おととし、埼玉県蕨市の郵便局で人質を取って立てこもり、警察官にむけて拳銃を発砲して殺害しようとした罪などに問われている88歳の男に対して、検察側は、懲役25年を求刑しました。
【写真を見る】埼玉・蕨立てこもり 88歳男に「懲役25年」求刑 「この歳での懲役25年はびっくり。生きていられないでしょう」警察官に拳銃発砲などの罪
無職の鈴木常雄被告(88)は、おととし10月、自宅アパートの部屋にガソリンを撒き、火をつけた後、戸田市の病院で診察室に向けて拳銃を発砲し、男性医師(当時49)と男性患者(当時62)の頭にけがをさせて、殺害しようとしたなどの罪に問われています。
またその後、蕨市の郵便局で女性局員2人を人質に立てこもり、駆けつけた警察官2人に向けて拳銃を発砲して、殺害しようとしたなどの罪にも問われています。
今月26日に開かれた初公判で、鈴木被告は、殺意について「そんな気持ちは一切ありません」と話し、殺人未遂の罪について否認していました。
検察側はきょう(29日)の論告で、「使用された拳銃のトカレフは、他の拳銃と比べて殺傷能力が高く、被告は長期間保管したうえ、試し撃ちをするなど計画性があった」「弾丸はいずれも人の身長の範囲内を通過し、郵便局での警察官に向けての発砲は、警察官の間近を通過していて、弾道などからも狙って発砲したと言える」と鈴木被告に殺意があったと主張。
そのうえで、「拳銃という所持しただけでも違法なものを使用した悪質な事件で、一連の事件では、多くの人命が失われる危険があった」として、懲役25年を求刑しました。一方の弁護側は、「拳銃を撃ったら殺意があるのか。病院での発砲は、病院内に人がいるかどうか分からず撃っている」「郵便局での発砲は威嚇のために撃った」とし、懲役9年が妥当だと主張しました。
鈴木被告は最終意見陳述で、検察に対して「この歳での懲役25年はびっくりしませんか。僕生きていられないでしょう」と話した後に、「いろいろな人に迷惑をかけた。反省しています」と述べました。
判決は、来月4日に言い渡される予定です。
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