後復興期の長崎で暮らしていた頃の記憶と重なってゆく。
「あんときは、1人で立ってられんかったんです」と当時を振り返る悦子(広瀬)。佐知子(二階堂)は「あの辺は原爆でなにもかもふっとんじゃったから、本当に大変だった」と静かに語る。悦子を気遣う夫・二郎(松下)の「君があの日、被爆せんやったとは、本当に良かった」というせりふ、そして二郎の父・緒方(三浦)の「二郎はあんたには優しかね?」という温かな言葉が続く。
「素敵な思い出よ」と遠い目をする悦子に対し、ニキはひとこと「嘘」と言い放つ。
そこから映像は一転。「私がついた嘘」という文字が画面を覆い、鋭い表情の悦子が「私、佐知子さんに言っとらんことのあると」と口にする。二郎から「母親らしく振舞ってもらいたかよ」とぶつけられる言葉に、「母親らしく振舞うって何?」と静かに問い返す悦子。自由奔放に生きる佐知子を見つめる意味深な視線。それぞれの感情が交錯し、“あの夏に隠された切なすぎる真実”へと迫っていく。
最後に悦子がつぶやく「大丈夫ね、希望があるとやもん」という言葉。その一言に込められた思いとは――。ニキが母の物語の中に隠された真実にたどり着くとき、観客はそこに描かれる激動の人生に心を揺さぶられることだろう。
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