
■第97回 選抜高等学校野球大会 3日目 壱岐ー東洋大姫路(20日、甲子園)
選抜高等学校野球大会は20日に、3日目を迎えて第3試合に21世紀枠で出場の壱岐高校(長崎)が登場、東洋大姫路(兵庫)と対戦。1回に甲子園初得点で2点を先制したが、5回にエース浦上修吾(3年)がつかまり失点、7-2で敗れて、甲子園初勝利とはいかなかった。
九州の玄界灘に面する長崎県の離島から初出場となった壱岐、部員は全員、島で生まれ育った。人口2万4000人の島には高校が2校、練習試合にはフェリーを使って遠征している。
“高校野球の聖地”で初の試合、相手は3年ぶり9回目の出場となった古豪で地元の東洋大姫路、さらに先発の阪下漣(3年)は最速147キロと大会屈指の好投手となった。
大観衆が見つめる中、1回、壱岐の先発・浦上は1番・渡辺拓雲(3年)をセンターフライに打ち取ると大歓声が上がった。その後、連打で1死一、二塁のピンチを招いたが、4番・木村颯太(3年)をサードフライ、5番・白鳥翔哉真(3年)には痛烈なピッチャーライナー、これを浦上は素早く反応し、グラブに当ててピッチャーゴロに抑え、無失点。
その裏、壱岐は先頭打者から2者連続四球で走者をためると、3番・浦上脩吾(3年)がしっかりと送りバントを決めるなど、2死二、三塁のチャンスを作り、5番・山口廉斗(3年)がライト前へ、2塁走者の岩本篤弥(3年)もホームに還り、壱岐が阪下から2点を先制、山口はセカンドベースで大きなガッツポーズを見せた。
この試合は入場券が完売、全席指定席となった第93回大会(2021年)以降では初めてとなった。先制してもらった浦上は2回、1死三塁のピンチを背負ったが、東洋大姫路がスクイズを仕掛けたが、空振り。壱岐バッテリーは落ち着いた送球で3塁走者をアウトにした。
2回、東洋大姫路はエース・阪下が降板、秋季大会で登板のなかった木下鷹大(3年)がマウンドにあがった。壱岐は木下を捉えることができず3者凡退。
壱岐の浦上は序盤3回まで無失点、アウト1つ1つを取るたびにナインには笑顔、テンポの良いピッチングで試合のリズムを作っていった。壱岐は2-0とリードして迎えた中盤の4回、2死三塁のピンチで7番・渡辺裕太(2年)にライトへタイムリーツーベースを打たれたが、最少失点で留めた。
浦上は続く5回、先頭の9番・木下にレフト線へスリーベースを打たれると、東洋大姫路打線も3巡目で浦上をしっかりと攻略。1番・渡辺拓雲にライト前へタイムリーを浴びて、2-2の同点に追いつかれた。さらに1死二塁で3番・高畑知季(3年)に左中間へタイムリースリーベースを打たれて2-3と逆転、4番・木村、5番・白鳥にもタイムリーを浴びるなど、この回5失点。
6-2と4点を追う壱岐は6回、2死二、三塁のチャンスを作り、先制タイムリーを放っている5番・山口、しかし、空振り三振。東洋大姫路の2人目、木下を捉えることができなかった。
最後まで“高校野球の聖地”で伸び伸びとプレーした壱岐ナイン、東洋大姫路に7-2で逆転負けを喫したが、大きな経験を経て夏の県予選に挑み、再び甲子園出場を狙う。エースの浦上は試合終了後は落ち着いた表情だったが、東洋大姫路の校歌が終わった瞬間に涙を流した。勝った東洋大姫路は17年ぶりのセンバツ勝利となった。
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