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米・イラン停戦合意も…不透明なホルムズ海峡航行、代替ルートで「原油調達コスト」が上がる2つの懸念点【Nスタ解説】

経済
2026-04-08 20:20

アメリカとイランが停戦に合意しましたが、日本のエネルギー事情は先行き不透明です。そんななか、ホルムズ海峡ルート以外の原油調達ルートの確保が進んでいます。


【画像を見る】中東に代わる、新たな「原油調達」3つのルートとは?


米・イランの停戦合意 ホルムズ海峡の航行はどうなる?

井上貴博キャスター:
8日に米とイランが停戦合意をしましたが、日本への影響も冷静に見ていく必要がありそうです。


TBS報道局 経済部 米田祐輔 記者:
もともと日本は原油の9割を中東から輸入していて、そのほとんどがホルムズ海峡を通っていました。


ホルムズ海峡が安全に航行できるようになるかどうかは非常に重要ですが、ある海運関係者は「仮に海峡が航行可能になったとしても、機雷の設置がされているのかなども含めて、これまでと同じ航路を利用できるのかという確認が必要だ」と指摘しています。


井上キャスター:
ホルムズ海峡が本当に解放されるのかもわからないし、解放されたとしてもダメージを大きく受けているので、すぐには回復しないだろうと言われています。


「石油供給を確保できるめどがついた」3つの新たな原油ルート

井上キャスター:
日本には石油の備蓄量が約230日分あります。これを使うにしても、時間稼ぎをしたいというのが政府の考えです。


そんな中、高市総理は7日に「備蓄放出量を抑えながらも、年を越えて石油の供給を確保できるめどがつきました」と話しています。


別ルートで石油を調達した場合、年を越えられることがわかってきたということです。


TBS報道局 経済部 米田 記者:
中東以外の国からの代替調達を必死に政府や民間がやっていて、その結果、年を越えて確保できる見通しがついたということです。主にアメリカや中東の他の港などからの代替調達が進んでいるといわれています。


原油を運ぶ新たなルートは3つあります。


▼カザフスタンルート
▼アゼルバイジャンルート
イラン情勢が始まる前から、既に民間企業「INPEX」が採掘の権利の一部を持っていました。現在は日本の有事ということで、優先的に日本が確保できる見通しがついたということです。

カスピ海に面しているカザフスタン、アゼルバイジャンで取れた原油を、パイプラインで黒海まで持ってきて、船に積み替えてトルコを回り、紅海とスエズ運河を通るという、ホルムズ海峡を通らないルートです。

ただ、フーシ派の活動が活発になっているというニュースもあるので、紅海を通れなかったときには、アフリカ付近の喜望峰を回るルートもあります。

中東から回ると20日間程度といわれていて、カスピ海からは約40日、喜望峰を通る場合には計算が成り立たず、見通しが立ってない状況です。


▼オーストラリアルート
「INPEX」はオーストラリアでも権益を持っていて、そこからも一部優先的に確保できる見通しが立ったということです。

オーストラリアの場合は約14日間で来るので、ホルムズ海峡を通るよりは近いです。

しかし、油の種類が違うということで、元々依存していた中東から持ってくる方が効率が高いということです。


もしホルムズ海峡ルートが可能ならば“通行料”は…

井上キャスター:
最近は石油や原油、ナフサなどが危ないのではないかと煽り立てるような報道を目にすることもあります。

ただ間違いなく言えることは、日本は世界有数の石油備蓄量を持っているということや、代替ルートを確保できつつあるということです。


一方で、量があることと価格が安定することは別問題です。短期的な安心感を持ちつつも、中長期的には物の値段が上がっていくだろうという、冷静な目で見るバランスも必要だという気がします。


金融業界出身のニューレディー 肉乃小路ニクヨさん:
流通の過程で目詰まりする可能性もありますし、船賃だけでなく原油自体も値上がりする状態が維持されてしまうと思うので、その点も注意しながら見た方がいいと思います。


出水麻衣キャスター:
今後ホルムズ海峡を通る際に、通行料のようなものを課されるかもしれないという報道もありますが、INPEXなどの日本企業はそれに対して、どれくらい織り込んで考えているのでしょうか。


TBS報道局 経済部 米田 記者:
通行料に関しては政府の判断や、特に日本は国際協調を重視しているので、いろいろな国と一緒になって交渉したりすることがあるかもしれません。現時点で決まっていることはないです。


井上キャスター:
日本単独で考えることもできないですし、「何でイランに払わなければいけないのか、国際法上違反ではないか」という考え方もあります。


「調達コストは上がっていくだろう」代替ルートの懸念点

TBS報道局 経済部 米田 記者:
代替ルートにも懸念点が2つあります。


▼ルートによって輸送日数が倍以上かかる。それに加えて、▼日本の設備に合わない可能性です。

原油は取れる地域によって全く成分が違います。今まで日本は9割以上を中東から持ってきていたので、日本国内の設備は中東に合わせたものになっています。

そのため、他の地域から持ってきたものが合わない可能性があり、その場合には設備そのものを変えなければいけなくなります。ですので、原油の調達コストは、今後上がっていくだろうといわれています。


井上キャスター:
短期的にはコストがかかりますが、長期的には分散化できるという見方もできそうですね。


肉乃小路ニクヨさん:
経済安全保障の観点で考えると、調達先の多様化は必ずしなければいけないと思います。

湾岸戦争があったときにも中東依存が高いことが問題だったのに、それが時を経てもこれだけ依存しているのは、経済安全保障という点で考えるとあり得ないことだと思います。


今からでもいいので、ピンチをチェンジするきっかけだと思って、いろいろな設備に投資することにお金を出してもいいのではないかと考えます。

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<プロフィール>
米田祐輔
TBS報道局経済部 経済産業省担当
原発や風力などエネルギー政策を取材

肉乃小路ニクヨさん
ニューレディー
銀行・保険会社など金融業界でキャリアを積む
独自の視点で経済・お金・人生観を語る


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