
トランプ大統領肝いりの停戦合意が発効し、ハマスが拘束していた人質が全員解放されました。一方、ハマスは新たに戦闘員を配備するなど、停戦が維持されるのか懸念も出てきています。
イスラエルとパレスチナ、それぞれの「解放」の日
13日の朝、イスラエルの最大都市・テルアビブのビーチに現れたのは、トランプ大統領の横顔と「THANK YOU」の文字。
この日、ハマスによってガザに拉致されていた人質全員の解放が始まりました。2年ぶりに家族や友人との再会を果たす人質たち。
ゆっくりとした足取りで歩くのは、音楽フェスに参加していたところ、ハマスに拉致されたイブヤタル・ダビッドさん。2025年8月に、やせ細り憔悴しきった姿で、地下トンネルに監禁されている様子をハマスが公開していた人物です。
この日、一緒に拉致され、同時に解放された幼馴染との再会を果たしました。生存していた人質20人全員が故郷に戻りました。
一方、歓喜の声はパレスチナ側でも…
イスラエルが拘束していたパレスチナ人、約2000人が解放されたのです。
シャディ・シドさんの妻(13日)
「シャディ、愛しい人」
妻と子どもを抱きしめるのは、2024年3月にガザ市のシファ病院で、イスラエル軍に拘束されたフォトジャーナリストのシャディ・シドさんです。
“パレスチナ機関の記者”だという理由だけで連行され、拘束中には「お前の子どもは殺した」と言われるなど、精神的・肉体的な拷問を受けていたといいます。
ガザ情勢の転換点となった、今回の停戦合意。主導したのはこの人でした。
トランプ大統領(13日)
「ピース、ピース。私たちは平和がほしいんだ」
「中東に平和が訪れた」トランプ氏肝いりの停戦合意も懸念残る
エジプトで開かれたガザ和平会議。「PEACE 2025」の大きなパネルの前で首脳たちを出迎えるのは、ホスト国のトップではなく、アメリカのトランプ大統領。集まった世界の指導者は実に20人以上に上ります。
トランプ大統領(13日)
「ついに中東に平和が訪れた。中東の平和とはシンプルな言葉だが、長年誰も実現するとは思ってこなかった。それが今、現実のものとなった」
トランプ氏、肝いりの停戦合意。その裏側には長女・イバンカ氏の夫、クシュナー元大統領上級顧問の働きがあったといいます。
アメリカメディア・アクシオスによると、クシュナー氏は、ウィットコフ中東担当特使とともに、エジプトでハマスの幹部と直接会談。「合意の履行はトランプ氏が保証する」と伝え、ハマスの同意を取り付けたといいます。
トランプ大統領(13日)
「新しく美しい日の出が見えるのは素晴らしい。これからは復興が始まるのだ」
明るい見通しを語ったトランプ大統領ですが、ガザでは停戦発効後も、イスラエルによる散発的な攻撃は続いていて、ガザの住民少なくとも27人が死亡。
さらに、人質の遺体返還をめぐっても、ハマス側は「がれきの下に埋もれていて、収容には特殊な機材が必要」としていますが、イスラエル側は「合意違反」だと主張し、攻撃再開をちらつかせています。
さらに人質の遺体がすべて返還されても、「ハマスの武装解除」という次の段階に進めるのかは依然不透明。イスラエル軍が撤退した地域では、ハマスは7000人の戦闘員を配置し、治安の維持などにあたらせているといいます。
また、イスラエルに協力した「裏切り者」を処刑する動画を公開するなど、影響力を誇示しているのです。
武装解除についてハマスの幹部は...
ハマス政治部門幹部 ナザル氏(15日)
「(Q.武装解除はするのか?イエスかノーか?)イエスかノーかでは答えられない。それは(武装解除)計画の内容による」
停戦は維持されるのかどうか、まだまだ見通しの立たない状況が続きそうです。
・【全文公開】“ラブホテル密会” 小川晶・前橋市長の謝罪会見【前編】「最初にホテルへ誘ったのはどちらから?」記者と小川晶市長の一問一答(9月24日夜)
・見つかった娘(14)の遺体には「身を守れ」と父が願い伝えた“長袖・長ズボン”「1羽じゃかわいそう」中3・喜三翼音さんが家族に残した“生きた証”
・「あんな微罪で死ぬことはないだろう…」逮捕直前にホテルで命を絶った新井将敬 衆院議員「この場に帰って来れないかもしれないけども、最後の言葉に嘘はありませんから」【平成事件史の舞台裏(28)】