大阪・関西万博が13日閉幕します。徹夜で会場を待つ人など、最終日まで多くの人が会場に訪れていました。そんな万博を支えた公式キャラクター「ミャクミャク」。当初の不評から一転、人気となった秘訣とは。
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不評から一転…次第に人気に“ミャクラー”も増殖
山形純菜キャスター:
2022年7月に初めてお披露目された「ミャクミャク」。当初は「なんのキャラクターなんだろう」「見た目、気持ち悪いな」と不評でした。
しかし、何がきっかけというのはなかったのですがだんだん人気になり、ミャクミャクグッズを身につける“ミャクラー”の皆さんが増殖していきました。
万博公式ストアを設置した大丸東京店の広報によると、ここ数週間の売上は、開幕当時の10倍になる日もあるぐらいだということです。
万博公式グッズは約7000種あり、ミャクミャクなどを含めた公式のグッズの売上は、8月時点で800億円を超えているといいます。
さらには、SNSでミャクミャクを手作りする二次創作も人気ということで、“Nスタファミリー”では吉村アナウンサーのお母様が作っていました。お父様のリクエストでゼロから毛糸で作られたそうで、本物のぬいぐるみと並べても、どちらが本物かわかりません。
丸いパーツに幼児体型 よく見ると可愛らしい?
では、なぜミャクミャクはここまで人気になったのでしょうか?
脳の仕組みから人の心がどう動くのか研究している大阪大学大学院の中野珠実教授によると「ただ“可愛い”だけではここまで人気にはならなかった」ということです。
まず、ミャクミャクには▼強烈なインパクトがありました。人間は得体の知れないモノに対し、最初は警戒感を抱くそうです。
ただ、よく見てみると▼丸いパーツで幼児体型をしています。こういった可愛らしい要素もあるため、何度も見ていくうちに親しみや安心感も湧いてくるようです。
さらには▼目が5つあるなど、どこが顔なのだろうという複雑なデザインや、少し間抜けな顔をしているところが飽きさせない要因でもあるということです。
つまり人気の理由としては、“絶妙な気持ち悪さ”が功を奏し、マイナスポイントから始まるとよくなっていくというのは人間も一緒だそうです。
井上貴博キャスター:
これは本当に難しく、一か八かだと思います。ミャクミャクも微妙なラインだったのだろうなと…。
経済アナリスト 馬渕磨理子さん:
絶妙だったのでしょう。少し心に引っかかりがあるようなもののほうが残っていくんですよね。
出水麻衣キャスター:
“ミャクラー”がつけているようなカチューシャなども、すごく可愛いです。ただキーホルダーにするのではなく、可愛い要素だけ抽出してグッズにするところが日本の上手さではないかと今回思いました。
万博閉幕で大企業が注目 ボランティア争奪戦も
山形キャスター:
ミャクミャクだけではなく、万博ボランティアも争奪戦になっているということです。
9月14・15日に「万博キャリアNEXT」という、万博ボランティアの転職・就業支援のイベントが行われました。というのも、万博には、それまでの仕事を辞めてボランティアになった人が多いということです。
イベントを運営しているパソナグループ広報担当によるとホテル、テーマパーク、百貨店など107社が参加しました。万博ボランティアは接客や言語対応などグローバルなスキルを身につけている人が多いため、企業としては即戦力の人材だということです。
万博ボランティアは約3万人いて、観光立国を目指す日本にとっては大切な資産だとパソナグループ広報担当は話していました。
井上キャスター:
万博はイベントとしても黒字化しましたし、跡地はテーマパークやホテルにしていこうということです。そこで国際競争力も上げて、関西がとても経済的に盛り上がったと思います。
経済アナリスト 馬渕磨理子さん:
おっしゃるとおりですし、これだけ物価高で皆さんの消費が鈍いなか800億円もグッズを売り上げたということで、万博は相当いいコンテンツだったと思います。日本の底力というか、消費も強いのではないかと感じさせるような話題でした。
井上キャスター:
建設費などもありますが、ある程度は投資していかないとリターンもないということを学びました。
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<プロフィール>
馬渕磨理子さん
経済アナリスト
日本金融経済研究所代表理事
“日本一バズる”アナリスト
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