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【アメリカ中間選挙】「勝つため何でもする」トランプ氏の奇策“ゲリマンダー”とは?政治家が有権者を選ぶ異例の事態【news23】

海外
2026-10-23 12:30

来月3日に迫ったアメリカ中間選挙。大接戦が続くなか、トランプ氏が繰り出した次の一手、「ゲリマンダー」に有権者から不満の声が…。一体、何が?


【写真を見る】議席数が一瞬で逆転?民主主義の根幹を揺るがす“ゲリマンダー”とは


支持率低迷のトランプ氏 相次ぐヤジに苛立ち

会場に詰めかけた支持者を前に登場したのはトランプ大統領。


21日、やってきたのは、共和党の牙城とされる南部サウスカロライナ州です。


トランプ大統領
「サウスカロライナの皆さん、ご挨拶を。サウスカロライナは大好きだ」


しかし演説中、抗議の声が…


トランプ大統領
「カネで雇われた抗議者なんて信じられない。勝つためなら何でもする。250ドルで人生を台無しにするのか」


ただ抗議の声は、これだけに収まりません。


その度に演説は中断。スタッフが抗議者を退席させる場面が何度も見られました。


トランプ大統領
「あいつらはクレイジーだ」


中間選挙を前に支持率が低迷しているトランプ氏。共和党の牙城でも苦戦が続いています。


「区割りを変えれば議席が増える」選挙を蝕む“怪物”ゲリマンダーとは

勝つためになりふり構わぬトランプ氏が、この選挙戦で放った「一手」があります。


それが「ゲリマンダー」。特定の政党が有利になるよう恣意的に選挙の区割りを引き直すことを指します。


19世紀初頭、マサチューセッツ州の知事だったゲリー氏が、自らの政党に有利になるよう選挙区を再編。


いびつな形が伝説上の怪物「サラマンダー」のようだと地元紙が揶揄したことが言葉の由来となっています。


「ゲリマンダー」のからくりはこうです。


例えばある州の中心部に青の「民主党支持者」、郊外に赤の「共和党支持者」が多く住んでいると仮定します。


この州を5つの選挙区に分ける場合、縦に分割すると両端の2つは共和党、真ん中3つは民主党が議席を獲得します。


ところが、区割りをこのように変えると、共和党が4議席をとり、議席数は逆転します。


アメリカでは選挙の区割りは通常、10年ごとの国勢調査を踏まえ、人口の変化に応じ、見直されてきました。


しかし…


トランプ大統領(2025年7月)
「選挙区をちょっと変えるだけで(テキサス州では)5議席増える。ほかの州ももっと議席を獲得できるはずだ」


トランプ氏が2025年、「区割りを変えればもっと議席がとれる」と発言したのをきっかけに国勢調査を待たず、複数の州で区割りを見直す動きが広がっていったのです。


民主党の拠点を狙い撃ち…「ゲリマンダーは民主主義にとって有害」

テネシー州の民主党候補、ジャスティン・ピアソン氏。


7割が民主党を支持する都市メンフィスを地盤に活動してきましたが、テネシー州では9つの選挙区のうち唯一民主党が議席を守っていたメンフィスを中心とする選挙区が3つに分割され、州内全てで共和党が優勢となっているのです。


民主党 ピアソン候補
「ゲリマンダーはひどいものです」


この日、集会を行ったのは、新たに選挙区に組み込まれた郊外の町・コロンビア。ここは長年、共和党が強く、白人が多い農村部で、集会場は空席が目立ちます。  


民主党 ピアソン候補
「白人が多い選挙区なら、黒人の候補が選ばれないと思っているのでしょう。ゲリマンダーは民主主義にとって有害」


こうした状況にテネシー州の有権者は…


テネシー州の有権者
「黒人の有権者が選挙に参加し、声を届けるのを妨げることを意図した政策だと思う」
「スポーツであれ何であれ、フェアではないことを好む人はいません。不公平な状況をさらに加速させるだけです」


政治家が有権者を選ぶ?問われる選挙の公平性

小川彩佳キャスター:
今回の選挙では、トランプ大統領自らが選挙区の区割り見直しを主張したことで、波紋が広がっています。本来、選挙とは国民が自らの代弁者を選ぶ場であるはずですが、これでは政治家が自分たちに都合の良い有権者を選び取っていると言わざるを得ません。


小説家 真山仁さん:
まさに本末転倒ですね。本来の選挙区設定は、地域内のさまざまな意見を汲み取り、「この地区の多数意見を代表する人物を選出する」というプロセスに基づくはずです。それを選挙で勝つためだけに区割りを書き換えようとしています。


日本でも人口動態に応じた「一票の格差」是正のために選挙区が見直されますが、今回の事態を見ていると、「違法でないなら日本でも同様の手法を使ってよいのではないか」という前例になりかねないと感じます。


そういう意味では、他人事のように見るのではなく、「もし日本で同じことが起きたら」という意識で注目しなければなりません。「ここまでして勝たなければならない選挙とは一体何なのか」ということは考えたいですね。


小川彩佳キャスター:
そういった意識を社会全体でどのように共有していくかですね。


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