E START

E START トップページ > マガジン > スポーツの秋こそ。正しい脱水症予防をご紹介

スポーツの秋こそ。正しい脱水症予防をご紹介

2016-10-07 18:30:00


執筆:Mocosuku編集部
監修:坂本 忍(医学博士・公認スポーツドクター(日本オリンピック委員会強化スタッフ))
スポーツの秋、運動会の秋。運動やスポーツを楽しむ季節ですね。
しかしそんな秋の意外な落とし穴が「脱水症」なのです!
夏場は気をつけていた水分補給も、秋になり、涼しくなったからといって怠ってはいけません。単に「水分を摂れば良い」と思っていると、かえって症状を悪化させることもあります。
今日は適切で、効果的な水分補給のポイントをもう一度、ご一緒にチェックしていきましょう。

体重の2%の水分喪失で危険に!


体の水分が不足して起こる脱水症。
初めは「喉の渇き」、さらに進むと「全身のだるさ」「頭痛」「吐き気・嘔吐」「めまい」などが起きます。
さらに水分不足が続いて汗が出ない状態になると体温が急上昇。熱中症のリスクが高まり、命にかかわることもあります。
脱水症になる水分不足の目安は、体重のおよそ2%。体重50キロの人なら約1リットルの水分を、汗や尿などで失うと、危険な状態になります。
人は多いときには1時間500~600mlの汗をかくとされます。
つまり、体重50kgの人でいえば、およそ2時間激しい運動を続けると脱水症の危険ラインに近づいているか、すでに踏み越えていることになるのです。

水分の摂り方を間違えると……


とはいえ、汗をかいたら「水をがぶ飲みすればいい!」というわけではありません。
人間が一度に吸収できる水分量には限界があります。
脱水状態に近づいてから大量に水分をとっても、体は必要量の一部しか吸収できないのです。
一方、水分の摂りすぎにより血中のナトリウム濃度が低下し、ひどい場合はけいれんや意識障害を起こすこともあります。
また水分のあるものであれば何でも良いというわけではなく、かえって症状を悪化させることがあることを知っておきましょう。「運動のあとのビールが楽しみ!」という人も多いかもしれませんが、ビールには利尿作用があるため、さらに脱水を悪化させる恐れがあります。
また、コーヒーや緑茶などもカフェインの利尿作用があるため水分補給には不向きといえます。が、普段からカフェイン飲料を飲んでいる場合は利尿作用への影響は少ないとされています。

効果的な水分補給の方法は?


200~250mlの水分を1時間に2~4回に分けて摂るのが目安。
水の温度は5~10度くらいが適切です。高すぎると吸収量が少なくなり、逆に低すぎると飲みにくいうえに体に負担がかかります。
さらに、1時間以上の長時間にわたって運動する場合は、水分だけでなく塩分と糖分などのエネルギーの補給も欠かせません。0.1~0.2%の食塩や4~8%程度の糖分を含んだものを飲むと、運動後の疲労軽減が期待できます。
もちろん、汗をかくのがいけないわけではありません。
運動や入浴でしっかり汗をかくことは、体温調節機能の維持や強化に効果的です。普段から汗をかくことが少ない人は、体温調節機能が弱く熱中症になりやすいとされます。
屋外でのスポーツを楽しむのに最適なこの季節に、適切な水分補給を確認して、いい汗をかきたいですね。

関連記事

情報提供元: mocosuku

人気記事