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和食の基本「一汁三菜」 管理栄養士が解説

2016-10-28 12:00:08


執筆:永吉 峰子(管理栄養士)
和食が再注目されている今、見直されている「一汁三菜(いちじゅうさんさい)」の献立。とてもヘルシーなイメージがありますね。
そんな一汁三菜、そもそもどういう意味なのか、その基本やおすすめの食べる順番など、管理栄養士がご紹介していきます。

そもそも一汁三菜って?


一汁三菜は和食のスタイルの1つ。ご飯と汁物と漬物に、生魚を使用したなます、焼物、煮物の3つのおかずが付く献立です。
もともとは和食のおもてなし料理の1つで、沢山の料理をお膳にのせコース料理のように出す「本膳料理」から派出したスタイルと言われています。その後は茶の席で出される懐石料理や、庶民の食事として広まりを見せました。
現代では焼物や煮物に関わらず、メインのおかず1品と副菜2品の献立を一汁三菜と呼んでいます。
食事のバランスが摂りやすく、洋食よりもカロリーを控えめにしやすい点で改めて見直されている食事のスタイルなのです。
和食の基本「一汁三菜」

一汁三菜をヘルシーにする方法とは?


1.たんぱく質のおかず1品+野菜のおかず2品を守る


一汁三菜の献立は、沢山の食材が摂れることが魅力の1つ。しかし、使う食材のバランスを考えないと、カロリーが高くなってしまうなどヘルシーとは言えない献立になってしまうことも。
バランスよくヘルシーにするためには、肉・魚・卵・大豆製品のたんぱく源になるメインのおかずは1皿にし、野菜や海藻などを使ったおかずを2品にしましょう。
よく見かけるのが「肉料理+魚料理+サラダ」「魚料理+冷ややっこ+煮物」「肉料理+納豆+漬物」のようなメインが2つある献立です。
このような献立は育ち盛りのお子様や、アスリートにはぴったりの献立です。
しかし、一般的な運動量の方にはカロリーオーバーになったり、油の摂りすぎになったりすることがありますので注意が必要です。

2.調理法を重複しない


調理法が重複すると、油や塩分の摂りすぎになってしまうこともあります。できれば3皿の調理法は違うものがよいでしょう。

管理栄養士おすすめ!一汁三菜の食べる順番


1.早食いや偏食防止に!「三角食べ」
ついつい早食いしてしまう方や、お子様などの偏食を防止したい時におすすめなのが三角食べという食べ方です。
おかずを食べたら必ずご飯を食べ、次のおかずに進みます。まんべんなくおかずを食べることで偏食を防止することが期待できます。
また、おかずの合間にご飯を挟むことで一気に食べることが防げ早食い防止につながり、ダイエットの効果も期待できます。
 
2.ダイエットや、野菜不足が気になる方に「ベジタブルファースト」
ベジタブルファーストとは、野菜のおかずを食事のはじめに食べることを言います。
ポイントは1皿すべて完食してから食事を始めることです。野菜に含まれる食物繊維が血糖値の上昇をゆるやかにするので、血糖値を下げるインスリンという物質を節約することができます。
インスリンは糖を脂肪に変える働きもある為、ダイエット効果が期待できます。
また、食物繊維の働きにより満腹感が得やすいこともポイントの1つです。

一汁三菜を実現する簡単な方法は?


一汁三菜のすべてをそろえるのはなかなか難しいもの。そこで、活用したいのが副菜の常備菜です。
きんぴらや炒め煮などは、根菜・ピーマン・きのこなど幅広い食材で作ることができおすすめです。
お弁当にも使えますし、オムレツの具やサラダのトッピング、混ぜご飯の具などにもアレンジができます。
また、あと1品足りない時におすすめなのが冷凍野菜です。
ブロッコリーなどは電子レンジで加熱し、マヨネーズをかければ簡単にサラダになります。すぐに使うのであれば、カット済のサラダ野菜を使うのもよいでしょう。

一汁三菜は和食の基本です。
だからこそ余り難しく考えず、自分に合った献立や食べ方で取り入れてみてはくださいね。

<筆者プロフィール>
永吉峰子(ながよし・みねこ)
管理栄養士。大手小売企業にて店長、商品開発を経験後、現在は「健康」「食」に関する執筆を中心に活動中

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情報提供元: mocosuku

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