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高校の「TikTok部」がアツい!大手企業が高校生に「動画制作」を依頼するワケは?【THE TIME,】

経済
2025-03-20 08:00

部活動として「TikTok」の動画を作る学校が増えています。中には、企業や自衛隊からPR動画の制作を依頼されるケースも。


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廃校の危機を救った「TikTok部」

「3、2、1」の掛け声で、校舎前に並んだ女子生徒たちがおじぎをして、左右に分かれてフレームアウト。


スマホを片手に動画を撮影しているのは、福岡女子商業高校(福岡・那珂川市)のTikTok部(キカクブ)の生徒たち。
企画から撮影、編集、投稿とすべて自分たちで行い、<トイレは女子の休息地><テスト前の勉強あるある>など、日々の学校生活や魅力を発信しています。


2021年に活動を開始すると、学校には“ある変化”が!
TikTokで学校の認知度がアップし、年々減少していた入学者数の増加につながったといいます。


青森県立鰺ヶ沢高校(鯵ヶ沢町)でも、入学者の低迷で「廃校の危機にあったが、TikTok部の創設後は人数が増加している」(藤田明彦校長)とのこと。
実際に、TikTokを見て入学を決めたという1年生男子は、「日常感のある動画がたくさん投稿されていたので、高校の学校生活がイメージしやすかった」と話します。他にも…


1年女子:
「先輩といったら“怖い”と思っていたけど、流行りの『ひき肉です』という動画を見て、優しそうだなって思った」


そもそも、『ひき肉です』というのは、中学生YouTuberグループのメンバーが「ひき肉です!」と勢いよく両手を広げて挨拶する動画で、SNSで大バズりしたもの。


そのフレーズとポーズでTikTok部員たちが踊る動画を配信した2年生は、入学人数が増えたことに「どうにかして学校を続けたいという思いがあって、それが繋がって嬉しい」と笑顔です。


企業や自衛隊から“コラボ発注”も

2022年に結成した四條畷学園高校(大阪・大東市)のTikTok部には、なんと企業からも動画制作の依頼が!これまでに企業案件の動画を40本ほど作ったといいます。


地元企業のPR動画では、女子高生ならではの目線で、オフィスに女優ライトがあるところに注目。


自衛隊から「採用に向けた動画」の相談を受けると、<アリかも!?自衛隊!!>のタイトルで、基地内で隊員と食事をしたり、UNOで遊ぶ52秒の動画を作成。
自衛隊は衣食住が確保され貯金しやすいことや、定時で帰れて自分の時間を作れることに着目してアピールしたのです。


特に影響をもたらしたのが地元の消防署。
TikTok部のメンバーと消防隊員が出演するドラマ風のものや、イケメン隊員にスポットをあてたものなど様々な動画がSNSに投稿されると、隊員募集にも変化が!
なんと、2024年度の受験者32人のうち約半分が「SNSを見て受験を決めた」というのです。


『大東四條畷消防本部』山元 淳さん:
「我々だと、どうしても投稿内容が硬くなってしまうけど、生徒さんたちは『消防士ってかっこいいよね』みたいな、そういう視点もあるんやなと。すごく驚きでした」


あえて高校生に「動画を発注する」ワケ

3月は『カゴメ』や直木賞作家・今村翔吾さんとのコラボ動画など、案件が殺到中という四條畷学園高校のTikTok部。


<バスガイドの魅力が伝わるような動画を作って欲しい>という『帝産観光バス』からの依頼についてのアイデア出しでは、「ごはんとか、いつ食べてんねんやろ?」から始まり、「ガイドさんはアドリブ?」「何か国語を話せるか」など、部員から様々な発想が飛び交います。


そもそも、バス会社が動画を依頼した背景にあるのは「バスガイド不足」。応募者は年々減り、営業所によっては採用が1人だけの年もあるといいます。そんな中、あえて高校生に相談したワケは…。


『帝産観光バス』京都支店 菅 翔平さん:
「ガイドさんは高校卒業の方、大学、専門卒業の方がターゲットになるので、感性の近い高校生のほうが、魅力を発信できるのではと考えた」


「将来に生かせる」部員たちの学び

SNSを見て育ってきただけに、部員たちは細部までこだわり、炎上しないよう配慮もしています。


撮影のシミュレーションでは、バスガイド役の女子部員が「みなさん、右手を見て!」と口にすると、他の部員から「『ご覧ください』とかそういう言葉遣いは要るんじゃないか」との意見が。
言葉遣い一つでも検討を重ねる部員たちは、こうした経験が自身の成長にもつながると話します。


『四條畷学園高校』TikTok部 1年女子:
「会社に行ったらマナーとか言葉遣いとかは気を付けないとなっていう意識にも繋がっていると感じている」


1年女子:
「知識が増えるし、経験やから将来に生かせる」


徐々に増えつつある高校のTikTok部。可能性は、まだまだ広がりそうです。


(THE TIME,2025年3月13日放送より)


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