埼玉県・八潮市の道路陥没は、発生3日目となり、さらに穴が拡大。市民生活への影響も広がる一方で、支援の動きも出ています。
埼玉・八潮市「道路陥没」難航する救助活動
井上貴博キャスター:
埼玉県八潮市で道路が陥没し、トラックが転落した事故。穴が崩落するなど危険な状態が続いていて救助は難航しています。初動でヘリコプターで近づくということは難しかったのでしょうか。
芝浦工業大学 稲積真哉教授:
そうですね。ヘリコプターで救出をスタートしても、救出することによって(今も続いていますが)再び周辺の地盤が動き出す危険性があるため、なかなか救助が難しいと考えます。
井上キャスター:
この地域の地盤や水の状況はいかがでしょうか。
芝浦工業大学 稲積真哉教授:
このあたり(八潮市)はとにかく非常に柔らかい軟弱な地盤です。軟弱な柔らかい地盤というのは、すなわち多くの水を含んでいる地盤ということなのです。
柔らかいため今回のような穴が開いてしまうと周りの柔らかい地盤がどんどん穴に向かって動こう動こうとします。その状態が今も続いてると思います。
井上キャスター:
近づくにも近づけないということなのですね。
ホラン千秋キャスター:
地元の皆さんは自分たちの生活はもちろんですが、救助されていない男性を心配する声がありました。
スポーツ心理学者(博士) 田中ウルヴェ京さん:
最優先は救助です。そして長期化する可能性があるので今後どうなるのか、日本に住んでいる人たちはみんな心配だと感じています。
道路陥没は住民生活に影響も
井上キャスター:
周辺住民への影響も広がっています。
【下水道の使用制限】
埼玉県の12市町 約120万人に生活排水を控えるよう要請
・八潮市
・さいたま市(一部)
・川口市(一部)
・草加市
・越谷市
・春日部市(一部)
・幸手市
・白岡市
・蓮田市
・杉戸町
・宮代町
・伊奈町
陥没現場から遠く離れた埼玉県北部の地域にも要請が伝えられています。それは今回の陥没現場が下水処理場の近くだからです。
数多くの市町村から下水が集められる近くで陥没が起きてしまったというわけです。
埼玉県は29日午後11時過ぎ、春日部市のポンプ場から塩素消毒をした汚水を川に流す緊急放流を開始しました。
【通信障害 光ファイバーが断線(埼玉県によると)】
八潮市の一部でインターネットや固定電話など約1700回線が利用不可
【ガス供給停止(東京ガスによると)】
二次災害防止のため八潮市の一部130戸で停止
→29日時点でガス管損傷やガス漏れなし
【ガス漏れの恐れ 避難指示も】
29日、八潮市でガス漏れの危険性があるため現場の半径200m以内に住む200世帯に一時 避難指示
→現在は「警戒区域」に指定
→近くの中学校体育館などに20人が避難(30日 午前9時時点)
ホランキャスター:
救助されたあと、(インフラの)復旧はどのくらいかかるのでしょうか。
芝浦工業大学 稲積真哉教授:
今の時点では時間はまだ読めないというのが現状だと思います。今回の陥没は10mくらい深い場所にある下水道管の破損が一番の原因です。
復旧はまずその破損した下水道管を復旧するところから始まりますので、そのためにはどの範囲まで下水道管が破損してるのかという調査をしなければならず、相当な時間がかかるのではないかと考えております。
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<プロフィール>
稲積真哉さん
芝浦工業大学教授
工学部で環境・防災の地盤工学が専門
田中ウルヴェ京さん
スポーツ心理学者(博士)
五輪メダリスト
慶應義塾大学特任准教授
こころの学びコミュニティ「iMiA(イミア)」主宰
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