「ポスト石破」を決める自民党の総裁選が告示され、5人の戦いが始まりました。
演説会で各候補は何を訴えたのか、キーワードを分析してみました。
自民党総裁選 各候補の演説“キーワード”
22日午前10時、自民党本部で始まった総裁選候補者の受け付け。午後には早速、各候補が演説会に臨みました。
1人15分の持ち時間に何を訴えたのか、AIでキーワードを抽出してみると…
小林氏は経済安全保障担当大臣の経験を踏まえ、「経済」や「安全保障」といった言葉が浮かび上がります。
小林鷹之 元経済安保担当大臣(50)
「子育て世代を含めた現役世代が自由に使えるお金を増やします。その一つが所得減税です。経済→防衛→外交→経済というこの循環をぐんぐんぐんぐん回していくことが、世界をリードする日本への道筋だと考えています」
続いて演説に立ったのは茂木前幹事長。積極的な若手や女性の登用、そして次世代への継承を訴えました。
茂木敏充 前幹事長(69)
「自民党を、日本経済を必ず再生する。その目標は2年。閣僚の平均年齢は10歳若返らせます。3割は女性を登用します」
3番目に演説したのは林官房長官。キーワードから見えてきたのは岸田・石破政権の政策を継続し、さらに進めるということ。中でも、政府をあげて取り組む「賃金」の上昇に関する言葉が目立ちます。
林芳正 官房長官(64)
「実質賃金を1%ずつ上昇させていく。2040年代、それまでに強い経済と強い社会保障、これをしっかりとやっておかなければ間に合わなくなります。工程表を作って取り組みます」
一方、他の候補と少し異なる特徴が出たのが高市氏です。演説では、自身の選挙区である、奈良の鹿について詠んだ万葉集の一節を吟じます。
キーワードでは、「鹿」や「外国人」が目立つ結果となった高市氏。
奈良公園の鹿に危害を加える訪日外国人の存在などをあげ、外国人問題に取り組む姿勢を強調しました。
高市早苗 前経済安保担当大臣(64)
「私達と文化や何もかもがあんまりにも違う人たちを、まとめて入れていくということ。この政策は一旦考え直さなあきません」
そして、最後に演説に立った小泉候補。「国民」や「立て直す」という言葉を中心に、党の結束や、国民からの信頼回復を訴えました。
小泉進次郎 農水大臣(44)
「私達自民党は、時として国民から遠ざかり、国民の思いに応えられなくなることで、信頼が大きく揺らぐことがあります。国民の求める安全と安心を実現する政党として、自民党を立て直していこうではありませんか」
来月4日の投開票に向け、12日間の論戦が始まりました。
“高揚感”なく…自民党は野党転落後と同じくらい深刻か?
井上貴博キャスター:
22日の立ち会い演説会はどのように見ましたか。
TBS報道局 岩田夏弥 政治部長:
どちらかというと、これから新しい総裁を選ぶという高揚感や明るさは無く、むしろ必死さや真剣さ、真面目さ、もう少し悪くいうとどんよりしたムードも漂うくらいでした。
立候補した5人のうち3人が、谷垣禎一氏の名前を出しました。
谷垣氏は、2009年の自民党が野党転落後の総裁選に出て、勝っています。その16年前、2009年9月に「結党以来の大敗北を受けての総裁選挙です。私が申し上げたいことは単純明快。“みんなでやろうぜ”ということです」と話しました。
つまり、2009年くらい今の自民党は深刻だということが、今回の立候補者の中で割と共有の認識になっているのでしょう。
その中で谷垣氏の名前を出して、「みんなでやろうぜ」「もう1回、ここで自民党を立て直さないとまずい」というようなムードに包まれている演説会でした。
井上キャスター:
そんなに政策の違いがなくなっているように見受けられました。衆議院選挙など、選挙で勝てるかということなのでしょうか。
TBS報道局 岩田 政治部長:
ただ、選挙の前にやはりまず自民党をまとめて、野党とも話していかなければいけません。
結局、選挙はすぐにはできないということで、候補者でも、解散の話はすぐにできないと考えている候補が多いですからね。
その前に自民党をどうやってまとめるのか、そこが本当に一番最初の最大のハードルになる総裁選になっています。
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<プロフィール>
岩田夏弥
TBS報道局 政治部長
小渕総理以来主に政治取材を担当
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