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2月12日、宮崎県で行われていた福岡ソフトバンクホークスのキャンプをサンデーモーニングの駒田健吾アナウンサー(50)が訪れた。今回取材した選手は、球界屈指のスピードスター、周東佑京(29)。育成出身で今年8年目、2年連続3度の盗塁王を獲得した俊足の持ち主だ。
周東の名が世界に轟いたのは、2023年ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)準決勝のメキシコ戦。4-5と侍ジャパンの1点ビハインドで迎えた9回裏、無死一・二塁で打席には5番・村上宗隆。二塁ランナーは大谷翔平。一発出ればサヨナラという場面で、一塁ランナー・吉田正尚の代走に入ったのがスピードスター・周東だった。
ここで村上はセンターオーバーのフェンス直撃となるヒットを放つと、大谷と周東は一気にホームへ。周東は前を走っていた大谷を追い抜きそうになる程の俊足でホームに滑り込み、6-5と逆転しチームをサヨナラ勝ちへと導いた。この時、周東は大谷に「意外と足が遅いですね」と言ったとか。実際はどうだったのか。
駒田:あの時、大谷選手を追い抜きそうになっていましたよね?
周東:ちょっとなりましたけど・・・。そうですけど(笑)。 (サヨナラ勝ちで)気持ちがすごく興奮していたので、(大谷選手に足が遅いですねと)言ってしまいましたけど・・・。大谷さんも笑って、「おい!」みたいな感じでした。
駒田:周東選手の武器は”足”だと思うのですが、足を鍛えるときの秘密はありますか?
周東:全然していないですね。去年くらいから大谷さんが機械を使ってスプリントトレーニングをされているのを見て、自分もやってみたいなと思っている。トレーニングは大事だと思っているので。これから30歳に差し掛かって(能力も)落ちると思うので、そこからもう一回上がれればいいかなって思うので、そういった取り組みが必要だと思う。
駒田:周東選手が大谷選手に教えるというのが、すんなりするんですけど?
周東:いや、ないです、ないです、全然ないです。逆に僕が大谷選手に教えてもらいたいくらいです。
謙遜する周東だが、昨年11月に左ひざの手術を決断。今キャンプでは独自にメニューを調整できる「S班」でトレーニングを行っていた。手術後の左ひざの状態については・・・。
駒田:今日の練習を拝見していてもケガの影響はなさそうに見えたのですが、今はどうですか?
周東:本当に痛さとかは感じないところまで来ているので。去年は痛さがあったという中で痛い動きとかが多かったので、今はもう大丈夫なので、その怖さというのを取り除いていかないといけないですし、あとは術後でそんなにまだまだ動き始めてから2か月くらいなので、出力という部分では足りない所があるのかなと思います。
駒田:左ひざのケガなんですけど、どういった症状だった?
周東:症状ですか?ずっと痛かったので何をしていても。走っても痛かったですし、バットを振っても痛かったですし、ずーっとですね。オープン戦から最後までずっと痛かったという所はありますけど・・・。
駒田:病院の先生はなんとおっしゃっていた?
周東:原因が分からなくて・・・。本当に急に痛くなって長引いたので。このプレーが原因でそうなったとかはなかったので、原因が分からないまま・・・。ただ本当に(疲労が)蓄積していたのかなとは思います。
左ひざに痛みが出始めたのは、昨季開幕前の3月から。痛みを抱えながらも123試合に出場、打率.269、2本塁打、26打点、41盗塁という成績を残した。
駒田:昨季、足に痛みを抱えながら盗塁王を獲得、そして規定打席にも到達。すごいことだと思うんですけど?
周東:毎日トレーナーさんに頼って、色々とエクササイズであったり治療であったりを毎日やっていました。あとは監督とコーチの方々に気を使っていただきながらじゃないですが、足の状態を見ながら、試合に出たり出なかったりという試合もあったので。本当に周りの人の協力がなければ規定打席にも立てなかったですし、盗塁王も取れなかったと思っているので、そこはすごい感謝しないといけないシーズンだったのかなと思います。
駒田:周東選手はすごく爽やかなイメージがありますが、実は「根性の人」だと思うのですが、ご自身でどう思いますか?
周東:「根性一本」でここまで来たっていう感じですね、育成時代から。本当に周りの人には負けたくないと思っていますし、足が痛くても試合に出ますし、そこは「プロ」として。やっぱりお客さんたちは僕らが「どこが痛い」とか関係なく試合を見ているので、良いパフォーマンスをお客さんに届けるということは、頭に入れながらプレーをしています。
駒田:それが「プロ」なんですね。本当に感動しました。そして昨季では一番最後に悔しい思いをされたと思うのですが、あの悔しさというのは今、どう消化しましたか?
周東:本当に力不足だと思う。(日本シリーズを)勝ちきれなかったですし、チームとして負けましたけど、僕自身もベストなパフォーマンスができたかと言われれば、できていない。そういった面で力不足というのは感じた。悔しいというか、負けた悔しさもそうですけど、あの舞台で力を出せなかった自分に悔しかったので、そこの力不足というのをこれから補っていかないといけないと思っています。個人的には打撃タイトルを取りたい。1年間1番で試合に出続けるのが目標。監督にも「出塁率を上げてほしい」と言われたので、出塁率は3割5分以上は最低でも欲しいし、最多安打160本以上を打ちたい。チームとしてはリーグ優勝をしっかりとする。そして去年できなかった日本一を目指して頑張りたい。
ソフトバンクホークスのオープン戦は2月22日から。左ひざが完治した周東のスピードと根性に注目だ。
*写真は左から周東佑京選手、駒田健吾アナウンサー
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