
全国各地で入学式が行われた6日、東洋大学には初々しいスーツ姿の新入生が集まった。パリ五輪代表・栁田大輝(ひろき)が主将を務める陸上部は白山キャンパス内で入部式を行い、入部する新入生たちを歓迎した。
【写真を見る】“陸上最強三兄弟”が東洋大に集結、パリ五輪代表・栁田大輝「日本代表のユニフォームを三人で」三男・聖大が入学
その中には栁田の弟で三男の聖大(あきひろ)の姿も。次男・聖人(きよと)も東洋大陸上部に所属しており、これで栁田三兄弟が東洋大学に揃った。入部式の中で主将の挨拶をした大輝は、「東洋大学の陸上部は日本一の部だと思っているので、先輩後輩関係なく記録を出して大会の出場権を貪欲に狙ってほしい」と、新入生たちを激励した。
「三兄弟で日本代表の同じユニフォームを」
栁田家は、日本を代表する陸上一家。父の輝光(てるみつ)さんは陸上の名門・東海大学で三段跳の選手として活躍。2003年世界陸上パリ大会・男子200m銅メダリストの末續慎吾(44)は大学の同級生にあたる。母の昌代(まさよ)さんは、混成種目で世代別の日本一(U20日本選手権優勝)に輝いた実績を持つ。そんな両親のもとで育った三兄弟は、誰に勧められた訳でもなく皆揃って陸上部に入った。
三人で初めて同じ大会に出場した2022年の栃木国体では、長男・大輝が100mで優勝、次男・聖人が300mHで6位入賞、三男・聖大が走幅跳で優勝と、まさに“陸上最強三兄弟”を全国の舞台で知らしめた。 去年の日本選手権には、長男と次男が出場。三男は今年シニアの舞台に上がったことで、三兄弟での日本選手権出場も現実味を帯びてきた。
東洋大学の入学式を終えた三男の聖大は、「まだ日本選手権というと実力不足な部分があるので、まずは走幅跳で8m00を跳べるように頑張りたい」と、新たなステージでの目標を語った。年の近い三兄弟が同じ学校、同じ部活、同じ寮生活を送るが、「学生特有の恥ずかしさなどはないのか」と、今年大学3年になる次男の聖人に聞くと「恥ずかしさとかは一切なく、本当に仲のいい兄弟。僕は大輝に色々とご馳走になっているので、今度は僕が弟にお世話をしてあげられれば」と話し、兄弟の親密さが伺えた。
また、今季の目標については、「陸上においてはいつも自己ベスト更新を目指しているので、そこはぶらさず自己ベストを目指して頑張りたい」と語った。長男の大輝に“三兄弟”での夢を聞くと「陸上のスコアリングテーブル(世界陸連が定める記録を点数化したもの)で、これまでの兄弟の中で一番になりたい。なので、僕も含めて弟たちには自己ベストを更新していってほしい。将来的には、日本代表のユニフォームを三人で着られたら」と、大きな夢を語った。
今年は34年ぶりに世界陸上が東京で行われる。アスリートにとって現役生活では二度と来ないかもしれない母国開催のチャンス。去年はパリ五輪100m代表権のかかった日本選手権で、わずか100分の1秒差で個人の代表を逃した大輝。勝負のシーズンに向け「大学最後の年に東京世界陸上があるのは運命的なものを感じるので、母国開催の世界陸上で去年のパリの分まで思いっきり走りたい」と、意気込んだ。東京2025世界陸上は9月13日に開幕する。
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