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10代や学生のための無料オープンカフェ「PEACE OPEN CAFE」

国内
2025-03-24 16:46

青少年の心の居場所「PEACE OPEN CAFE」

近年、青少年の自殺やうつが増加しています。
今回は、新宿NPO協働推進センターでボランティアの大学生と一緒に開催されている、青少年の心の居場所「PEACE OPEN CAFE」を取材してきました。
この「PEACE OPEN CAFE」の活動を行っている「日本ピーススマイル協会」の代表理事、越智 創さんに、このような活動をするに至った経緯について聴きました。


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「日本ピーススマイル協会」の代表理事 越智 創さん
「私、牧師なんですけれども、恩師も牧師でして、その方が国の問題に自分事として取り組むべきじゃないかっていう一言をおっしゃってくださったときに、結構自分に刺さったんです。


また、自分が元々サラリーマンをしていたときは人材業界にいたので、結構うつの問題とか、自殺の問題っていうのは頭の隅にあったんですよね。
なので、日本の国の問題って何だろうって思ったときに、すぐ自殺の問題っていうのが出てきました。


当時、日本では自殺者数が結構高止まりしていたんです。そこで自殺を根本的に解決したいと思ったときに、やっぱり心が苦しくて、命を絶つっていう現実がありますので、心のケアをできたらいいんじゃないかっていうところで始めました」


越智さんが実際に活動を始めてから、一度、社会全体の自殺者数が落ち着いたということもあり、活動を休止していました。
ただ、若者の自殺者数は減っていないことに気づき、まだまだできることはやらなければいけないということで、法人化してより本格的に活動を始めたそうです。


「命は大事」ということを自分事としても考えてほしい

「日本ピーススマイル協会」のメインの活動は「自分も大切な存在なんだ」と体感するワークショップを開催することです。
「命は大事」ということを座学では学ぶことはあっても、それを自分事として考えてもらえることが少ないため、ワークショップを通じて、「命は大事」ということは、自分にも当てはまることなんだと体感してもらうということをメインに活動しています。
また、コロナ禍になってから、子供の心に閉塞感が出ていることがデータでも出始めたので、今回のような心の居場所を提供する活動も始めたそうです。


学校では経験できない、年代を超えたつながりが貴重な経験に

「PEACE OPEN CAFE」には、家とか学校で認められていないと感じる子や不登校の子、精神疾患などの事情がある子が来ています。
また、他にも、学校の掲示板でこの活動を知ったり、親御さんや友人から勧められて来ている子もいました。
来ている子供たちも小学生から高校生まで幅広い年代の子がいて、ボランティアの大学生に勉強を教えてもらったり、カードゲームを一緒にしたり、学校とはまた違う、年代を超えたつながりができるのも貴重な経験になると話していました。
実際に「PEACE OPEN CAFE」訪れていた高校生の方に話を聴きました。


「PEACE OPEN CAFE」利用者の声
「相談とか、学校のこととか、親だけじゃなくて、ここにいる人たちに打ち明けるっていうのが、ちょっと自分的にも心的にもすっきりするし、そういった話ができるって楽しいなっていうのがあります。
私はここのオープンカフェで勉強とか、こうやって遊んだりすることに対してはすごい楽しいと思うし、ボランティアの大学生との交流を深められる場所でもあるので、私はここは好印象だって思ってます」


越智さんたちは、「自殺の予防をする」ということについて、心が病んでしまっている子供たちを対象とした対処療法ではなく、心が青信号のうちから、黄信号、赤信号にならないようにする未病対策のようなことが第一次的な予防だと考えています。


今回のような活動も事情がある子供だけではなく、すべての青少年を対象に「自分の大切さ」を知ってもらい、将来、壁にぶつかっても乗り越えていけるような力をつけてもらいたいという思いで活動しているということでした。


「自分の大切さ」を1人でも多くの子たちに知ってほしい

最後に越智さんに、今後の活動について聴きました。


「日本ピーススマイル協会」の代表理事 越智 創さん
「まずは、やっぱり自信のない子たちが多いですから、我々が大切にしている『自分の大切さ』っていうのを体感していただくワークショップをまずは1人でも多くの子たちに受けてほしいなというふうに思っています。
あとは、悩み相談の方はそんなに今多くの子たちが相談に来ているわけではないんですけれども、もっと多くの子たちに接して、自殺願望とかの気持ちをひっくり返してあげたいですし、もっとそういうことができる人たちを増やしたいなと思っています」


今回のような心の居場所を作る活動は寄付金や周りの方の協力など人のつながりで成り立っています。
取材をした日も、以前の活動場所の近くにあった東京製菓学校の生徒が作ったパンやお菓子を差し入れしてくれたということで、おいしそうなお菓子が用意されていました。


こういった差し入れもほぼ毎回してくださるそうで、越智さんも大変感謝していました。


また、かつてこの活動にお世話になった子が大学生になって、今度は支える側のボランティアとして参加しようとしている子もいたりします。
また、ボランティアとして参加した大学生が、この活動への参加をきっかけに社会福祉の仕事に興味を持つようになったりするなど、人の循環も感じられる活動になっているんだなと感じました。


(TBSラジオ「人権TODAY」担当:恒藤泰輝)


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