「ドイツ総選挙」での投票前の支持率は、ショルツ首相率いる与党「SPD」が14%で3位、極右政党の「AfD」が21%で2位、最大与党「CDU・CSU」は32%でトップで“政権交代”が濃厚となっていました。結果はどうなったのでしょうか。
【写真を見る】「絶対に治安がよくなります」…躍進「AfD」を支持する漠然とした理由
極右政党「AfD」なぜ躍進?
今回の選挙は事前の予測通り、最大野党の保守「キリスト教民主・社会同盟」が第1党になり、ショルツ首相の与党が敗北しました。そんな中、前回の選挙から得票率を倍増させ、第2党に躍進したのが、極右政党「AfD」でした。
AfD ワイデル共同代表
「歴史的な結果を達成した。国民政党としての立場を確かなものにした」
「AfD」は難民の受け入れを厳格化するという移民排斥を掲げています。ドイツでは物価があがり続けている中で、移民・難民政策に多額の税金が使われていることに不満を持つ人が増えていて、今回はその不満の受け皿になったんだと思います。
ただ、選挙集会で支持する理由を聞くと、どれも漠然とした答えでした。
AfD支持者
「絶対に治安がよくなります。それに、もっと年金も良くなります。労働者の税金も下がります」
「不法移民が小さい子に酷いことをしているなどと聞くと、夜に外に出るのが怖くなります」
次の首相に有力視されている第1党のメルツ氏も移民・難民対策を強化すると話していて、これまで寛容だったドイツの移民政策が見直されることになります。
トランプ政権も支持 “移民に寛容”なドイツどうなる?
南波雅俊キャスター:
ドイツ総選挙の得票率は以下のようになっています。
【ドイツ総選挙 得票率】
▼第1党 最大野党「CDU・CSU」28.52%
▼第2党 極右政党「AfD」20.8%
▼与党「SPD」16.41%
※選挙管理委員会(暫定)
第2党となった極右政党「AfD」は“移民排斥”などを掲げている点が一つの特徴です。
トランプ政権の中心人物も「AfD」を支持しています。
先月「AfD」の選挙集会でイーロン・マスク氏は「ドイツの一番の希望」と称賛しました。
また、バンス副大統領も今月、ワイデル共同代表と初外遊で会談しました。
ホラン千秋キャスター:
今回ドイツ総選挙に注目する理由はどんなところにあるのでしょうか。
TBS報道局 前外信部長 秌場聖治さん:
トランプ政権の中心人物が支持のようなものを表明しているというところです。
ドイツではナチスの過去があるのでヘイトスピーチのようなものに対してかなり強く取り締まってきました。ただ、マスク氏などは「言論の自由の制限」と批判というか攻撃に近い言い方をしています。
「AfD」は連立に入らないことになっていて、ドイツでは極右とは連立・協力できないという共通認識がありますが、一方で今回「AfD」に投票した20.6%の人の不満は無視できないものがあります。
無視してしまえば、次の政権も次の選挙ではだいぶ得票率を詰められるのではないかとみています。
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<プロフィール>
秌場聖治
TBS報道局 前外信部長
ウクライナ侵攻や欧州の右派政党を現地取材
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