コメ価格の高止まりが続き、備蓄米の放出に「値下がり」の期待がかかるなか、外食チェーンではコメを確保するため新たな動きが出てきています。
早ければ3月中には店頭へ “備蓄米”表記の決まりなし
小笠原亘キャスター:
備蓄米の放出に向けた入札で、大手外食チェーンなどはどのように考えているのでしょうか。
15万トンの備蓄米の入札が3月10日から始まりました。青森県産「まっしぐら」や宮城県産「ひとめぼれ」など、41銘柄が入っているということです。
平均落札価格などを今週中に公表予定ですが、「どこが」ということは公表しないようです。
来週には落札業者に引き渡し予定で、早ければ3月中には店頭に並ぶ見込みですが、“備蓄米”なのかの表記の決まりはないということです。
【コメ スーパーでの販売価格】
2024年2月26日~3月3日…2030円
2025年2月24日~3月2日…3952円
※平均価格 農水省HPより
農水省が発表している『スーパーでの販売価格』のデータでは、1年間で約2倍まで値段が上がってきているという状況になっています。
消費者も大変ですが、商売をする側も大変な状況になっているそうです。
「セブンーイレブン」では、1月27日以降、おにぎりで最大28円、お弁当などでは最大で60円上がっています。
「矢場とん」では、『ご飯のおかわり』が無料でしたが、2月1日から有料になりました。
「テーブルマーク」では、4月1日納品分より『パックごはん』全22品で、約11%~36%の値上げが行われるということです。
価格上昇も生産者「これでようやく利益が…」
ホラン千秋キャスター:
生産者の皆さんが製造する上で、上がっているコスト部分ももちろんあると思います。
その分の値上げを加味したとしても、「値上げ」「品薄状態」について、生産者の皆さんはどうみているのでしょうか。
オンライン直売所「食べチョク」秋元里奈 代表:
生産者の方は、買い取り価格が上がっていますし、価格上昇の主な原因になっている他の業者による買い占めも起きている。
それはJAなどで取引されている金額よりも、かなり高い金額で買っていただくというのがあるので、生産者からは「これでようやく利益が出るようになりました」という声を聞きます。
ただ、すごく利益が出ているわけではなく、もともと非常に儲かりづらい作物なんです。赤字が当たり前くらいだったので、8月くらいにようやく損も得もしないようになると言われていたのが少し上がって、「ようやく利益が出るようになった」と聞いています。
ホランキャスター:
今くらいの値段がないと、儲けは出ないんですね。
「食べチョク」秋元 代表:
ただ、今は少し高すぎるかなとは思います。もともとが安すぎたということもありますが、現状はそれ以上に上がっていると感じます。今回の備蓄米の放出や農政側の対応によって、少し価格を下げていく必要があると思います。
井上貴博キャスター:
政府は今まで生産調整してきました。
これからは、生産できる農家にはもっと作ってもらい、補助金を出して、余った分は輸出するなどといった形をとった方が、生産者にとっても、消費者にとっても良いと思います。JAは輸出に後ろ向きな考えがあったりするのでしょうか。
「食べチョク」秋元 代表:
そんなことはないと思います。農業において輸出は、非常に大きな戦略の一つになっています。どちらかというと、積極的にやっていこうというスタンスです。
2、3年前はコメが余って大変という状況で、コメを作っている農家に、家畜のエサ用の飼料用米に転換してもらったりしていました。
この1年くらいで、状況が大きく変わってしまいました。今後は、生産をしっかりやっていこうという雰囲気になってくると思います。そうなってくれば、流通は安定してくると思います。
これから、作付けがあるので農家の皆さんにしっかり作っていただくのは必要になります。他に気候変動の影響も大きいので、その対応も必要だと思います。
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<プロフィール>
秋元里奈さん
オンライン直売所「食べチョク」代表 34歳
神奈川の農家に生まれる
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