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不漁続く「サンマ」漁獲枠を削減へ? サバ、イカ、サケなども漁獲量が減少 専門家「気候変動により…」【Nスタ解説】

経済
2025-03-24 21:15

長い間不漁が続いているサンマの資源管理を話し合う国際会議が24日から始まりました。資源回復のために、漁獲枠を去年より削減する案を中心に議論が進む見通しです。


【写真で見る】魚屋に聞いた「春におススメの魚と食べ方」


サンマ漁獲枠10%削減へ 資源回復に向け

斎藤慎太郎キャスター:
24日、水産資源の回復に向け、サンマの資源管理を話し合う国際会議『北太平洋漁業委員会』が大阪市で始まりました。

今年の漁獲枠を去年から10%削減し、20万2500トンとする案を中心に議論されるということです。


日本のサンマの漁獲量は2008年に約35.5万トンを記録して以降、徐々に減少し、2024年は約3.9万トンとなっています。
※NPFCへの各国等の報告(~2023年)・全国さんま棒受網漁業協同組合(2024年)

サンマ不漁の背景について、国内外の漁業に詳しい東京大学大学院の八木信行教授は「海水温上昇で潮の流れが変わり、サンマが日本に近づかなくなった」としています。


井上貴博キャスター:
サンマの量は減少していますが、需要は世界的に高まっているようですね。


パナソニック社外取締役 ハロルド・ジョージ・メイさん:
我々は少し思考を変えないといけないと思います。

2008年と比べて(漁獲量が)約90%減少しています。今回の会議では10%減らすことを議論しているそうですが、どこか“ポーズ”のような部分があります。

消費者としては逆に(地球温暖化なので)サンマに変わる魚を食べるというのもいいのかもしれません。


ホラン千秋キャスター:
「海の豊かさを守ろう」という国際的な目標があることを考えると、仕方のないことかもしれません。日本だけではなく色々な国の食文化も変わっていきそうですね。


サンマ以外も漁獲量減 なぜ漁獲量減に?

斎藤キャスター:
農林水産省によりますと、漁獲量が落ち込んでいるのはサンマだけではないということです。

【漁獲量減少 2015年と比べ…】
・サバ類:26.1万トン→半分以下
・カツオ:15.3万トン→約4割減
・スルメイカ:2万トン→8割以上減る
・サケ類:6万トン→半分以下
(2023年の漁獲量 農林水産省より)


これら漁獲量の減少について、東京大学大学院の八木教授は「気候変動により海の環境が変わり、エサが少なく、稚魚も育たない」とみています。

このような中、各国が競って魚をとるため、資源量が減少しているのが現状のようです。


「あのサバが食べたい!」の声も サバ漁獲量減でホテル休業

斎藤キャスター:
サバの漁獲量減少は、意外なところにも影響が広がっています。

“サバの町”といわれている青森県の「八戸ニューシティホテル」では、看板メニューであり、各地の催事でも人気の「虎鯖棒すし」が提供できなくなり、ホテルが休業に追い込まれてしまったということです。

八戸ニューシティホテルの谷口幸博代表は「八戸港の特に脂の乗ったサバでしか作れないため休業せざるを得なかった」といいます。

お客さんからは「あのサバが食べたい!!いつ売りますか?」という声もあるそうですが、再開の目途は立っていないということです。


サケの漁獲量減少で…祭りも中止に

斎藤キャスター:
サケの漁獲量減少を受け、つかみ捕りが名物となっている新潟県柏崎市の『さけ豊漁まつり』もピンチになっているといいます。

サケの遡上数が少なく、2023年、2024年と2年連続で『さけ豊漁まつり』が中止となり、2025年の開催は未定だということです。

このようなサケのイベントは北海道・北斗市と別海町でも中止になっているということです。


井上キャスター:
サケがとれないなら他の魚にすればいいと思ってしまいますが、漁業の場合、流通体系が組めてないので難しい部分もあるでしょう。

加工工場もサケ専用になっているので、他の魚にした場合、機械などを変えなければならないのでコストがかかるという問題があるようですね。


パナソニック社外取締役 ハロルド・ジョージ・メイさん:
相手が自然なので、(漁獲量の減少などは)仕方がない部分もあるように感じます。

マーケティングの力で、サケに代わる新たな観光名物や新メニューを作るなど、自然に合わせることが大事なのではないでしょうか。


春のオススメは「ブリ」と「鯛」今年のブリは豊漁に

斎藤キャスター:
魚河岸  中與商店 武蔵小山店の店長によると、春のオススメは「ブリ」と「鯛」だといいます。

春のブリは豊漁でお買い得、切り身は去年(2024年)より100円安い270円。脂のりがよく煮つけや塩焼きが美味しいということです。

桜鯛は今が旬で価格が安定(1尾2570円)しているそうです。産卵前で栄養を蓄えていて、刺身やカルパッチョが美味しいということです。


井上キャスター:
その年によって状況は変わりますので、臨機応変に対応したいですね。


パナソニック社外取締役 ハロルド・ジョージ・メイさん:
日本には刺身や塩焼き、照り焼きなど色々な食べ方があるので楽しみながら工夫をしたいですね。


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<プロフィール>
ハロルド・ジョージ・メイさん
日本コカ・コーラ副社長やタカラトミー社長などを歴任
現在パナソニック社外取締役 アース製薬社外取締役など


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