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「謝罪の意思を伝えたい」「対外的な説明をしたい」国分太一さん 人権救済申し立て、なぜ今?専門家はこう見る【Nスタ解説】

国内
2025-10-23 20:24

コンプライアンス上の問題を理由に日本テレビの番組を降板した国分太一さんが、日本テレビの対応に問題があったとして人権救済を申し立てました。また、コンプライアンス違反の内容について、国分さんによる「ハラスメント」と明かしました。


【写真を見る】国分太一さんの“8つの主張”


「日本テレビ側の説明が不十分」 国分太一さんが人権救済申し立て

井上貴博キャスター:
問題が明らかになったのは2025年6月20日、日本テレビの福田博之社長が「過去にコンプライアンス上の問題行為があった」として、国分太一さんをバラエティー番組から降板させることを発表しました。


問題行為の詳細については「プライバシー保護の観点から説明を控える」としました。


国分太一さんの代理人弁護士によると、「結論ありきで事情聴取が行われ、コンプライアンス違反の詳細も聞かされなかった」ということです。


人権救済申立書によると、福田社長の会見の2日前、6月18日に日本テレビによる聞き取りがあったそうです。


日本テレビ側から、「ザ!鉄腕!DASH!!の打ち合わせ」と「新しいプロデューサーへの挨拶」として国分さんは呼び出されました。


その後、突然「コンプライアンス違反について事情を聴きたい」と言われ、コンプライアンス局担当者と日本テレビ側が用意した弁護士による事情聴取が行われました。


その時、日本テレビ側からハラスメント行為について“誘導的に”質問されたということです。


国分さんは、「ある関係者に対する事実に身に覚えがある」とし、さらに別の関係者へのハラスメントも肯定しました。


その後、取締役常務執行役員が番組の降板を要請し、“時間の猶予を求める余地なし”として、「やむを得ず了承した」ということです。


では、なぜ今回、人権救済の申し立てを行ったのか、国分さんとしては「コンプライアンス違反で迷惑をかけた人がいる事実を受け止める」とする一方で、▼謝罪の意思を伝えたい、▼対外的な説明をしたい、ということのようです。


ただ、どの事実がコンプライアンス違反に該当したのか説明がなく、対外的な説明など適切な対応ができず…


▼TOKIOの解散
▼他番組からの降板
▼スポンサー企業からの契約解除
▼家族の平穏な生活が害された


こうしたことに対して、日本テレビ側に申し立てを行ったということです。


弁護士 西脇亨輔さん:
以前、フジテレビの問題で、中居正広さんが第三者委員会の調査結果に対して異議を申し立てたことがありました。


あの時は「性暴力といわれる行為はなかった」として事実自体を争っていましたが、今回の場合は「ハラスメントに該当しうる行為自体はあった」という大前提があり、それは反省している。


ただ、「調査のやり方や結果を十分説明してくれなかった。その部分が納得できない」という形での訴えのようですが、逆に、事実関係自体があまり動かないとすると、どの辺りを人権侵害と訴えていくのかは、なかなか難しいところもあるのかなと思います。


出水麻衣キャスター:
通常、企業からの通達で、当日に「番組降板です」と言われることはあり得るのでしょうか。


西脇亨輔さん:
今回の場合、国分さんは「30年間務めた番組を降板するのだとしたら、もう少し丁寧な説明が欲しかった」という趣旨を話しています。


ただ、ビジネスの上で非常にドライに考えてしまうと、法律上は「会社として、取引を今後やめますよ」ということなので、会社の経営判断という説明もあり得る。そうすると、「我々としても今後はお付き合いできない」という判断もあります。


一方で、国分さんに対してもある程度説明があってもいいのかなとも思います。


情報隠蔽の可能性も?被害者保護と適正手続きの線引きは?

井上キャスター:
日本テレビ側の「被害者がいるのでプライバシーに配慮して情報公開はできない」という主張は筋が通っている一方、第三者が何も検証できないと、日本テレビ側が隠蔽することもできる状況でもあると思います。


第三者の外部の有識者を入れて「そういったものはなかった」と公表していますが、情報はどこまで出していいのかという線引きはどう考えればいいのでしょうか?


西脇亨輔さん:
ハラスメントなどプライバシーが関わってくる問題は、被害者の人権もあるので、出したくない情報は出せない。一方で、手続きの適正も必要なので、そこのバランスはどうしても必要になってきます。


今回は、国分さん自身もハラスメントに該当しうる行為を認めているというところで、日本テレビ側も情報はあまり出さなかった。


しかし、国分さん側としては「周りに説明ができないからもう少し教えてくれ」という部分が、今ぶつかっているんだと思います。


井上キャスター:
6月に情報が出て、会見が今になった。このタイミングについてはどんなことを推測していますか?


西脇亨輔さん:
おそらく、国分さんが自身で弁護士を探して、事態が起こった後に、納得できないところがあり、「何とか自分自身で自分の思いを果たしていきたい」と1人で動いている中で、弁護士がついて、色々と検討をして、やり取りがあって、今に至っているということだと思います。


出水キャスター:
こういったことで人権救済にあたる事例というのは過去にあるのでしょうか?


西脇亨輔さん:
今までに、「人権救済の申し立て」で日本弁護士連合会が動いた事案というのは、刑務所の中での待遇、熱中症対策が十分ではないといったことや、差別に関する問題など、社会的な問題が多かった。


今回の場合は、民間企業である日本テレビと出演者との契約の話なので、ここで日本弁護士連合会が動くかどうかというところはありますが、1つの問題提起として、こういった手続きを取られたのだろうと思います。


人権救済申し立ては「日本テレビと話し合うため」の手段? 長期化する可能性も

井上キャスター:
人権救済申立書によると、国分太一さん側の主張は以下のようなことです。


▼“不意打ち”事情聴取
▼口外禁止を求められる
▼事情聴取は結論ありきの「有罪の推定」
▼スマホから一方的にデータ削除させる
▼降板理由の説明なし
▼謝罪の拒絶
▼番組降板は日本テレビによる既定の事実
▼妻子も“炎上した状態”が継続


日本テレビを訴えるということではなく、今回は、日弁連に対して人権救済の申し立てを行いました。人権救済は、調査結果により警告・勧告などの措置を行うもので、法的拘束力はありません。


今、“ボール”は日本テレビ側に投げられたのでしょうか?


西脇亨輔さん:
一旦は日本弁護士連合会に投げられてはいるのですが、この手続きはかなり時間がかかります。


井上キャスター:
どのくらいかかるのでしょうか?


西脇亨輔さん:
2024年に400件申し立てがあり、日弁連が措置を取ったのは4件でした。


この措置に至るまで、2024年の場合は一番短いもので2年2か月、長いもので5年5か月という時間がかかっています。


ただ今日の会見の中で、弁護士の方から「日本テレビと話ができることが重要で、人権救済はそのための手段」という言葉も出ていたので、やはり「日本テレビと話し合いをしたい」というのが大きいのかもしれません。


井上キャスター:
日本テレビとしては応じることになる?


西脇亨輔さん:
ここではプライバシーの問題も出てくるので、これまでの様々な対応との整合性ということでいうと、どこまで応じるのか。


そういう意味では、一旦は日本テレビ側にボールが投げられたのかもしれないですね。


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<プロフィール>
西脇亨輔さん
元アナウンサー
現在は弁護士
企業法務や労働法に精通


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