
今シーズン、早い時期から猛威を振るうインフルエンザ。
医師歴30年、一度もインフルエンザにかかったことがないという、いとう王子神谷内科外科クリニックの伊藤博道院長に感染対策を教わります。
【写真を見る】「インフルエンザ」医師はどう予防している?食べ物・入浴…家族が感染したときの対応は【ひるおび】
11週連続で感染者数増加
厚生労働省によると、11月2日までの1週間に報告されたインフルエンザの感染者数は、1医療機関あたり14.90人で、前の週に比べ2倍以上に増加。11週連続で増加しています。
去年の同じ時期に比べて約15倍と、流行が早く来ています。
伊藤院長のクリニックでも、日曜日の診察でインフルエンザ検査をした37人のうち、7割を超える26人が陽性となっています。
いとう王子神谷内科外科クリニック 伊藤博道院長:
インフルエンザは爆発的に増えていて、現場の感覚としては昨日の状態はもう去年のピークを超えた感じがしました。
40℃を超える患者さんが相次ぎ、しかもお子さんなので、痙攣を起こす前にと思ってトリアージも行ないました。それでも10人以上が40℃で39.5℃以上が15人以上という状況でした。
なぜ早期流行?
今流行しているインフルエンザは「A型」です。
毎年流行期があり、急激な発熱と激しい症状が特徴です。
今年は咽頭痛から始まる症例が多く、咳・吐き気・おう吐・下痢・腹痛の頻度が高くなっています。
伊藤院長によると、昨シーズンにあまり流行しなかった「A香港型」の割合が多く、集団免疫が落ちているのでしばらく感染者の増加が続くのではないかということです。
また、早期流行のきっかけとして、
◆猛暑の影響 暑さはストレスになるので、免疫力が低下した
◆今年は国際交流の機会が多く、海外からウイルスが流入
◆ワクチン接種が進む前に拡大してしまった
等を挙げています。
恵俊彰:
ワクチンを1回打ったお子さんがインフルエンザにかかった場合、もう今シーズンは大丈夫なんですか?
伊藤博道院長:
今年は早めの流行なので、1回かかってもまた抗体価が落ちてくる可能性と、A型の中にも複数の型がありますしB型もありますので、まだ2回目、場合によっては3回目もかかる可能性があります。
12歳以下は2回接種が必要なので、2〜3週間経って回復してから2回目のワクチンを打つことをおすすめします。
インフルエンザに30年罹患せず 伊藤院長の感染対策
伊藤院長は、医師歴30年で一度もインフルエンザにかかったことがないそうです。
伊藤博道院長:
大学の4年生のときに寒いアパートに住んでいて、そのときに1回思いっ切りやられて以来かかっていないんですよね。
伊藤院長が行なっている感染対策を聞きました。
◆手洗い、うがい、換気の基本的な感染症対策を徹底
◆大量のウイルスを一度に吸い込まない工夫として、マスクの使い分けをしている
・普通の人に接するときには一般的なマスク
・感染が疑われる人に接するときには医療用のマスク
伊藤博道院長:
医者と一般の方を比べたらインフルエンザやコロナに感染する確率はだいぶ違うと思うんですよね。
マスクの使い分けから手洗いの仕方、歯磨きの仕方、入浴の仕方も含めて、一つ一つ丁寧にやる意識がだいぶ違うと思います。やはりその積み重ねで、感染のリスクが変わるのではないかと。
特に気を付けているのが、入浴。
伊藤博道院長:
湯船に入っている時間は決して長くはないんですけど、洗い場で体を洗っている時間が家族よりも明らかに10分間以上長いんですよね。
皮膚のトラブルも感染症も、特に体の洗い方を丁寧にやることで変わってくるんじゃないかと思います。
例えば上半身を洗って、一旦湯船に入って体を冷やさないように温める。循環が良くなってまた汚れが浮いてきますよね。そこで今度下半身を洗うとか、少なくとも髪の毛と体は分けています。
インフルエンザ予防 どんな食べ物を摂ったらいい?
伊藤院長のおすすめは、バリアを作ってウイルスから体を守る食品。
◆発酵食品・食物繊維➡腸の働きを助ける
◆ビタミンB・ビタミンC➡粘膜の機能を保つ
伊藤博道院長:
ヨーグルトや納豆などの発酵食品や、野菜、あとはバナナなど果物もそうです。
僕は、週に1回スーパーで買ってきて冷蔵庫の中に置いておきます。
1週間のうちに何らかの形で食べていくと決めていて、受身じゃなくて能動的に普通の食事にプラスして体に良い食品を必ず摂るようにしています。
コンビニ弁当とこのような補助食品でも、栄養はバランスよく保てると思います。
感染したときの家庭内の対応は?
◆食事は別々にとる
◆感染者の歯磨きは浴室で行う
◆寝る時は感染者の近くに空気清浄機を置く
伊藤博道院長:
コロナのときによく言われたんですけど、歯磨きをしたときに飛沫が出るのが問題で、洗面台だと換気が悪い可能性もあるけれどユニットバスだと流せて換気もできる。
例えばコロナやインフルエンザに感染している人がいたら、一番最後に浴室で歯磨きしてもらうのが、方法としてはいいと思います。
(ひるおび 2025年11月10日放送より)
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