謎心理 わざわざ隣に座ってくる勢力“トナラー”を考察
2020-04-08 19:00:00
電車のシート、わりと空いているのに隣に座ってくる奴…。
銭湯、温泉などの流しで他も空いているのに隣に座ってくる奴…。
男性なら経験したことがあると思う、男子小便器でとなりにビタ付けしてくる奴。
比較的空いているにもかかわらずわざわざ隣に陣取ってくる人、いわゆる“トナラー”は常人には信じ難いですが少なくありません。
イラつく、不快と言うよりもプレッシャーと恐怖を感じます。彼らはどういった心理、ルールのもとにそんな愚行にでるのか? 今回はそんな謎勢力“トナラー”について考えていこうと思います。
[序説]
パーソナルスペースは3m前後といわれ、その圏内に赤の他人が入り込むと警戒、不快を感じるそうです。しかし赤の他人という条件ではその領域を自ら侵すトナラーも同じなのになぜわざわざ踏み込んで来るのか? いくつかの仮説をたててみました。
1.ゲン担ぎ説
レストランで毎回同じ場所に座る人、バスで同じシートに座る人、一種の拘りやそこに座ることでかつていい目にあったとかラッキーナンバーの席だとかで自分の指定席と思い込んでいる説。仮にトナラーをA、指定席をaとした場合、Aが座る前に自分がa、もしくはaの隣に座ってしまったケースだと、Aは自分の隣に座ってくるでしょう。このさも”俺の場所”を無言で主張してくる彼らの意識の中には、『イラつき>無意識の習性』であろうことからまだ真正トナラーではなく、ただこだわりの呪いにかかっているだけでしょう。怖いのは無意識の習性からなる真正トナラーなのです。
2.寂しがり説
これは解釈的には理解できないこともない説。ぼっちでいることに抵抗があり、寂しさを埋めるためにその場限りの相手の隣に着席するという説。という説明をされればわずかに理解を示せますがその実、他人が「寂しいのでお隣いいですか?」と申し出てきた場合、相当な恐怖を感ぜざるを得ません。
3.合理性説
これは出入口や必要のある場所までの導線の中で一番近い席、もしくは次の作業に移る際に効率のいい席という利己主義が先にたち、それを達成させるために他人の事は考えずやみくもに座る説。
映画館などで、人がまばらにもかかわらず通路に近いという理由で隣の座席を買う人はこれに分類されます。また映画館でいえば同条件で前や後ろを買う人もトナラーといっていいでしょう。そもそもトナラーは他人との距離感からくるプレッシャーの感受性に乏しく、それに対するデリカシーが皆無であり自己都合のみで席を選んでいるとみられるため、こちらが手段を講じても回避できないのです。
4.テトリス説
いわゆるすみっこから埋めていきたい人説。例えば6人がけの電車のシートで……
[B②D④⑤⑥]
BとDは先客で既に座っているものとし、②④⑤⑥は空いているスペースとします。
あなたならどこに座りますか?
自他のパーソナルスペースを尊重するなら⑤⑥に座りたいところですがテトリス系トナラーは④でもなく②に着席します。
[BトD④⑤⑥] ※ト…トナラー
端から埋まっていく美しさや隙間に詰め込みたいという日常生活の縛りプレイ心理からBとDの間に座ってしまうのです。さもテトリスでブロックを端から綺麗に組んでいくように、自分をその形にはまるブロックと思い込んでいるわけです。なのでこういったテトリス系トナラー勢力は、
[B②DEFGH]
このようなケースではテトリス棒が憑依し②に座ることに多幸感を得るのだと思います。
もう一例、駐車のケースで考えた場合。
[I②K④⑤⑥]
IとKは既に駐車車両、②④⑤⑥が空きスペースとした場合、非トナラーならば、車からの乗降や車同士の接触の可能性を考え言わずもがなで⑤⑥に駐車すると思いますが、トナラーは迷いなく②にとめます。
しかしひとつ要素を足すとどうでしょう?仮にIとKには同じ白のセダン車、非トナラーの自分も同様に白のセダンに乗っていた場合はどうでしょう? 「白のセダン三連を見たい」という心理が働き②にとめたくなりますよね。さらに④⑤⑥にも白セダンが停まってくれないかな、とすら願うでしょう。
このように心に隙があると、正常な人間でもトナラーに取り込まれてしまう魅力的なシーンがあるので自分を律していかなければなりません。
新型コロナウイルスの所為もあり近距離で接触することに注意が呼びかけられている昨今、そんなことはお構いなしに空席に余裕があっても隣に座ってくるトナラーの心理はつかみづらいものです。席を立てばどこかこっちが感じ悪い奴みたいに思われるケースもあります。この様に相互で不快な思いをしないよう、トナラーは自覚をもち、非トナラーは相手勢力の気持ちを理解することが必要です。
また今回考察したトナラーの生態とは別に女性の隣を狙った“性的トナラーもどき”も存在します。自覚無しトナラーとは違うため同種とくくってしまってはいけません。
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Fujisan.co.jpより
情報提供元: マガジンサミット