宮城県では13日から1人あたり300円の「宿泊税」が導入されます。利用者によっては「数百円なら気にせず払う」という方もいますが事業者にとっては“値上げ”と気にする面もあるようです。
【写真を見る】京都市は1万円に引き上げへ 全国各地の宿泊税と使い道
「宿泊税」全国で導入相次ぐ
出水麻衣キャスター:
全国で宿泊税の導入が相次いでいます。
【宿泊税を導入している自治体(税額は1人1泊あたり】
・ニセコ町:100円~2000円
・東京都:100円~200円(1万円未満はなし)
・熱海市:200円
・高山市:100円~300円
・金沢市:200円~500円(5000円未満はなし)
・京都市:200円~1000円
・大阪府:200円~500円(5000円未満はなし)
・福岡県・福岡市・北九州市:200円~500円
・長崎市:100円~500円
2026年には宮城県や仙台市、北海道など全国26か所の自治体が宿泊税の導入を始める予定だということです。(番組調べ)
2025年は訪日外国人旅行者数が過去最多を更新し、観光業は勢いを増しています。こういった背景も(宿泊税の導入を)後押ししているのではないでしょうか。
13日から宮城で“宿泊税” 不安の声も…
一方で、実施する事業者側には戸惑いの声もあるようです。
東北屈指の湯治場として知られる、宮城県北部の鳴子温泉。温泉宿には「宿泊税のご案内」のポスターが掲示されています。
宮城県で13日から導入される宿泊税。素泊まり1泊6000円(税抜き)以上を対象に宿泊客から1人300円を徴収します。(修学旅行などは除く)
宮城県が見込んでいる税収は、2026年度と2027年度で約12億円。観光のPRや旅行者の受け入れに必要な環境の整備などに使われるといいます。
江戸時代から「こけし」で有名な鳴子温泉。温泉街の人からは早くも期待の声が…
地元の土産店 遊佐昭俊さん
「鳴子温泉は宮城県の外れです。鳴子―仙台間の高速バスも今は通っていない状態ですし、二次交通を充実させてもらいたい」
宿泊税導入のもう一つの狙いが、欧米へのセールスなどインバウンド対策の強化です。
2025年10月の外国人宿泊者数は、1位東京都の約521万人に対し、宮城県はその50分の1で21位と全国上位から大きく離されています。
宮城県 村井嘉浩知事
「(宮城県内の)定住人口が減る中で、交流人口を活性化させることによって、経済的なプラスの大きな効果が見込めるのではないか」
ただ、一部の宿泊業者からはお客に1人300円の負担を求めることに対し不安の声も…
旅館ゆさ 遊佐久則さん
「物価高騰の中で、食材の仕入れや燃料費なども月を追うごとに上がってきてるんですね。宿泊施設としては(料金を)500円上げるかどうかって、結構悩んだりする。(宿泊税は)宿泊代が上がったっていう感覚。300円値上げですというイメージになる」
「宿泊税」透明性をもった使い道を
出水キャスター:
オーバーツーリズム解消のために宿泊税の導入を検討する自治体がある一方、鳴子温泉の旅館の方に話を聞くと「(宿泊税300円の徴収は)4人家族が宿泊した場合、1200円の負担増になってしまうので、『値上げ』と捉えられてしまうのではないか」という心配の声もありました。
スポーツ心理学者(博士) 田中ウルヴェ京さん:
導入の理由が地方自治体によって違いますよね。だからこそ導入したことで「誰の何の利益になるのか」ということを自治体が具体例を示すことはすごく大事だと思います。
例えば「観光客にはこんなメリット、宿泊施設にはこんなメリット、さらに近隣住民の方にもこんなメリットのために使います」という具体的な事例があると、「自分にとっても得なんだ、だから導入するんだ」というふうに理解してもらうと、説明もしやすくなるので、そういったことが細かくあるといいですよね。
出水キャスター:
重要なのは、使い道と効果をどれだけ透明性を持って皆さんにお伝えできるかだと思います。
宮城県によると徴収した宿泊税は▼インバウンド対策として県内のバス路線などを外国人観光客のための地図アプリに反映したり、▼仙台の宿泊客を空港から県内各地へツアーバスを整備するために活用する予定だということです。
京都市は「宿泊税」引き上げへ
宿泊税をすでに導入している京都市ではホームページ上で何にいくら使ったかといったことを動画やイラストで細かく公表しています。
そんな京都市ですが、3月から宿泊税の引き上げが決まっていて、宿泊料金が10万円以上の場合、税額は現在の1000円から10000円に引き上げられます。
令和6年度の税収は約48億円でしたが、▼街頭ごみ容器を約300基設置したり、▼ハイシーズン期に収集回数を増加するために活用したということです。(京都市の資料より)
同じくすでに導入してる金沢市では、さらに観光を盛り上げていこうと、金沢市らしい夜間の景観を創出するため、橋、石垣などをライトアップし夜の観光を促進するということです。
さらに住宅地も含め、観光地周辺の道路の舗装や無電柱化といった歩行環境の整備にも使われるということです。
“定額”より“定率”議論も
宿泊税については様々な意見があります。航空・旅行アナリストの鳥海高太朗さんは「観光推進の観点から平等性で考えると“定額”より“定率”のほうが望ましいのではないか」といいます。
実際、東京では宿泊費の3%を「宿泊税」として徴収するという議論もあるようです。
井上貴博キャスター:
基本的には定率の方がいいと思います。宿泊税や観光税は世界中で当たり前になっていくと思うので、我々も慣れなければいけないですね。
スポーツ心理学者(博士) 田中ウルヴェ京さん:
“平等”と“公平”は違います。同じ300円という定額ではなくて、何%という定率にした方が公平だと思います。
その方が地方自治体にとってもやりやすいかなと思います。
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<プロフィール>
田中ウルヴェ京さん
スポーツ心理学者(博士)
五輪メダリスト 慶應義塾大学特任准教授
こころの学びコミュニティ「iMia(イミア)」主宰
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