
今オフにメジャー挑戦を表明し、各球団から熱視線を浴びている今井達也(27、西武)。今季、球種別奪三振数でトップのスライダー(79個)を武器に、リーグ2位の178奪三振をマーク。しかしメジャーでは野手の平均身長が高いことから、自身の武器は「高めのまっすぐ」だという。さらに先に海を渡ったダルビッシュ有(39、パドレス)との意外な交流を明かした。
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石井大裕TBSアナウンサー:今シーズンの活躍、素晴らしかったです。(24試合に登板し、10勝5敗、防御率は1.92、178奪三振。投手が1イニングあたりにどれだけ走者を出したかを示す数値WHIPが0.89と12球団トップタイ。)メジャーに行く準備が完璧に整ったシーズンだというふうに見えるんですけども、ご自身いかがですか。
今井達也投手:結果的にチームが5位で終わってるんで、その悔しさの方が個人的には強いシーズンでしたね。
石井:ライオンズでの9年間は今井選手にとっては、どんな時間になったんでしょうか?
今井:2年目から1軍のマウンドを経験させてもらって、最初は「プロの世界でやっていけるのかな」っていう不安の方がすごく大きかったのを覚えてます。9年のうち半分以上1年間ローテーションとして、まわったことも少ないですし、まだまだやり残したというか、チームのためには不十分だなっていうところは、正直感じてはいますね。
石井:ご自身の中では、メジャーリーグへの憧れだったり、メジャーに行きたいっていうのは、いつ頃から考えていらっしゃったんですか。
今井:今の代理人の方と契約に至ったのが、ちょうどシーズン5年目ぐらいだったんですけど、そこで事前に代理人の会社はこういう会社ですっていう説明を、受けたりしてて。そういうことを聞いてるうちに、もしかしたらもうちょっと頑張ったら自分もいけるのかなって思ったり、そこを目標に頑張ってみようかなって思ったので、本当に3、4年前ですかね。
ダルビッシュ有との意外な交流も
石井:そしてダルビッシュ有選手と交流があると・・・
今井:直接お会いしたことはないんですけど、ダルビッシュさんの弟さんと繋がりがあって、それで「何か質問とかあったら遠慮なく有に聞いて」って弟さんに言っていただいて。そこからSNSでいろいろお話しさせていただいたりしてて、先日もポスティングが容認されたときはメッセージをいただいた。なので、アメリカに行って直接やっとお会いできるっていう気持ちではいますね。
石井:いやそれは本当に大きな楽しみの一つでもありますね。先ほど代理人っていう話もありましたけども、いろんな球団が、今井選手に興味を持っている。そして、ティア1という(FA市場の5段階のランク付けの中で最上位の)ランクで、ポスティングが始まったわけですけどもご自身の中で、希望とか思いはあるんでしょうか?
今井:いやそんなに「このチームでやりたい」っていうのはあんまり具体的にはないんで、実際にアメリカに行って、いろんな球団からお話を聞いて、またそこから家族のこともありますし。それを踏まえた上で良い決断ができればいいなとは思ってます。
石井:3、4年前からメジャーリーグへの覚悟ができてきたという話でしたけど、今年ドジャースの3人の日本人選手がワールドチャンピオンになりました。ご覧になってましたか?
今井:もちろん普通のシーズンの試合もそうですし、ポストシーズン、ワールドシリーズも練習と時間がかぶってないときとか、見れるときは見てました。
石井:大谷(翔平)選手があれだけ活躍して、一緒に戦った山本(由伸)選手も活躍して、佐々木(朗希)選手もそうですけど、何か感じる部分はありましたか。
今井:山本投手、佐々木投手とか自分と年の近い選手がメジャーリーグで活躍してるのを見てると、僕もやれるんじゃないかって。行って挑戦してみたい、チャレンジしてみたいというか・・・もちろんそれが成功しても、失敗しても、チャレンジしていくとか、常に何かに挑んでいくっていう気持ちにさせてくれたのは、本当にそのドジャースの3人以外の方の選手の影響もありますし。だからまたこれからもうひと踏ん張りっていう気持ちにはなりましたね。
武器はスライダーではなく「高めのまっすぐ」
石井:今井選手ご自身の中では自分の武器は何になると思ってますか。
今井:高めのまっすぐ。代理人の方に、メジャーの野手の平均身長を聞いたことがあって、187センチが平均だったんで、そうなると日本よりも高めの直球が使いやすくなってくる。僕はリリースも低くて、低いところから高めに吹き上がっていくような直球が一番持ち味だと思ってるので、それがメジャーの選手にどれぐらい通用するのかは楽しみではあります。それで、ボコボコに打たれて自信失くす可能性ももちろんあるんで、どうなるかわかりませんけど(笑)球速的な部分で言ったら、速いボールを投げるピッチャーはたくさんいるので、アングルや見え方だったりとか、軌道だったり。そこはどういうリアクションをあっちの選手がするのか楽しみではあります。
石井:球速だけじゃない、低いリリースポイントからホップするようなボール。今シーズンも意識して戦われた部分はあるんですか。
今井:なかなか振ってくれない部分も多かったので、使えないなっていうのが日本では多かった。そういう意味ではあまり経験したことないようなバッターもたくさんあっちにはいると思いますし、そのストレートに負けじとガンガンバットを振ってくると思うんで、そこはすごく楽しみです。
石井:メジャー球を既に練習でも使用されてると聞いてるんですけど、ご自身の感触としてはいかがでしょうか。
今井:あんまり投げづらさとかは感じてはいないんですけど、日本とアメリカで湿度だったりも変わってくるんで、こっちでは違和感なく投げられても、もっと乾燥したところで投げたらもっと滑るんじゃないかとか。そういうところは気にしながら練習してました。
石井:武器のスライダーもメジャー球だとより曲がるんじゃないかなって期待しちゃってるんですけど、その辺の感触はいかがですか。
今井:僕としてはあんまり曲がって欲しくないというか、日本のときと変化量とかは変わって欲しくないなって思ってて。曲がり幅が変わっちゃうと、狙うところも変えなきゃいけないですし、日本ではそこを狙ってストライクになったけど、アメリカだとボールになっちゃうとかだと、また1から作り直していかないといけなかったりもあるので。またあっちに行って投げて自分で感じて、いろいろ試行錯誤していきながら、やっていきたいなと思ってます。
石井:曲がり方があんまり変わらない方がいいっていう意味だと握りは変えたりするんですか。
今井:いや、多分変えないと思いますね。まっすぐでもスライダーでもどの変化球を投げるのでも、全部フォームが一緒というか、感覚が全部一緒で投げられるんで。体が張るところがいつもと違うとか、そういうのはもうなくなってきて、投げたら大体決まったところが張ってくる。中6日で、治療やメンテナンス、体のケアだったりは毎週同じようなことを繰り返しやっていけるようになるので、ズレとかがあんまりないです。
石井:それはすごい大きな武器ですね。最後に今井選手の目標だったり、どんな来シーズンを過ごしたいと考えていらっしゃいますか。
今井:メジャー1年目になるので、今僕自身、ドラフトでライオンズに指名されたときと同じ感覚で過ごしてて。「来年からプロの世界で野球やっていくんだ、でもなんかあんまり実感ないな」っていうのと、右も左もあんまりわかってない状況なのが、入団する前とすごく似てる感じがして、ちょっと懐かしいなっていう感じもしてる。メジャー1年目、いろんなことを経験して勉強して、もちろん野球もそうですし、野球以外の部分でも、文化の違いとか、環境の違いを肌で感じられると思うので、自分の成長に繋げていく。また、もちろんアメリカに行くなら、ワールドチャンピオンをみんな目指してると思うので、ワールドチャンピオンを目指して頑張りたいなと思います。
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