誰が総理大臣になるのか…与野党の駆け引きが続いています。政権交代に向け、野党は連携できるのでしょうか?(「Nスタ」午後5時20分すぎの放送より)
記者が見た立憲・安住氏に気になる動き…次の一手に注目
井上貴博キャスター:
立憲民主党と国民民主党、日本維新の会の幹事長会談が行われていますが、野党キャップの新田記者は「立憲民主党のちょっとした動き」が気になったといいます。
10日、公明党が連立離脱を表明しましたが、立憲民主党の幹部は連立離脱表明前から、公明党のことを気にしていたという情報があるようです。
また、自公党首会談の後、立憲民主党の安住幹事長は「記者の前で話す」と取材に応じるアナウンスがありましたが、なかなか記者の前に姿を現しませんでした。
しかし、公明党の斉藤代表が、「総理指名選挙で『高市早苗』と書くことはできない」と発言をした後に、記者の前に姿を現しました。
こうしたことから、立憲民主党は早い段階から公明党を気にしていて、斉藤代表の発言があった後に手を打ったのではないか。何かあるのではないかというのが新田記者の見立てです。
TBS報道局 政治部 新田晃一 記者:
公明党が首班指名で高市氏の名前を書くかどうかで状況が大きく変わってくるので、そこに注目していたのではないかと思います。
安住幹事長は10日、「これから視点を変えた歩き方をしたい」と発言しています。
ただその発言以降、総理指名選挙をめぐって野党候補一本化という線で立憲民主党の対応は変わっていません。安住幹事長が次にどのような一手を打ってくるのかも注目です。
さらに、安住幹事長は14日の定例会見で、「建前やきれいごとでは政権は作れない。どんなに世の中から批判されようと、死に物狂いで何でもやる」と強調していることから、どのような次の手を打ってくるのかが注目されることになります。
井上キャスター:
安住幹事長としては、基本政策が一致しなくても、とにかく数で上回るという強気な姿勢に見えますが、その点はどうなのでしょうか。
TBS報道局 政治部 新田晃一 記者:
数で上回らないことには政権交代は実現しないので、どんな手でも使ってやるというのが安住幹事長の思いだと思います。
国民民主党を軸に?各党の会談続々 与野党で駆け引きが激化
井上キャスター:
14日の動きを時系列でみると、国民民主党を軸にしてさまざまな動きがあったといえそうです。
▼午後1時半ごろ 自民・国民幹事長会談
▼午後3時ごろ 自民党両院議員総会・懇談会(緊急)
▼午後4時ごろ 公明・国民幹事長会談
▼午後5時ごろ 立憲・維新・国民幹事長会談
TBS報道局 政治部デスク 室井祐作:
午後1時半から行われた自民・国民の幹事長会談は自民党から呼びかけ、「総理大臣指名選挙で『高市氏』と書いてほしい」と要求しました。
一方、国民民主側は2024年に自民・国民・公明の3党で合意した年収の壁の178万円までの引き上げやガソリンの暫定税率の廃止などを、「高市氏になってからも続けてほしい」と要求しました。
国民民主党の榛葉幹事長は、公明党にも同じことを要求したという会談なので、総理大臣指名選挙での対応が具体的に話し合われたものではないと見ています。
出水キャスター:
公明党と国民民主党の会談は、どちらから呼びかけたのかは分かっているのでしょうか。
TBS報道局 政治部デスク 室井祐作:
これは国民民主党側から呼びかけたということです。
井上キャスター:
永田町の理論で数の奪い合いがどんどん進んでいますが、有権者がどこか置いてきぼりという気もします。
スポーツ心理学者(博士) 田中ウルヴェ京さん:
政権交代の可能性が出てきて、政治資金問題など国内の課題に対して、しっかりメスを入れる可能性があることは良いことだと思います。
一方で、外交など今まで培ってきたネットワークや海外との交渉に対しては、懸念があるように感じます。
TBS報道局 政治部デスク 室井祐作:
外交については継続性が重視されます。政権交代となった場合、そのあたりの懸念は当然あるとは思いますが、外務省や外交当局がしっかり支えると思うので、それほど大きな影響はないのかもしれません。
政策の一致を重視か “玉木総理”実現の可能性は?
井上キャスター:
基本政策が一致しないという懸念もあります。
国民民主党は数で合わせるだけではなく、政策が一致しないとおかしいという立場。一方で、立憲民主党はその違いは少し目をつぶってもいいのではないかとしています。
具体的にどのような違いがあるのでしょうか。
【基本政策の違い】
<安全保障>
▼国民民主党
・「自分の国は自分で守る」
・敵基地攻撃を容認
▼立憲民主党
・専守防衛に徹する
・敵基地攻撃には慎重
<エネルギー政策>
▼国民民主党
・厳格な安全基準を満たした原発の稼働・リプレース・新増設
▼立憲民主党
・原発に依存しない社会を一日も早く実現
・新増設認めない
総理指名選挙で勝っても、相反する部分が一致していないと、すぐに瓦解するのではないかという気もします。
TBS報道局 政治部デスク 室井祐作:
かつて細川政権も8党連立ということがありましたが、基本政策が一致していなかったことで、8か月で終わってしまったという過去の実績があります。
国民民主党の玉木代表は基本政策の一致を見ないと、今後仮に政権交代になったとしても長くは続かないとのことで、特に「安全保障」と「エネルギー政策」の2つを重視しているということです。
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<プロフィール>
新田晃一
TBS報道局政治部 野党キャップ
休日には議員の地元めぐりも
室井祐作
TBS報道局政治部デスク 元官邸キャップ
過去石破氏の番記者を担当
田中ウルヴェ京さん
スポーツ心理学者(博士)
五輪メダリスト 慶応義塾大学特任准教授
こころの学びコミュニティ「iMia(イミア)」主宰
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