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空港近くの“夢の街”まだ更地?不動産ファンド「みんなで大家さん」年7%の“高利回り”が遅延【news23】

国内
2025-11-01 14:43

成田に東京ドーム10個分の“グローバル拠点”をつくる…、そんな壮大なプロジェクトへの出資を募る不動産ファンド「みんなで大家さん」。年間7%ほどの高利回りをうたい、総額2000億円を集めていましたが、分配金の支払いが突如、止まりました。一体何が起きているんでしょうか?


【写真で見る】分配金が突然停止…「みんなで大家さん」の代表を直撃


空港近くの“夢の街” 希望託し投資も…

千葉県成田市。本来なら、今ごろ“夢の街”が広がっているはずでした。


東京ドーム約10個分の敷地に、“最新鋭”の球体アリーナ、そして、外国人観光客を迎える巨大なショッピングモール。それらを備えた、新たな街「ゲートウェイ成田」。


その“夢の街”に希望を託した、70代の男性。老後資金の400万円を、この開発に投資したといいます。


400万円を出資した男性(70代)
「これは年金プラスにちゃんと動いていくだろうということで、毎月の生活費に充てていたんです」


男性が出資したのは、「みんなで大家さん」と呼ばれる不動産ファンド

ビルやホテルといった物件に出資することで、その「賃料収入」から、年間7%程度の“高い利回り”を受け取れるとしています。


400万円を出資した男性(70代)
「完成図のビデオの宣伝なども見たんですけど、これはうまく成功するんじゃないかと」


ファンドの代表は、自身の著書で「ゲートウェイ成田」を力強く宣伝。


代表の著書
「資産評価2兆円の街で、2024年、日本は復活する!」


2024年の完成を目指すとしていました。


この商品を中心に、全国3万7000人以上から総額2000億円を超える出資を集めます。


資金はどこに?2024年完成予定がまだ“平地に整備中”

「ゲートウェイ成田」が完成するはずだった2024年、現地を訪れてみると、完成予定は延期を繰り返し、2027年末となっていたのです。


記者
「ゲートウェイ成田の建設予定地では、現在、森林を重機が切り開いて、平地に整備しているという状態です」


さらに、2025年7月、分配金が突然停止。


「みんなで大家さん」 柳瀬健一 代表
「ご心配とご迷惑をおかけしております事、心から深くお詫び申し上げます」


代表は「遅延は一時的」と釈明しましたが、今も支払いは止まったままです。


400万円を出資した男性(70代)
「こんなものが横行していいのか。あれだけかき集めた資金はどこにいってるのか?」


「バナナの苗」本当に栽培?出資集めるも建物には“ビニールシート” 

さらに、事態はこれだけにとどまらず、9月末「成田」以外の9つの商品でも分配金が停止したのです。


出資者に送られたメール
「その他商品におきましても、分配金のお支払いを遅延せざるを得ない事態となりました」


その一つが、福岡県にある“バナナの苗の栽培施設”・アグレボバイオテクノロジーセンター。成長が早く、収穫量も多くなる特殊なバナナの苗を育てているとして、183億円もの出資を集めていました。しかし…


記者
「入り口はビニールシートが掛けられていて、中は全く見えません」


ーーあそこに人が出入りしてるの見た事ある?


地元の住民
「いや~、ないですね」


出資者によると、9月の分配金は遅れて半額が支払われたものの、まだ満額は出ていないといいます。


ここで“バナナの苗”は本当に栽培されているのか。国会で農林水産省の担当は…


農林水産省の担当者(2024年4月 衆議院 国土交通委員会)
「統計上、福岡県のバナナの出荷実績はなく、農林水産省といたしまして、福岡県北九州市および水巻町におけるバナナの生産・出荷状況は把握しておりませんバナナの苗の生産も承知はしておりません


「経営は心配になる」テーマパークは日曜でも“ガラガラ”

さらに、三重県伊勢市にあるテーマパーク「伊勢忍者キングダム」。


2017年ごろから「みんなで大家さん」が経営に参加したといいますが、休日の園内は人が少なく、ガランとした様子。


来場者(10月19日)
「日曜日だよね、だいぶ少ないね」


来場者
「少ないです。ガラガラです」
「並ばずにどれも入れるんで、経営は心配になるレベルではありますね」


こちらも70億円の出資を集めていますが、分配金がストップしています。


「必ず償還する経営計画」代表を直撃取材

一方、「成田」については、行政も異変を察知。2024年6月、成田の街の計画変更を出資者への説明を怠ったなどとして、大阪府や東京都が1か月の業務停止命令を出したのです。


ファンドには解約の申し込みが殺到。


その後の2024年11月、JNNは「みんなで大家さん」の代表を直撃しました。


ーーお金が戻ってこないという人がいるが大丈夫か?


「みんなで大家さん」 柳瀬健一 代表
「もちろん。経営努力でがんばっておりますので」


ーー出資したものは返ってくる?
「ちゃんと返すように経営しておりますので。成田プロジェクトも成功させるように着々と進めておりますから」


ーー2000億円ほど集めているが戻ってくる?
償還するのは義務なので、必ず償還するというのが私どもの経営計画です」


しかし、出資者への分配金は10月31日も支払われず、これで4か月連続の遅延となりました。


2025年9月、400万円を出資した男性ら5人は出資金の返還を求め、大阪地裁に提訴。

来週にも、さらに1200人が110億円規模の追加提訴に踏み切る予定です。


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情報提供元:TBS NEWS DIG Powered by JNN

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