
■2025全日本大学女子選抜駅伝競走(30日、富士山本宮浅間大社前発~富士総合運動公園陸上競技場着、7区間、43.4㎞)
2025全日本大学女子選抜駅伝競走、「富士山女子駅伝」の名称で知られる大学女子駅伝が30日に行われ、城西大学が初優勝、大学史上初の“学生女子駅伝二冠”を達成した。関東勢が優勝するのも初めてとなった。
コースの高低差は174m、実業団を含め女子駅伝界では最長の43.4kmと富士山麓を生かした厳しいコースとなった富士山女子駅伝、全24チームが出場した。気温は10.3℃とやや暖かいコンディションとなった。
10月の全日本大学女子駅伝を制し、大学史上初の“学生女子駅伝二冠”を狙う城西大は当日に3区を澤井風月(3年)に変更、全日本Vメンバーは5人となった。
レースの流れをつかむ1区(4.1㎞)、最初の1㎞までは全日本でわずか16秒で2位だった大東文化・相場茉奈(3年)がレースを引っ張っていった。1㎞過ぎで飛び出したのが東洋大・平方杏奈(1年)、ルーキーが駆け引きを始めた。しかし、2㎞付近で大東文化、城西、立命館、名城、全日本選抜の5チーム、強豪校が先頭集団となった。
混戦となった1区、残り300mで飛び出したのが立命館の佐藤ゆあ(1年)がスプリント力を見せつけて区間賞を獲得、2位には全日本選抜、3位に城西、4位に名城となった。
2区(6.8㎞)、トップで襷をもらった立命館はこの日、21歳の誕生日を迎えた太田咲雪(3年)。しかし、スタート直後に全日本で1区区間新記録をマークした城西・本間香(1年)にかわされてしまった。2.7㎞付近で城西・本間は徐々に差を広げ始めた。
名城・立命館と遅れる中、順位をあげてきたのが関西大、東北福祉大、日本体育大の3チームが上位に入ってきた。トップの城西・本間はリズム良い走りで五島莉乃(現資生堂)、和田有菜(現JP日本郵政G)の持っていた区間新記録の4秒塗り替える20分36秒をマーク。2位東北福祉大に54秒差、3位に日本体育大、4位に関西大となった。
最短距離となった3区(3.3㎞)、城西は本澤美桜(2年)。単独走となったが全日本で5区を任された本澤は自分のピッチで走り切り、2位東北福祉との差は1分2秒。
4区(4.4㎞)、城西は世古凪沙(1年)が発熱のために当日変更で澤井風月(3年)をエントリー、急遽のレースとなったが落ち着いた走り、残り1㎞で苦しそうな表情を見せながらも最後の力をふり絞ってトップをキープした。5区のキャプテン・金子日陽(4年)に「頑張った!頑張った!」と声をかけられて襷を渡した。2位東北福祉大とは37秒差、3位大東文化とは47秒差に迫られた。
最長区間の5区(10.5㎞)、トップの城西は金子、3位の大東文化はエースのS.ワンジル(3年)、その差は47秒。最初の1㎞は抑えて入った大東文化のワンジルは次の1㎞でペースアップ、城西・金子との差を徐々に縮め始めた。そして、4.2㎞で城西の金子を捉えると、並走させずに一気に差をつけ始めた。
トップに立ってからもペースは落ちず、6㎞付近で2位城西との差は13秒となった。7.8㎞付近では城西の金子は東北福祉・佐々木菜月(3年)に抜かれて3位、東北福祉が2位に上がった。
全日本ではアンカーで逆転されて敗れた大東文化、ワンジルは涙を流して悔しがっていた。その悔しさを富士山女子駅伝で晴らす好走、残り1㎞でもペースが落ちず区間賞を獲得してトップでタスキリレー。2位は47秒差で東北福祉、3位は56秒差で城西となった。
6区(6㎞)、大東文化は全日本で走れなかった蔦野萌々香(3年)、ワンジルから襷を受け取ると勢いよく飛び出していった。大東文化を追う2位争い、2㎞付近で城西・窪田舞(1年)が東北福祉・小林日香莉(3年)を抜いて2位。それでも東北福祉・小林は付いていき2人でトップの大東文化・蔦野を追っていった。
残り1㎞で大混戦ムード、逃げる大東文化・蔦野に追う城西・窪田と東北福祉・小林。最後の最後まで大東文化が粘り、トップでアンカーへタスキリレー、2位は24秒差で城西、3位は26秒差で東北福祉。
最終7区(8.3㎞)、トップの大東文化は全日本で1区を走った秋竹凛音(1年)、追う城西は全日本3区を走った大西由菜(1年)、東北福祉は村山愛美沙(3年)。序盤から城西の大西はペースをあげて大東文化の秋竹を追っていき、3.1㎞付近でトップと5秒差まで詰めた。
3.9㎞付近でついに大東文化の秋竹を捉えた。追いつかれた大東文化・秋竹はしっかりと後ろに付き、東北福祉大の村山は自分のリズムでペースを保っていた。4.5㎞ではトップは城西、3秒差で2位大東文化、10秒差で3位東北福祉と大混戦となった。
5.2㎞付近で自分のペースで走っていた東北福祉の村山が2位の大東文化を捉えて2位に浮上、しっかりとしたレース展開でトップを狙っていた。5.7㎞で城西の大西を捉えてついにトップに立った。東北福祉の村山は表情を変えず、城西の大西はやや苦しい表情となった。
それでも東北福祉と城西の差はなかなか付かず、残り1㎞で大西が最後の力をふり絞り再逆転、全日本の再現となるアンカーでの大逆転、笑顔でフィニッシュテープを切った。城西が初優勝、大学史上初の“学生女子駅伝二冠”を達成した。関東勢が優勝するのも初めてとなった。
【全日本大学女子選抜駅伝 上位10チーム】
優勝:城西大学
2位:東北福祉大学
3位:大東文化大学
4位:名城大学
5位:立命館大学
6位:大阪学院大
7位:福岡大学
8位:全日本選抜
9位:東洋大学
10位:日本体育大学
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