議論が紛糾していた、えん罪被害者を救済するための再審制度の見直し。法務省側の「3度目」となる修正案が自民党内の会合で了承され、“攻防”が決着しました。
【写真を見る】「無視している!」稲田議員が声を荒げる一幕も…話し合い重ねた自民党の部会
「言いたいことはあるが大きな前進」紛糾していた議論に終止符
自民党 稲田朋美 元政調会長
「いろいろ言いたいことはありますし、刑事司法の信頼の回復は道半ばであるが、ここで了として、大きな前進であるので、えん罪被害者の救済を早くやっていく」
えん罪被害者を救済するための「再審制度」の見直しをめぐり、自民党と法務省側で攻防が続いていました。
逮捕から58年後に「えん罪」が認められた、袴田巌さんの問題を機に始まった今回の議論。
今の制度では、地裁が裁判をやり直す「再審」の開始を決めたあと、検察が不服を申し立てる「抗告」が認められています。
高裁が「再審開始」を支持しても、検察が再び抗告すれば、最高裁が審理し改めて支持すると、再審が始まる仕組みです。
袴田さんの場合、「再審開始決定」から実際に再審が始まるまで9年を要しました。
袴田巌さんの姉・ひで子さん(5月3日 静岡・袋井市)
「巌のような犠牲をまだ作る気かと。そんな法律は即、改正していただきたい」
自民党議員と法務省側で意見対立も…3度目の修正案で了承
この法改正案をめぐっては当初――
自民党 稲田朋美 元政調会長(4月6日 自民党本部)
「ほとんどの議員が抗告禁止って言っているにもかかわらず、それを全く無視している」
検察官抗告の「全面禁止」を求める自民党議員と、「維持」を図る法務省側で意見が対立。
法務省側は7日、補助事項などを記す「付則」に抗告の“原則禁止”を盛り込んだ修正案を示しました。しかし、法律本体の「本則」への明記を求める議員側が反発していました。
そして13日夜に行われた自民党の部会で、法務省側は、抗告の原則禁止を“本則”に明記する「3度目の修正案」を示し、了承されました。
具体的には、抗告を認める本則の規定を削除し、「十分な根拠がある場合に限り、抗告することができる」という規定を新たに設けます。
自民党・司法制度調査会長 鈴木馨祐 前法務大臣
「32時間、11回にわたって、それぞれの立場から様々なご意見を頂いた。自民党らしい議論になった」
えん罪被害者「抗告できる余地あり本意でない」
40年前の福井・女子中学生殺人事件で「再審無罪」が2025年に確定した前川彰司さんは、「抗告の原則禁止」の法案について。
前川彰司さん
「我々は、えん罪犠牲者の救済を目指して『全面禁止』を訴えてきた。抗告できる余地があるので本意ではない」
政府は15日に改正案を閣議決定し、今の国会に提出する見通しです。
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