イスラエルによる連日の攻撃が続くパレスチナ自治区ガザ。多くの住民が飢餓に直面するなか、アメリカの支援のもと、食料などを配布する団体に疑念の目が向けられています。
【写真で見る】「飢え死にする、戦争を止めて」約3か月ぶりの配給に並ぶ小さな子どもの姿
「血を売ってでも食べさせたい」 200万人が“飢餓”のガザ 3か月ぶり配給も発砲
小高い丘に向かい走る人々やフェンスをよじ登る人の姿も。人々が必死になって手に入れられたのは…
地元の人
「撮って!撮って!」
「たったこれだけだ!」
着ている服に収まる程度の食料でした。
地元の人
「子どもたちに、『父さん(ご飯が)食べたいよ』と言われたんだ。血を売ってでも食べさせたい」
「このままでは飢え死にする。戦争を止めてくれ」
パレスチナ自治区ガザでは現在、人口の200万人余りが飢餓状態にあるといいます。そんな中、約3か月ぶりに行われた支援物資の配給ですが、AP通信によれば、大半の人が手ぶらで帰っていったそうです。
さらに、配給場所には空からも発砲音が響き渡ります。
地元の人
「人々が物資に殺到して何も取れなかった。銃撃があったので逃げました」
イスラエル軍は事態を制圧するための警告射撃だったと説明していますが、ガザ当局によると少なくとも3人が死亡、46人がけがをしました。
今回配給を行ったのは「ガザ人道財団」。ガザの占領と封鎖を続けるイスラエル政府の関与のもと、アメリカの主導で設立された団体です。
ただ、その配給方法を巡り、国連から非難の声が上がっているのです。
国連の救済機関トップが指摘 ガザでの配給「強制移住の手段」
UNRWA(国連パレスチナ難民救済事業機関) ラザリーニ事務局長
「きのう目にしたのは本当にひどく混乱し、人間としての尊厳すら踏みにじられるような光景でした。人々は炎天下に何時間も並んだ末に、食料が足りないと思い知ることになったのです」
ラザリーニ事務局長が指摘したのは、配給がガザとエジプトの境界にある街「ラファ」で行われたという点です。
ラザリーニ事務局長
「(南北に広がるガザで)『配給拠点』が南部のみにあるということは、北部や中部の人々を南に移動させようとしているわけです。つまり、それは強制移住の手段ということです」
「先週あるイスラエル当局者が『この軍事作戦の目的はガザの全住民を南部に移動させることだ』と発言しました。これ(ガザ人同財団の援助)はまさに、その目的に沿った形で人々を強制的に移住させる仕組みになっているのです」
今のガザでは、連日多くの命が奪われています。
【ガザでの死者】
25日:38人
26日:79人
27日:28人
(パレスチナ保健当局発表)
23ジャーナリスト 須賀川拓さん
「あまりにも単純な質問なのですが、なぜ私たちあるいは世界はイスラエルを止められないのでしょうか?」
ラザリーニ事務局長
「各国が自分たちの持つ影響力を本気で使おうとしていないからだと思います。いくつかの影響力がある国なら使える手段はあるはず。でも誰も使っていません」
「友好国にとって、一線を越えたイスラエルを組織的に封じるメリットはあるはずです。これはイスラエル自身にとってもです」
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