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ベトナム語の本との出会いを提供する江戸川区内の書店「iShite Book」

国内
2025-12-04 07:00

3時間かけて来る客も!約5,000冊が棚に並ぶベトナム語書店 iShite Book

東京・江戸川区に「iShite Book」というベトナム語の本を取りそろえている書店があります。


【写真を見る】約5000冊が並ぶ店内


店主のブ・リン・フォンさんは10年ほど前に来日しました。
小さい頃から本を読むのが大好きだそうです。


大学卒業後、いったん就職しましたが「日本にいるベトナム人の中にも本を読みたい人はいっぱいいるはず」と起業して、3年前に「iShite Book」を開き、2024年、現在地に移ってきました。


ブ・リン・フォンさん
「茨城県から電車で3時間かけてとか、遠いところからもお客さんが来るんです。
お店へ来る人は、本が好きで直接お店に来て選びたいとか、
東京へ遊びに行って、ついでに本屋も行きたい、という人もいます」


書棚に並ぶのは約5,000冊。
小説、歴史、自己啓発、子供向けの絵本、語学の本・・・。
様々なジャンルを取り揃えています。


日本の小説を翻訳したものでは村上春樹に東野圭吾の名前も。
マンガは「名探偵コナン」に「ドラえもん」も並んでいます。


日本人向けのベトナム語の教科書や、ベトナムに暮らしていた日本人がベトナム語と日本語を交えてベトナムの暮らしを描いた本なども置いています。


ブ・リン・フォンさん
「『iShite』は『愛して』。本を読むことを愛しているとか、自分がやりたいことを愛してるっていう感じで、一生懸命頑張れるようにと、店名につけました」


日本に暮らすベトナム人は60万人以上。遠方の客にはSNSを活用しネット販売も実施

常連の1人は日本に留学して6年のグエン・ティ・ミ・ズエンさん。


ネットの書店はレビューも色々あって便利だけど、家の近くにお店があることを知って、足を運ぶようになったそうです。


グエン・ティ・ミ・ズエンさん
「本を読むのは大好きですが、日本にはベトナム語の本が少ない。
私は直接見て選んで買うのが一番いいと思います」


日本全国に暮らすベトナム人は60万人以上。

お店に足を運ぶのが難しい人のために、iShiteではFacebookやTikTokなどSNSによる動画や生配信で、ベトナムで流行っている本、お勧めの本を紹介し、ネットで注文を受けています。


「iShite  Book」の本は、刑務所内にも各地の公立図書館にも届いている

ブ・リン・フォンさん
「日本の刑務所にいるベトナム人は、立ち直るために本を読んだりして、いろいろ身につけています。
社会に出たら、社会に貢献したいという人がいます。
そういう人たちの友達や弁護士がこの店に注文して、本を直接刑務所に送るという仕事もやっています」


iShite は2024年から、新宿区立大久保図書館や横浜市中央図書館、大阪府・市の中央図書館など全国各地の公立図書館に、ベトナム語の本を納入しています。

子供向けの絵本から、小説、自己啓発の本など幅広く対応しているということです。


書店がつくる在日外国人との相互理解への契機

常連のグエン・ティ・ミ・ズエンさんは現在、就職活動中。
好きな小説だけでなく、簿記の勉強などにもベトナム語の参考書を並行して活用しています。


グエン・ティ・ミ・ズエンさんは日本の人にもベトナム語、ベトナムの文化を知ってほしいと話します。


グエン・ティ・ミ・ズエンさん
「私は今、日本の文化がだんだん理解できるようになってきた状況です。
日本人もベトナム語の本が読めれば、文化が理解できるんじゃないですか。お互いが理解できるようになれば、外国人も日本人も、みんなが優しくなって、生活が楽しくなるじゃないですか」


在日外国人の母語、母国語の書店が、多様な文化を知る、お互いを理解する、ひとつつのきっかけとなる場所になるかもしれません。


(TBSラジオ「人権TODAY」担当:崎山敏也)


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