
チベット仏教の最高指導者、ダライ・ラマ14世は6日の90歳の誕生日を前に、後継者選びについて注目すべき発言をしました。キーワードは「輪廻転生」、生まれ変わりです。
ダライ・ラマ14世 後継選び “干渉認めない”…中国は
14年前、チベット仏教の最高指導者、ダライ・ラマ14世は東日本大震災の被災地を訪れていました。
ダライ・ラマ14世
「いまは落胆して憂うだけの時ではありません。いまこそ世界に日本人の能力と可能性を示していただきたい」
7月6日、90歳の誕生日を迎えたダライ・ラマ。それに先立ち、2日、中国との関係で注目されていた後継者問題についてこんな決意を示しました。
ダライ・ラマ14世
「ダライ・ラマ法王庁だけに転生(生まれ変わり)を認定する権限があり、他者の干渉を認めません」
「自分たちで決める」という強い主張。
その背景には、中国によるチベット支配の歴史がありました。
宗教と政治の両面で歴代ダライ・ラマを頂点とした統治が行われていたチベット。
そのチベットに中国共産党軍が侵攻し、併合したのは1951年。抵抗は続きましたが、1959年にはダライ・ラマ14世がインドへの亡命を余儀なくされたのです。
亡命したダライ・ラマは世界の指導者たちと対話を重ねて、非暴力を貫きながらチベットの解放を訴え続け、1989年にはノーベル平和賞を受賞しました。
ダライ・ラマ14世(2010年)
「私には少数民族・チベットを代表して語る道義的責任がある。チベット問題は世界平和への大きな課題だ」
一方、チベットの支配を確立したい中国政府は、ダライ・ラマ14世を“分裂主義者”などとして敵視し続けてきました。
そして、今回の後継者問題。ダライ・ラマが強く警戒するのは、中国政府の介入を受けた過去があるからです。
それはチベット仏教ナンバー2の後継者選びの時のことでした。
ダライ・ラマ14世「自由世界で誕生する」 中国政府の介入を拒む
顔に金粉が塗られミイラとなったのは、チベット仏教でダライ・ラマに次ぐ地位にあるパンチェン・ラマ10世。その死から4年後に行われた葬儀の様子です。
そして、パンチェン・ラマの死後に行われたのが、チベット仏教の「輪廻転生」の教えに基づく後継者の認定です。
湖の水面に現れる兆候などから場所を特定して“生まれ変わり”の少年を探し出し、先代の所持品を選べるかなどのテストを重ねた上でダライ・ラマが、チベットにいた6歳の少年をパンチェン・ラマ11世として認定したのです。
ところが、中国政府はこれを認めず、独自に別の少年を擁立。ダライ・ラマが認定した少年は、消息不明となり、チベット亡命政府側は中国政府に拉致されたとみているのです。
6月、習近平国家主席は、中国側が認定したパンチェン・ラマ11世と会談。
ダライ・ラマ14世の後継者選びへのけん制とみられます。これに対し、今回、ダライ・ラマは...
ダライ・ラマ14世
「ダライ・ラマの『輪廻転生』の継続が必要だと皆さんの希望により決まりました」
自身の死後に生まれ変わる後継者について、「自由世界で誕生する」としていて、中国政府の介入を拒む考えですが…
中国外務省 毛寧報道官
「ダライ・ラマの後継者は、中国国内でみつかり、クジによって選ばれ、中国政府の承認が必要だ」
一体誰が、次のダライ・ラマ15世となるのか、世界の耳目を集めることになりそうです。
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