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「高市早苗が総理で良いのか」23日解散を正式表明 「自己保身解散」との批判も…各党掲げる“消費減税” 真冬の選挙の争点は?【news23】

国内
2026-01-20 15:24

「高市早苗が内閣総理大臣で良いのかどうか」。総理は「国民に決めていただく」として通常国会の冒頭で衆議院を解散すると表明しました。総選挙は来月8日、「真冬の短期決戦」ですが与野党がこぞって掲げるのが「消費減税」です。“選挙目当て”“財源無視”の「減税合戦」にならないのでしょうか?


【画像で見る】各党の消費税に関する立場


「進退をかける」総理の解散表明 野党の反応は

高市総理は、厳しい表情で会見に臨みました。


高市早苗 総理(19日)
「国民の皆さま、私は本日、内閣総理大臣として1月23日に衆議院を解散する決断を致しました。なぜ今なのか。『高市早苗が内閣総理大臣で良いのかどうか』、今、主権者たる国民の皆さまに決めていただく、それしかない」
「私自身も、内閣総理大臣としての進退をかけます。高市早苗に国家経営を託していただけるのか、国民の皆さまに直接ご判断をいただきたい」


23日召集の通常国会冒頭で衆議院を解散すると、正式に表明した高市氏。


解散の大義については、“自らが総理大臣で良いのかどうか”、進退をかけて信を問うと訴えたのです。


高市氏のもとで、連立のパートナーが公明党から日本維新の会に変わったことも、解散の理由に挙げました。


高市早苗 総理(19日)
「昨年(2025年)10月21日に、内閣総理大臣に就任しました。この日から、高市内閣が政権選択選挙の洗礼を受けていないことをずっと気にかけてまいりました。今や連立政権の枠組みも変わりました。だからこそ政治の側の都合ではなく、国民の皆さまの意思に正面から問いかける道を選びました」


冒頭から、およそ30分間にわたって自らの考えを話した高市氏。


その中では、ガソリン減税の実現などを総理就任3か月の成果として強調したほか、政府の支出を拡大する「積極財政」を今後も進めていく考えを示しました。


高市早苗 総理(19日)
「日本にいても、海外にいても、『働いて、働いて、働いて、働いて、働いて』まいりました。当面の対策を打つことができた、このタイミングで政策実現のためのギアをもう一段あげていきたい」


ただ財政悪化の懸念から、円安や長期金利の上昇を招いている側面も。これについて問われた高市氏は、「マーケットで決まることについてはコメントしない。投機的な動きについては注視し、必要な対応をしていく」と述べるにとどめました。


総選挙の日程について、「今月(1月)27日公示、来月(2月)8日投開票」と明かした高市氏。勝敗ラインについては…


高市早苗 総理(19日)
「私を内閣総理大臣として支えていただいている、与党で過半数を目指します。私は今回の選挙を、『自分たちで未来をつくる選挙』と名付けました。未来に責任を持つ政治を貫いていきます」


対する野党。新党「中道改革連合」を結成して戦う、立憲民主党と公明党はともに批判を強めました。


立憲民主党 野田佳彦 代表(19日)
「生活者の視点からするならば、早く国民に様々な支援が届く物価高対策が講じられる、年度内の成立をしっかり果たすことが政府の役割じゃないかと思う」
「今回の解散は、『自己保身解散』だと私は思います」


公明党 斉藤鉄夫 代表(19日)
「一刻の政治的空白が許されない。そういう中での解散について、私は疑問を持たざるを得ません」


“独自路線”で選挙に挑む、国民民主党と共産党は…


国民民主党 玉木雄一郎 代表(19日)
「解散を決めた以上は、我々戦うのみ。私たちが訴えてきた積極財政、『元祖積極財政』をしっかり訴えて、国民の所得を手取りをもっともっと増やしていきたい」


共産党 田村智子 委員長(19日)
「これほど大義もなく、国民主権を軽んじるという解散総選挙は、過去にも例がないのではないかと言わざるを得ません」


こぞって「消費減税」が争点に 各党主張の全貌

短期決戦となる今回の選挙。ここに来て注目されているのが「消費減税」です。


高市早苗 総理(19日)
「軽減税率が適用されている飲食料品については、2年間に限り消費税の対象としないこと。これは昨年(2025年)10月20日に私が署名した、自民党と日本維新の会の連立政権合意書に書いた政策でもあり、私自身の悲願でもありました」


高市氏が衆院選の公約として表明したのが「食料品の消費税ゼロ」。ただそこには「2年」という期限付きの言葉が添えられ、財源やスケジュールについては、今後設置される国民会議で実現に向け検討を加速していくとしています。


対する中道改革連合は、19日に基本政策や綱領を発表。「食料品の消費税ゼロ」を衆院選での公約の目玉としています。


公明党 西田実仁 幹事長(19日)
「恒久的に『的に』は入らなくて、『恒久ゼロ』です」


「食料品の消費税ゼロ」に期限を設けない考えで、政府系ファンドを設立するなどし、国が持つおよそ500兆円の資産を運用、財源を生み出すとしています。


立憲民主党 安住淳 幹事長(19日)
「無責任な増税とか選挙目当てではなく、インフレに困っている人たちに対する決め手になるのではと思って提案」


消費税を巡るスタンス、他の党も「減税」の主張が目立ちます。


国民、共産、れいわ、参政党は、全ての消費税に対し「5%まで下げる」「廃止」などとしています。


消費税の減税、街からは…


街の声
「ゼロになったら、かなりかなり助かるんじゃないかなって思います。私もよく料理するので、だいぶ助かる。ぜひしていただけたらと思います」


「そもそも値上げして家計も厳しいので、消費税だけでも軽減されるといいなと思う」


「ある意味、客寄せパンダのイメージになってるのかなと思いますね」


「ありがたいのですが、物価高で賃金が変わらないので、それが比例してみたいな」


「消費税うんぬんと言いますが、僕は国防に力を入れてくれるのが一番ありがたい」


「減税」の恩恵と負担 気をもむ事業者たちの声

高市氏の会見を食い入るように見つめる男性がいました。スーパーマーケットの店長です。


スーパーセルシオ和田町店 鶴田英明 店長
「減税することで、お客様の消費が活発になるのは、売り上げアップになるので期待している。ただ選挙のためのパフォーマンスでなければ良いなというところは、正直ある」


店長がそう気をもむのには、理由がありました。


というのも、2025年5月…


高市早苗氏(2025年5月)
「『国の品格』として、食料品の消費税率は0%にすべきだと申し上げた」


「国の品格」として、食料品の消費税ゼロを訴えていた高市氏。


しかし、総理就任後の2025年11月の国会では、消費税ゼロについて…


高市早苗 総理(2025年11月)
「選択肢として排除しているものではございませんが、事業者のレジシステムの改修等に一定の期間がかかるとの課題にも留意が必要だと考えている」


この時点では、食料品の消費税ゼロに慎重な姿勢を示していました。


ところが19日、食料品の消費税を0%にすることを「私自身の悲願」と強調。消費税をめぐる発言は、これまで二転三転しているのです。


もし消費税の変更となったら、スーパーではどのような対応が必要になるのでしょうか。


スーパーセルシオ和田町店 鶴田英明 店長
「これは切った肉をパックする機械なんですけど、税込み価格の表示をしている。なので、これも切り替えなくてはいけない」


こちらのスーパーでは、商品は数万点にのぼります。値札の差し替えに加え、レジシステムの改修が大きな負担となります。


スーパーセルシオ和田町店 鶴田英明 店長
「8%を0%にするというのは、言うことは簡単だが、実際作業するのは我々、店舗側の人間なので負担は大きい」
「以前、8%に消費税を上げますというときにやった作業をもう一回やるのかと。またあれをやらなければいけないんだなという気持ち」


困惑の声は、飲食店からも…


都内のステーキ店。肉を豪快に焼く店主も、気をもんでいました。


ステーキハウス「ミスターデンジャー」松永光弘 オーナー
「スーパーなどが安くなると、そちらに行ってしまう可能性ある。食品だけの消費税減税というのは、店にとってはマイナスになる」


食料品が消費税ゼロになっても、外食の消費税10%がどうなるかは言及がありません。


客足が減少するのではと不安を漏らしていました。さらに…


ステーキハウス「ミスターデンジャー」松永光弘 オーナー
「もちろん円安になれば、値段は上がるでしょうね」


店で扱うのは、アメリカ産やカナダ産などの輸入牛肉です。高市政権の積極財政への懸念から円が売られ、円安に拍車がかかった場合、仕入れ値が上がり、今後メニューの値上げに踏み切らざるを得ないと話します。


ステーキハウス「ミスターデンジャー」松永光弘 オーナー
「大赤字になって値上げしての繰り返し、ここ数年ずっと。インフレが進行する可能性が高いから、食品消費税がゼロになったところで、飲食店にとってはなにもない」


「超短期決戦」減税の財源は? 本当に主張はブレない?

藤森祥平 キャスター:
冬の解散総選挙、「超短期決戦」といえる短い期間の選挙が始まります。


19日の会見で「なぜ今なのか」と自身で発言、「高市早苗が総理大臣で良いのか、国民の皆様に決めていただく」と説明した高市総理ですが、この解散の大義、タイミングをどのようにご覧になりましたか。


星浩 スペシャルコメンテーター:
もし負けたら「進退をかける」と発言されていますが、もともと衆議院の選挙というのは政権選択選挙ですから、与党が負ければ総理大臣が退陣するというのは、ある意味で当然のこと。その当然のことを19日、高市総理は勢いをつけて発言したということです。


ただ、なぜ今なのか。予算成立が遅れて、暫定予算を出さなければいけないのに、なぜ強引にこの局面で解散するのか。そこに関する説明は今ひとつ理解できなかったので、支持率が高いうちに解散したい、ということだと思いますね。


小川彩佳 キャスター:
外交日程が詰まっていたということも理由に挙げていましたが?


星浩 スペシャルコメンテーター:
それ以前に、もし通常国会が始まると予算委員会を中心に注目されますから、例の台湾有事発言など、様々なスキャンダルを追及されることを心配したのだと思います。


藤森祥平 キャスター:
JNNの最新の世論調査によりますと、内閣支持率が78.1%とさらに上昇しています。「高市早苗が総理大臣で良いのか」という大義も含め、支持率に対する自信の表れが解散表明に表れているのかなという気がします。


星浩 スペシャルコメンテーター:
自分自身を前面に出して、それで選挙を戦うんだということですが、一方で自民党そのものの支持率はあまり高くない。実際、高市総理の名前を書くことができる選挙区は1個しかないですから、他の選挙区の有権者が自民党に投票するのか、果たしてそれで勝てるのかどうか、それはまた別問題だと思います。


藤森祥平 キャスター:
会見の発言のうち、注目されたのは消費税についての主張です。


高市総理は「食料品については、2年間に限り消費税の対象としない。設置される国民会議で、財源やスケジュールなど検討を加速する」と話し、これを「私自身の悲願」とも表現しました。


これは、Xにおける「消費税」に関する投稿の割合を示したグラフです。中道改革連合の会見を機に、週末にかけて急激に上昇しています。


小川彩佳 キャスター:
ぐっと注目度が増しているわけですが、高市総理は「悲願」だと話し、一方で総理自身がこれまで慎重な姿勢を示してきた「消費税」がなぜ突然、選挙の重要な争点に浮上しているのでしょうか。


星浩 スペシャルコメンテーター:
私は、立憲民主党の安住幹事長の仕掛けだと見ています。


立憲民主党と公明党が中道改革連合を結成し、“恒久”に食料品の消費税ゼロという基本政策を打ち出したばかりに、高市総理はおそらく16日ごろから、それに対抗する策を打たなければいけないと動き出しました。一方で、自民党と日本維新の会の連立合意という縛りがありますから、その範囲で検討を加速するということだと思います。


小川彩佳 キャスター:
急ごしらえという見方もありますが、実際に実現するのでしょうか。高市総理にはどれくらい実現させようという意思があるのでしょうか。


星浩 スペシャルコメンテーター:
これからの選挙戦での論戦にも関わってくると思いますが、少なくとも4月からの2026年度予算案には消費税をゼロにするという項目は入っていませんし、食料品を含めた消費税収が入ってくることを想定した予算ですので、2026年度の実行は不可能です。


早くても2027年度からですが、永田町用語で「検討を加速する」というのはニュートラルで、やれるかわからないというのが本音だと思います。


小川彩佳 キャスター:
ただ期待が高まってしまいますし、かつて減税に言及した後、方針がぶれて政権を失ってしまった総理もいます。


星浩 スペシャルコメンテーター:
かつての総理大臣・橋本龍太郎氏が選挙中、税金の問題で方針がぶれて、急速に求心力を失ったことがあります。今回も、高市総理の言い回しはとても中途半端ですから、これを選挙戦でどこまで野党側が追い詰めてくるか。それは注目すべき点だと思います。


藤森祥平 キャスター:
そして消費税の減税で、実際に国の税収はどれぐらい減ってしまうのか。


食料品の場合、仮に税率を1%減らした場合、税収は約6000億円が減少するという試算があります。現在の8%を全て減税となると、税収は約4.8兆円の減少に及びます。これは国の年間の教育予算に匹敵する規模感です。


ですから、財源をどうカバーするかという議論を併せることが必須です。


憶測だけで跳ね上がった長期金利…各党の消費税に関する立場は

星浩 スペシャルコメンテーター:
市場関係者が驚いたのは、高市総理が消費税の減税に言及するのではないか、という憶測だけで長期金利が跳ね上がったことです。


つまり、財源が明確でない借金を増やすということになれば、長期金利が上がり、円安にも繋がります。そうすると物価高に及ぶので、実は簡単ではないというのが、この減税の問題なんです。


藤森祥平 キャスター:
でも「検討を加速する」という高市総理の言葉は、その財源についてもこれから検討するということですよね。


星浩 スペシャルコメンテーター:
財源が丸々国債ということになれば、また長期金利が跳ね上がりますので、実はそれが最大のネックなんですね。例えば消費税は社会保障に回しています。ただ消費税を下げることによって社会保障のレベルを下げるというわけにはいかないので、非常に苦しい部分です。


藤森祥平 キャスター:
その他、各党の消費税に関する立場です。どの党も、食料品に限っては「ゼロ」、または「期間を区切る」、中道改革連合に至っては「恒久ゼロ」と主張しています。


星浩 スペシャルコメンテーター:
竹下政権下で消費税が導入された頃からずっと取材をしている者として、政治家は非常に苦しい心中で消費税の導入、引き上げを今までやってきました。


最近はあらゆる政党がポピュリズムの渦中にあって、少なくとも政党の責任として財源をはっきり示すこと、そして減税に伴って社会保障の水準は維持するのか、下げるのかを含めて議論してもらいたいです。


やはり国民として、都合のいいことばかりで票を取ろうというのは政党としての役割を果たせていないと思います。


小川彩佳 キャスター:
本当に時間がない中で、どれだけ丁寧に、具体的に財源を示していくのか。


藤森祥平 キャスター:
中道改革連合の主張する「財源は政府系ファンドで」というのは、実際にどれぐらいの安定財源になるのか、どういう手法なのか。


星浩 スペシャルコメンテーター:
やや博打の側面がありますからね。


中道改革連合の基本政策における安全保障について、存立危機事態に伴う自国防衛ならば自衛隊が出動してもいいという提言がありました。そうすると、非常に自民党と距離が近くなるもので、一方で今回の選挙は0か100かというものじゃなくて、60対40の政策の違いを有権者が見極めていく、そういう意味では新しい形の選挙になってくると思います。


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<プロフィール>
星浩さん
TBSスペシャルコメンテーター
政治記者歴30年 福島県出身


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