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“物価高対策”おこめ券「配る?」「配らない?」現金給付の自治体も 「全部今年のコメ」倉庫に大量の新米…なぜ?【news23】

経済
2025-12-23 13:03

家計を直撃しているコメ価格。高止まりのまま“物価高対策”として「おこめ券」の配布を始めた自治体もある一方で、現金給付などを選ぶ自治体も。


【写真を見る】倉庫にある新米の在庫、コメの卸と小売りを行う企業


コメ価格 高止まりのまま年越しへ

食材選びで賑わう、師走のスーパー。聞こえてきたのは物価高にあえぐ声です。


70代女性
「物価が本当に高いので、できるだけあっちこっち行って、安いの買ってるんですけど」


80代男性
「(Qお米の価格どうですか)ちょっとね、高いような気もしてる」


12月14日までの1週間に全国のスーパーで販売されたコメ5キロあたりの平均価格は4331円。11月下旬に記録した「最高値」にあと4円まで迫っています。


こうした物価高対策として政府が自治体に活用を促しているのが「おこめ券」です。


埼玉県・吉見町では、12月22日、配布作業が始まりました。町民1人に対して440円を7枚、計3080円分を年内に届ける考えです。
  
国の経済対策で交付されるお金について、今回は「おこめ券」を選ばない自治体も目立ちます。


新潟市 中原八一 市長
「市民一人当たり現金3000円を支給することを考えています」


新潟市は事業者への手数料がかかることや、農家から直接米を調達する人もいる現状を踏まえ、現金給付を選択。


広島市は1人当たり5000円分のプレミアムがついた商品券を検討しているほか、富山県は半数以上の自治体が「おこめ券」は見送る方針。福島県いわき市は「おこめ券」ではなく子育て応援手当への上乗せなどに交付金を充てる考えを示しています。


揺れ動く「おこめ券」の配布。そもそも、新米が流通すれば価格が落ち着くと言われていました。


なぜ?倉庫に新米の在庫「高く仕入れたので安く出せない」

宮城県にあるコメの卸と小売りを行う企業。去年の品薄を経験し、新米を多く買い付けました。


宮城商事 佐々木理恵さん
「全部今年のコメです。新米です」


倉庫にあるのは、新米の在庫です。この夏「集荷競争」が起き、仕入れ値が高騰。それがネックになっているのです。


宮城商事 佐々木理恵さん
「(去年の品薄を経験し)うちもコメが集まらないと思った。『うちもこのくらい(の金額を)出す』という話をして。仕入れの価格が上がってしまっているので、売値の方もなかなか安い価格では出せない状況」


コメ価格が高止まりして在庫も増える悪循環。こうした状況のなか、政府は「おこめ券」を物価高対策の柱に位置付けています。


宮城大学 大泉一貫 名誉教授
「おこめ券はどちらかというと需要を支えるもの。需要を支えるということは、需要が増えてくるから、コメの高値を維持することになってしまう」


コメ価格を下げることには繋がらないと指摘されるこの政策。


40代女性
「国民が困っているのは今なので、とりあえずとして、いただけると嬉しい」


80代女性
「本当に困っている人に届くようにとかを考えたほうがいいんじゃないの」


スーパーアキダイ 秋葉弘道 社長
「今回の政策自体も、焼け石に水って言っちゃったら元も子もないんですけども、やっぱり根本的な対策として、目先大変だけど、今後ある程度食料品が下がってきますよっていうような政策の方が、どっちかっていうと安心すると思いません?」


止まらぬ円安・物価高、星浩さん「高市政権にとって最大のネックに」

小川彩佳キャスター:
対処療法ではなく根本治療というのは多くの皆さんが共有する思いかと思います。高市政権は高い支持率が続いていますが、物価高対策をどのようにご覧になりますか?


TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
まずおこめ券ですが、やっぱり国民からすると税金だというのも分かっていますので、500円の税金なのに、なんで440円分しか出ないんだろうというのが不思議ですよね。


そして、結局農協JAが絡んでいるということで、やはり農業系の議員とJAとの関係が怪しいなということが浮かんできます。


もう一つは、デジタルの時代に、いかにもアナログなやり方なので、さすがに時代遅れというのがもう定着しちゃいましたね。


藤森祥平キャスター:
高市総理就任以降、10円近く円安が続いていて、何とかしなければいけないと手を打っているものの、期待通り効果が出ない。


TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
利上げをした直後に円が2円も安くなるというのは非常に珍しいことですよね。明らかにマーケットに見透かされてるということで、本来は利上げをして円高になって、物価高が是正されるという流れを見込んでいたのに、それが裏目に出ちゃったというか、うまくいかなかったっていうことですよね。


おそらく来年になっても、もう一度利上げするのはなかなか難しいので、物価高になかなか有効な手が打てない状況が続きます。今は(高市政権の)支持率は高いですが、来年1月、2月の国会で議論されてるときに、支持率がガタガタっと、物価高対策がうまくいかないことによって下がってくる可能性がありますので、物価高問題がやはり高市政権にとって最大のネックになってくると思います。


藤森キャスター:
今辛いし、先が見えないことでなお負担がのしかかっている状況ですね。


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<プロフィール>
星 浩さん
TBSスペシャルコメンテーター
1955年生まれ 福島県出身
政治記者歴30年


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