
ロシアによるウクライナへの軍事侵攻から24日で4年となりました。戦闘の終結は見通せず、激戦地からの避難は、いまなお続いています。救助活動の最前線の記録です。
ウクライナ侵攻4年 避難者「何もかも捨ててきた」
軍事侵攻が始まってから、24日で丸4年。
国連によると、ウクライナの民間人の死者は1万5000人を超えました。
翻弄される市民にとって、この4年とは何だったのか。避難を余儀なくされた人々の証言から、“戦場と化した故郷”の惨状が見えてきました。
ウクライナ東部・ドンバス地方。ドネツク州とルハンシク州を合わせた地方で、ロシアによる全面侵攻の“主戦場”となっています。
私たちは、その激戦地の住民救助にあたる民間ボランティアに同行しました。
記者
「東部のパブログラードという街に入りました。前線から約60㎞の場所です。こちらは、ドンバス地方から避難する人々の拠点の一つとなっているような街です」
到着したのは、東部の街・パブログラードにある一時避難所です。集まった避難者はこの日だけでも140人。着の身着のまま逃れ、身分証明書のない人もいます。
記者
「避難してきた方々が自分の名前などを登録して、どんな支援が必要か、どこに移住できるのか、そうした相談をしています」
この女性は侵攻直後に東部・ドネツク州の自宅が攻撃に遭いました。
ドネツク州から避難 ナタリアさん
「あらゆる兵器が飛び交っていた。ドローンが頭上を飛んでいるので、水を汲みに外へ出ることさえできなかった」
転々としながら続けた避難生活は、危険と隣り合わせでした。
ナタリアさん
「もう言葉では言い表せない。みんな家も何もかも捨ててきている。子どもの命を守るために」
ロシアは現在、ドンバス地方の約8割を占領したとされ、戦闘終結の条件としてこの領土をロシア側に譲るよう求めています。
一方、ウクライナのゼレンスキー大統領はこれを拒否。
アメリカが仲介する和平協議が続いていますが、話し合いは平行線を辿っていて落としどころは見つかっていません。
遠のく故郷への帰還 “支援の手”も届かず
記者
「今まさにドンバスの方からの避難者を乗せた救助の車が到着しました」
担架に横たわっていたのは、ドネツク州に50年間住んでいた85歳のバレンティナさん。
ドネツク州から避難 バレンティナさん(85)
「故郷は今、おそろしく危険。戦場になってしまった」
バレンティナさんは足が不自由で戦火が迫る中での生活は、“もう限界だった”といいます。
バレンティナさん
「今は水も電気もガスも暖房もない。何よりも悲惨なのは、暖房がないこと」
絶え間なく続く「停電」や「断水」。
侵攻開始以来、約10万人を救助してきた団体は「この冬、避難を決断した人は少なくない」と語ります。
East SOS広報 オクサナさん
「状況は年々悪化し続けている。それでもなお『まだ大丈夫。2022年と同じペースで続けられる』という考えを私たちは持ち続けている。しかし実際は違う。私たちは疲れている。国家として疲弊している」
この4年でドローン兵器などが発達したことで、救助活動の危険性が高まり、今後は“救えない地域”が増えていくと指摘します。
オクサナさん
「2022年から2023年にかけては、最前線から1〜2㎞の場所で活動できた。しかし今は、20㎞圏内全域が危険地帯で、ドローン攻撃の脅威にさらされている。支援団体にとって、もはや多くのエリアがアクセス不可能になっている」
半日がかりで救助されたバレンティナさん。“故郷に戻れる日は来ない”と悟っています。
バレンティナさん
「故郷は緑溢れる街だったが、今は半分が焼け焦げてしまった。これが戦争」
和平協議の最大の争点ともいえる、ドンバス地方をめぐる領土問題。
そこに暮らしていた人々の故郷と日常は、今も奪われたままです。
今も続く攻撃 市民の心境に変化は?
ロンドン支局 城島未来 記者:
キーウ郊外にある住宅地です。私が立っている場所は22日、ロシアによるミサイル攻撃に遭いました。屋根や壁が吹き飛んでしまって粉々に崩れ落ちています。部屋の中が見えるほどです。外壁も火事が起きたため、黒く焼け焦げています。
ここは前線からは遠く離れた場所で閑静な住宅地ですが、こうした市民が暮らす普通の場所も毎日のように攻撃にさらされています。
全面侵攻後、ウクライナの民間人の死者は1万5000人を超えたと言われています。
小川彩佳キャスター:
侵攻から4年が経ちますが、市民の皆さんの心境にはどんな変化が生まれているのでしょうか。
城島記者:
ウクライナの人々は、絶え間ない攻撃に加え、危機的な電力不足による停電、記録的な寒さにより、侵攻が始まって以来、最も厳しい冬を迎えていると話しています。
故郷を捨てて避難せざるを得なかった人々も含め、ウクライナの人々にとってこの4年間は喪失と破壊の連続でした。
取材をする中で、戦争から5年目に入り、これまで何とか耐え続けてきたウクライナの人の心がだんだんと限界を迎えているように感じます。
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