
“観測史上最も暑い夏” 漁場にも影響
8月30日、東京都心の気温は38.5℃まで上昇。2025年の都心の最高気温の記録を更新しました。三重県桑名市では、観測史上最高となる40.5℃を観測。埼玉県などでも40℃を超えました。
【写真で見る】大量死した養殖ハマチにひび割れた農地 猛暑による異変 各地に
【各地の最高気温】
・三重県桑名市:40.5℃(観測史上1位)
・埼玉県鳩山町:40.3℃
・埼玉県熊谷市:40.2℃
・静岡県浜松市:40.2℃
本来なら秋を迎えようという8月最後の週末も、記録的な暑さが続いています。「観測史上最も暑い」といわれるこの夏、日本各地でさまざまな異変が...
サンゴが広がり、色鮮やかな魚たちが泳ぐのは、三重県志摩市の海。
このあたりはもともと伊勢エビの漁場でしたが...
漁師 小川吉高さん
「これオジサンという魚」
網にかかるようになったのは、南国の魚。暑さの影響で、伊勢エビの水揚げは、この7年で約20分の1ほどにまで激減しています。
【和具漁港 伊勢エビの水揚げ量】
2018年:約40トン
2024年:約2トン
高知県では養殖ハマチが酸欠に さらにサメの被害まで...
高知県では...
養殖場で引き揚げられたのは、死んだハマチ。猛暑による海水温の上昇で、酸欠状態になっているのです。
荒木水産 荒木俊慶代表
「先月1ヶ月でいうと、約1000匹ぐらい死んでいる」
さらに、追い打ちをかけるサメの被害まで。
荒木水産 荒木代表
「サメは元気に泳いでる魚を狙うんじゃなくて、死にかけとか、死んだ魚が臭いを出したときに寄ってきて、それに噛み付いて穴を開けて逃げる」
死んだ魚の臭いに寄ってくるというサメ。養殖場のハマチを狙って網を食い破り、被害を拡大させているのです。
猛暑の影響はコメにも 品質検査では「2等米」に
そして、この猛暑の影響は価格の高騰が続くコメにも。
コメどころ新潟では、猛暑に加え渇水の影響も深刻。イネが枯れた地域も...
コメ農家
「いや本当、見るたびに涙が出ますよ」
そして迎えた早場米の収穫。「葉月みのり」の品質検査では、白く濁ったコメの比率が高く、初回分は全て「2等米」という結果に。
JAえちご中越 力間利昭さん
「率直に残念だった。暑すぎました」
去年の初回検査では全て1等米だった品種ですが、猛暑の影響で白濁したコメが増えたとみられています。
暑さを逆手に取ったコメ作りも
一方こちらは、茨城のコメ農家。
暑さを逆手に取った新たな栽培法を始めています。
この週末から稲刈りを始めていますが、2025年の収穫はこれで終わりではありません。
照沼農園 照沼洋平さん
Q.温暖化対策として始めていることは?
「この株の再生二期作です」
Q.これがまた再生する?
「この辺から、またすぐ出てきますね。10日ぐらいで(新しい葉が)出てくると思います」
温暖化を背景に開発された再生二期作。刈り取った株を放っておくと、新しい葉や茎が出てくるので、そこに水や肥料をやり、再び稲穂を実らせます。そして11月頃には、関東でも2回目の収穫ができるようになったのです。
照沼農園 照沼さん
「ここ4、5年で(気候が)だんだん変わってきていますし、今年の夏なんかまだまだ暑いですから」
Q.暑さを逆手に?
「本当、それを利用するしかない」
こうした工夫は、様々な農作物で求められることになりそうです。
・エアコン「1℃下げる」OR「風量を強にする」どっちが節電?「除湿」はいつ使う?賢いエアコンの使い方【ひるおび】
・スマホのバッテリーを長持ちさせるコツは?意外と知らない“スマホ充電の落とし穴”を専門家が解説【ひるおび】
・「パクされて自撮りを…」少年が初めて明かした「子どもキャンプの性被害」 審議進む日本版DBS “性暴力は許さない”姿勢や対策“見える化”し共有を【news23】