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オンラインカジノ規制強化へ サイトへの誘導禁止などで対策は万全?「ブロッキング」には危険性も【Nスタ解説】

国内
2025-05-30 20:11

タレントやスポーツ選手の間にも広がりを見せる「オンラインカジノ」。規制の強化に向けて国会が動いています。十分な対策になるのでしょうか。


【写真を見る】「ブロッキング」の対象となっているサイト


オンラインカジノ 規制強化へ 具体的には?

日比麻音子キャスター:
オンラインカジノが社会問題となっていますが、規制強化に向けて30日に動きがありました。


ギャンブル等依存症対策基本法の改正案として、▼カジノサイト開設を禁止、▼カジノサイトへの誘導を禁止、▼違法性の広報・啓発活動などの内容が盛り込まれることになります。


改正されることで、具体的には何ができるようになるのでしょうか。


TBS報道局政治部 自民党担当 大室裕哉 記者:
ある政府関係者は、「この法改正が実現すると、サイトへの誘導が違法であることが明らかになることで、通信事業者側も広告を削除しやすくなる」と期待していました。

日比キャスター:
法で決められれば、削除の対応もスムーズにできるようになるということですね。


一方で、この改正案では足りないのではないかという指摘もあります。治安・テロ・サイバー犯罪対策調査会の高市早苗会長は、「ブロッキング」の必要性を強調しています。


「ブロッキング」とは、サイト閲覧者がブロッキングの対象となっているようなサイトにアクセスしようとすると、通信事業者が強制的にアクセスを遮断することができる仕組みです。


現状、ブロッキングの対象は、児童ポルノサイトのみです。海賊版サイトは、ブロッキングの対象として議論が進められましたが、現状、対象になっていません。


このブロッキングの対象になる差は何なのでしょうか。


大室裕哉 記者:
児童ポルノサイトは、今まさに人権が侵害されている状況があり、実効的な手段が他にないことから、ブロッキングが認められています。

一方で、海賊版サイトは2018年に「漫画村」というサイトが摘発され、議論がされましたが、ブロッキングされないという結論になりました。アクセス時の警告や運営者の摘発など、他の手段が実行可能なことから、ブロッキング以外の方法で対策を練っていくことで議論が落ち着きました。


日比キャスター:
他の手段の有無が基準になっているようですが、この線引きは難しいですよね。


大室裕哉 記者:
現在行われている総務省の有識者会議では「ブロッキングを広めすぎると、サイト運営者の表現の自由を侵害しかねない」「オンラインカジノに対してブロッキングを認めると、他もブロッキングする連鎖が起きるのではないか」といった意見があがりました。

憲法で保障している「通信の秘密」を侵害することで、監視社会に繋がるのではないかという危惧もあります。


「今国会での法改正は、入口」“実効性ある対策”が求められる

日比キャスター:
オンラインカジノに関しては、ブロッキングするか否かに対して議論が進められていますが、規制にはどういったことが必要になってくるのでしょうか。


大室裕哉 記者:
法改正に加えて、実効性のある対策が求められていると思います。

「LINE」などを運営している「LINEヤフー株式会社」は警察庁と連携し、「Yahoo!」の検索窓にオンラインカジノに関連する言葉を検索した場合、上の画面に警告が表示されるようになっています。


一方で、次々と新しいサイトができるという懸念もあります。「LINEヤフー」の出席者からすると「検索事業者だけの努力だけでは限界がある」といった指摘がされていました。


日比キャスター:
民間だけでは限界があり、イタチごっこになってしまうということですね。


大室裕哉 記者:
オコエ瑠偉選手が「喫煙所で先輩がオンラインカジノやっているのを見て自分も始めた」と話していますが、かなり身近に迫ってきているのがオンラインカジノの恐怖です。

10代の若い世代でも、オンラインカジノをやって、それが原因で借金を重ねてしまうというケースも見られています。


今国会での法改正は、まず入口です。さらに踏み込んだ対策が今後、求められていると思います。


南波雅俊キャスター:
今回の法改正で、これまで何百万人という人がオンラインカジノを利用していて、多くの人が摘発され、「違法ではない」と思っていた人たちも、もう「これは違法」だということはわかったと思います。

しかし、使っている人の中には依存症になってしまった人や、「違法」だと分かっていても使ってしまう人もいますよね。そういった人たちをどう止めるのかが重要であり、急務であると感じます。


高柳光希キャスター:
デジタルネイティブである10~20代の利用者が多いということで、まずは違法性を認知させることに加え、決済の場面でも、決済サービスと連携してせき止める手立てを作っていく必要があると思います。


日比キャスター:
様々な角度からの丁寧な議論、そしてスピード感がこの負の連鎖を止めるために求められていると感じます。


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〈プロフィール〉

大室裕哉
TBS報道局政治部 自民党担当
小学生から野球部 大学では代打


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